第150話漆黒の使徒VSミレイの眷属

ミレイを闇に落としたモルドバルは、漆黒の女神クロノラナから加護と力を与えられ信者達を強化し、何故かミレイの眠るモルトン近郊に来ていた。



モルドバルは、漆黒信者達に女神からの加護を小さな闇魔石に魔力を込め信者に飲ませる。


すると一人一人の闇の力が増大し、ほとんどが、ナンバーズ冒険者並みの力を手に入れていた。


それを確認してモルドバルは、信者達に告げる


「このモルドバルは、女神クロノラナ様より大いなる力を頂いた。よって我は、漆黒の教皇を宣言し、この力を使いこの世界の主教を漆黒の女神クロノラナ教にして、我々が支配する。」


信者達は、モルドバルの言葉に頭を垂れ聞き入っている。


更にモルドバルは、モルトンにターゲットの聖女が、闇に落としたミレイを回復させようとしている事、その守りをナンバーズ冒険者が守ってる事を告げる。


それをそして幹部と信者達に、我々漆黒に完全に敵対する者達だと告げ、聖女を守る者達の殲滅と聖女の闇落ちを命令する。



幹部と信者達は、モルドバルの言葉に立ち上がり宣言して出ていく。


「全ては、漆黒の女神クロノラナ様のために!」



モルドバル達がモルトンに向かって歩み始めた時モルトンの町より数十人の者達が駆けつけ、モルドバルの前に立ちふさがる。


☆…☆…☆…漆黒のモルドバルが現れた頃


ナンバーズ側視点


アイム達は、モルトン近郊に突如現れた闇の強力な魔力を感じて、あわただしく 戦闘班に連絡をして、準備をする。


アイムは、集まった者全員に指示をする。


「この大陸にある全ての漆黒の魔力がここモルトン近郊に集まってる。

奴らの狙いは、聖女様と女神の子供ミレイです。ここで全て終わらせます。」


グランアリスがアイムに尋ねる


「奴らは影移動が得意と聞いている。その辺は、どうする?半分くらい町に残すのか?」


アイムは、聖女テレサラートを見るとテレサラートが頷く


「町の心配は不要。聖女テレサラートが漆黒の者が得意とする影移動も防ぐ多重結界を張る。あたし達は、最大戦力で漆黒を倒す。」


テレサラートが答える


「私は皆様が町を出られた瞬間より町全体に真聖結界を張ります。この結界は、闇移動、等空間系の魔法に最大の威力を発揮します。

ただ闇の破壊攻撃レベル8以上だけは防ぐことは出来ませんが問題ないと思います。」


アイムは、全員に告げる


「ということで、ここは姫騎士と聖女テレサラートにまかせて、あたし達ミレイの眷属とナンバーズ、剣聖、剣王のメンバーで、漆黒の殲滅に向かいます。エレミア様ミレイパパをお願いします。」


アイムは、モルトン近郊に集まってる禍々しい魔力が集まっでるのを感じ作戦を伝える。


「あたい達姉妹は、漆黒の中でも特に魔力の強い10人を相手にします。

ナンバーズのお姉さま達と剣王、剣聖のお姉さま達は、その他の者達をお願いします。

あいつらは闇に染まってるから、回復は無理だから。全力で殲滅して下さい。」


アイム達は、準備を整えモルトン近郊の平原に向かった。




ミレイの眷属は、白狐姿のライム、エルフ姿のパルム、ドワーフ姿のエルム、サキュバス姿のミルム、ミレイ(女性姿)のポルム、メイド姿のティム、幼女姿のアイム、少女姿のリンナ達が横一列に並ぶ。

