第145話ポルムの初めてのお使い(メリー湖)
あたいは、桟橋に立ち湖に両手をかざし呟やく
『ミレー号』
空間から巨大なクルーザーが現れ湖に浮かぶ
陛下が隣で感心する。
「ポルムまで収納魔法を使えるとはのぉ、しかし何度見ても綺麗な船じゃ。」
陛下は、そう言ってクルーザーに乗り込もうとするも、メイド達は初めての出来事に驚き口をポカンとあけて見てる
「ほれ、お前達何をポカンと見てる早く入って茶器とか準備があるじやろ。
中には綺麗なキッチンもあるから安心せい!行くぞ。」
陛下は、メイドを従え勝手に入って行く。
クルーザーを初めて見たグランアリスとエーデルワイスは、暫く固まっていたが、アスカ達に促されクルーザーに乗り込んでいった。
あたいも最後に乗り込み、レフレアさん達に手を振り操縦キャビンに上がる
船内放送で、陛下達に伝える
『では出発します。今からあたいの魔力流れるので船の設備が使えるので、到着するまでゆっくりしてるのじゃ。』
ポルムが魔力を流すと、クルーザーはゆっくり桟橋を離れて行く。
ポルムは周りの景色を覚えながらクルーザーゆっくり進め操縦する。
『前にミレイが何も確認せず進めて迷ってたから、あたいは賢いからちゃんと周りを見て覚えるのじゃ』
クルーザーはメリー湖を順調に進む。
『このクルーザー前より魔力減るの早い気がするのじゃ。』
それもそのはず、船内設備は、最新に作り変えら船の動力も変わっていたからだ。
特に温度調節機能付き魔石コンロ、温度調節機能付きオーブン、圧力鍋等キッチンの設備は、前よりも充実し、メイド達は、触って体験して、大喜びしていた。
当然魔力は、馬鹿みたいに消費している。
お風呂もシャワー始めジェットバスにミストサウナと以前より豪華になり、冒険者達は、歓声をあげ入っていた。
ここでも魔力が前以上消耗している。
陛下と王女二人は、船内設備を説明した後、操縦キャビンに来ていた。
3人は、ポルムに話しかけることしないでポルムの操縦する姿を眺め小声で話しあっていた。
ポルムは、感じていた。
このクルーザー魔力消費が前より多いと。
『このままじゃ魔力持たないから、速度落とすのじゃ。』
クルーザーの速度がかなり落ちる。
馬車のスピードまで落とす。
『これくらいなら大丈夫なのじゃ。』
あたいは操縦しながら操縦席に増えてる新しい機能をチェックしていた。
なんか四角の箱の中に魔石が入ってる。
直径20cm近くある大きな魔石?こんな大きなのどうしたんだろう
その箱の端の所にボタン?スイッチ?が縦に3個並んでる。
あたいはいろいろいじって見た。
一番上のスイッチは何んじゃ?
押して見ると魔石が薄い青い色に変わる
おお!なんかぐっと魔力が吸われた。
なんか結構魔力使うんだ。
真ん中のスイッチは、くるくる回る
今魔石に白い小さな丸い点があって、右に回すと大きくなって魔石の端に移動し、左に回すと位置は少し真ん中に移動して点が小さくなった。
もう1つのスイッチは、右に回すとカチッと音がして別の所にあった赤い点が点滅する。
そのスイッチを押すと点滅が止まり、白い丸い点が三角になってクルーザーが勝手に方向を変えて走りだす。
うわーすごぉーい。アイムとライムお姉さまがいろいろやってた時、このクルーザーも改造してたんだ。
あたいがいろいろスイッチ入れていじってたらナビ機能が頭の中に流れてくる。
一番上のスイッチは、予想通りこの魔道具の起動スイッチで、オートクルーズの機能に連動していて、右に回すと点滅が早くなり、左に回すと点滅は遅くなり止まる。
点滅は速度を表し点滅が早ければスピードが上がる。
真ん中は、縮尺が変わる。回すことで、現在地との距離が変わる。
一番下のスイッチは、オートクルーズ機能と自動追尾機能でロックしたいターゲットを決める時は、スイッチを押す。
もう一度押すと解除。
ターゲットを変える時は、さらにもう一度カチッと回すと点滅は、違う場所の点に移動して点滅する。
表示される色でターゲットがわかるらしい。