そのすぐ後ろにナンバーズ達が控える。


それを見てモルドハルは、自分に近い強力な闇の魔力を持つ10人に前に出るように伝える。


「漆黒の使徒前にでなさい!あの8人を捕らえなさい!少々の欠損は構いません。

愚かな者達に絶望を与えるのです。

漆黒信徒は、全員で後ろに控える女どもを拘束しなさい。

1500名のAランク同等の貴方達なら教えた通り数で攻めなさい。

残りの500名は、モルトンを囲み中に侵入して聖女を闇に沈めてミレイと聖女を連れて来なさい」


そして激しい戦闘が始まる。漆黒の使徒と呼ばれてた者達は、モルドバルによって格段に能力が引き上げられSランク以上の動きを見せてライム達を追い込む。


アイムは指示をだす。


『お姉さまモルドバルは、まだ何か隠しています。それを突き止めるために能力を落として戦ってください。』


ライム達は、能力をできるだけ抑え苦戦しているように見せる。




ナンバーズ達と、剣王、剣聖達は、上手く連携して、信者達を殲滅して、数を減らして行く。


そして、モルドバルは、モルトンに侵入させようとした部隊から町に侵入出来ないと連絡を受け強行手段に出る。


『まさか、町全体に二重結界が張られるとは忌々しいですね。

それに使徒の攻撃も全く効いてないみたいですね。

こうなったら使徒に闇の核魔石に全魔力を込めさせましょう。

そして私の持つ閻魔石に吸収させて、この辺り一帯町ごと破壊しましょう。


私には、この鎧があるので爆発の影響はないですから…

生き残りを私が闇に落とせば全て終わります。』


漆黒の使徒は、モルドバルからの命令で自身の闇魔力と生命力を核魔石に注ぐ行動を取る。

10人の使徒は、動かなくなり彼らを守るために信者達が壁になる。

壁になってる信者も魔力を注ぐ。

魔力を注いだ使徒と信者達は、魔石を守るように魔力枯渇で倒れ込んでいく。


アイムは、ライム達に指示をする。


『お姉さまモルドバルは何か仕掛けようとしています。

至急10人の強力な闇魔力を持ってる者達を拘束してください。』


ライム達は、動くも信者達に阻まれ使徒までたどり着かない。


ライム達がもたついてる間に、モルドバルが核魔石に闇の魔力がたっぷり注がれてるのを確認する。


モルドバルは、ニヤリと笑い使徒達一人一人に手をかざす。

すると禍々しい核魔石が使徒達から離れモルドバルの持つ閻魔石に吸収させていく。


使徒達から核魔石を吸収したモルドバルは、直径1m以上まで膨らんだ大きな黒い閻魔石は、禍々しいオーラを放ちモルドバルの手を離れ頭上に浮かぶ。


アイムがそれを見て叫ぶ。


「ナンバーズと剣聖と剣王のお姉さまは、全力でモルトンの町の聖女様の結界の中に入ってください。急いで!」


グランアリス達は、反論するもアイムは命令を変えない


「駄目です。お姉さまでは、耐えれません!急いでモルトンの中に入って!」


グランアリス達は、頷き全員全力でモルトンに駆けだす。


アイムは、ライムにモルドバルの鎧の効果を弱めるようにお願いする。


『ライムお姉さまモルドバルの鎧闇の魔力を受け流す効果あるので、お姉さまの聖魔法で効果を解除してください。

今ならあの魔石に集中してるのでわからないはずです。


エルムお姉さまは、ライムお姉さまが解除したら直ぐに魔法障壁をモルドバルとあの黒い閻魔石ごと球体で覆ってください。』


ライムは、直ぐに効果を打ち消す魔法を放ち、それを確認してエルムが障壁を展開する。


アイムはそれを確認して、高速思考で考えた事を姉妹に指示をする


モルトンの町への爆発の影響を考え姉妹達を配置する。


『ライム、パルム、エルム、ミルムお姉さまは、モルトン側の指定した場所に展開して、爆発の威力を吸収してください。

ポルム、ティム、あたいとリンナは、4人のお姉さまの魔力補助です。』


アイムは、ライムの後ろで魔力を注ぐ、リンナは、エルムの後ろで魔力を注ぐ配置に着く。

ポルムとティムは、お高い頷きパルムとミルムの横に並ぶ。


モルドバルは、閻魔石に自分の魔力も込め終わると、周りが障壁に覆われている事に気がつく。



モルドバルは、予想外の事に驚くもニヤリと笑い閻魔石に手をかざし詠唱を始める。


『ふん無駄な事を…我々の漆黒の女神様の魔力を込めた核魔石を吸収したこの閻魔石の爆発の破壊力は、貴方達が思ってる以上だと思いますよ。フフフ


私がこのトリガーの言葉を唱えれば終わりです。

私は漆黒の鎧で闇の爆発は全く影響ありませんから、町が破壊され絶望に沈む民を見るのを楽しみにしましょう。』




『ΠΡΤΘα』


モルドバルが呪文を唱えたとたん閻魔石が禍々しい光を放ち大爆発を起こす


爆発は、エルムが何重にも張りその威力をミルム達が障壁に手を当て吸収している。


しかしその威力は凄まじく、どんどんと膨らんでいく。

やがて障壁が割れ始め、最後の障壁が破れる。


ペキペキ…


アイムが叫ぶ


『お姉さま範囲吸収を!』


障壁が割れ闇の大爆発が広がる


ライムとエルムは、後ろで自分に魔力を注いでいたアイムとリンナに直ぐに結界を張る。


ポルムは、闇の爆発の威力を相殺する風属性の爆弾を投げ爆発させて威力を弱める。


ティムは、全魔力を音魔法で威力を相殺させる。


ライム、パルム、エルム、ミルムは両手を広げ範囲吸収で威力を自分達に集める。


ライム達による威力軽減で上級魔法の威力まで低下した爆発は、町に張られた聖女の結界を破る事なく消滅した。



ナンバーズ達は、分散して各自で町の入口で魔法防御壁を張っていたが、爆発の威力が聖女の結界を破る事なく消滅して、ほっと一息着いていた。


グランアリス達は、町の被害が無いことを確認して、直ぐにライム達の元に向かった。



大爆発の後、その場所には、巨大な穴とモルドバルが身に付けていたぼろぼろの鎧だけが残っていた。



ライム達は、爆発軽減で魔力枯渇になり、その後の爆発で生命力が大幅に低下、魔力枯渇で防御も出来ず、完全睡眠モード寸前までHPMPが低下し、かろうじて現在の形態を維持したまま深い眠りについていた。


アイムとリンナだけは、結界に守られたおかげで、魔力枯渇の状態で眠っていた。


グランアリスは達は、散らばり倒れてるライム達に走りだした。

それぞれが傷つき倒れてたライム達を抱き集まる。


アスカがライムを見て呟く


「ライムちゃんは、見てられないくらい酷い状態…」


エリアリアも抱き抱えてるポルムを見て呟く

「こんなにぼろぼろになって…守ってくれたのね」


エーデルワイスも涙を溜めエルムを見つめ呟く


「エルムちゃん爆心に近いところで倒れてたから両手が無いのよ…グスン」


メリがマリの抱えてるアイムを見て呟く


「リンナちゃんとアイムちゃんだけ傷もなく魔力枯渇で眠ってるみたい…」


グランアリスも二人を見てメンバーに話す。


「この二人は、この中の誰かに守られたんだと思う。恐らく後のことを考えて…」


エリアリアが皆に発言する。


「この子達をミレイちゃんの所に連れて行って休ませてあげましょう。」


グランアリス達は、ライム達を抱き抱えモルトンに戻って行った。










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