赤…魔物(ランクによって大きさが変わる)
緑…魔物(眷属・好意のある魔物)
黄…人間(敵意・悪意の持つ者)
青…人間(仲間・好意のある者)
この魔道具の名前は、レーダー探知機で、オートクルーズ機能付きらしい。
他にも照明が火属性魔石の弱い赤い光ではなく光属性魔法のライトが付与されてる照明魔石を使ってる。
魔石照明は、夜でも本の文字がハッキリわかる明るさになっているらしい。
それに新たに通話機能の魔道具も取り付けられてて、通話先のボタンを押すと相手の部屋に繋がり、手を離したままで話ができるみたいじゃ。
後船の速度も出るようにジェットポンプ式に変わってるから以前の3倍速度が出るらしい、当然魔力消費も激しい…
本当いろいろと凄い船なのじゃ。
たぶんアイムはミレイの知識も取り込んでるからこんなの作れたのじゃ。
この船も改造してたから、あたいだけ最後になったみたいだ。
ミレイの回復は時間がかかるとわかりアイムとお姉さま達は、ミレイのためにハウスも最新設備が整った物に大きく作り替えられたし、ハウスや魔道具のための素材集めにお姉さま達はいろんな所に散っていたし。
あたいは、ミレイと双子のようだから、ミザリーお母様があたいを見て癒され、頑張れるからと、ほとんどミレイの側にいた。
それでその間にアイムとお姉さま達は、ハウスとこのクルーザーを改造してたんだ。
数週間でハウスも船もって、本当凄いのじゃ
皆に船内放送で新たに機能が増えてる設備の事を伝える。
あたいは、レーダー探知機を操作して魔物を探しターゲットをロックしてオートクルーズセット。
クルーザーは方向を変えて走りだす。
凄いけど、魔力が馬鹿みたいに吸われて行く。
うわー皆が設備いろいろ使いだして、オートクルーズ使ってたら、魔力が持たないのじゃ。
仕方ない、クルーザーの速度もっと落とすのじゃ。
『これくらいなら大丈夫なのじゃ。』
速度がかなり落ちたのでサリアス陛下が聞いて来る
「ポルムよ、快適に進んでたのに随分と速度落としたが、どうしたのじゃ。」
あたいは、正直に話した。
「このクルーザー前より機能がいっぱい増えてて、馬鹿みたいに魔力消費激しいのじゃ。
特にクルーザーを進める動力が、まるで変わったから、よけい魔力を持っていかれる。
ミレイなら問題ないけど、あたいはミレイみたいに魔力多くないから無理じゃ。」
「なるほどのぉ…しかしこんな歩くような速度じゃのぉ…まぁたまには、のんびりするのもいいかも知れん」
ぐっ確かにこれじゃ目標に近づくのに何日かかるか…
レーダー探知機の点滅は、ほとんどしてない…それだけ遅いと…
あたいは、船内放送で少しの間設備を使うのを止めて貰って、クルーザーの速度を上げて見た。
それでも馬車のスピードよりちょっと早いくらいが限界だった。
『お姉さまこのクルーザーの動力は魔力消費激し過ぎるのじゃー!』
あたいは、レーダー探知機もスイッチを切った。
これだけで、全部の設備と同じくらい魔力使ってるんだ。
何このレーダー探知機!無茶苦茶魔力使うのじゃ。
でもこれなら行ける。
さっきの目標の場所は、このまままっすぐ、遅れを取り戻すのじゃー!
あたいは速度を上げた。
らぁー!
………
……
…
この辺じゃない?
『レーダー探知機ON!』
あれ?ターゲットがいない?
方向間違えたの?
あたいは、クルーザーを止めてレーダー探知機をいじって調べた。
この範囲を広げて……
えーー!
またやってしまったのじゃ…
方向が違ったぁーー!
うーん仕方ないのじゃ。あたいは、悪くないからいいのじゃ。
今からここに行くの無理なの。すぐに暗くなるから今日は、ここまでなのじゃ。
あたいは、クルーザーを完全に停止して、設備を使えるように予備の魔力貯蔵魔石に切り替えた。
皆にも設備を使える事を伝えて操縦席を離れ食堂に向かった。
はぁ…何か疲れたのじゃ…
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