第144話ポルムの初めてのお使い②

あたいは、少し落ち着き撫でてくれてる陛下を見る。

「サリアス陛下もう大丈夫なの。ありがとう…」


サリアスは、残念そうに答える。


「そうか、妾としては、まだまだかまわぬのじゃが…娘達に怒られるからこの辺にしとくかの」


チェリアス王女があたいの手を握る


「ポルムちゃんミレイちゃんの事は、わかったわ。後お手伝いする事ないの。」


え?何この視線皆がポルムを見てるの

何か怖いから無いって言うのじゃ


「無いですの。。。」


じー


うわー何か皆があたいを見つめるの。

あたいは頑張って耐えた。


フェアリス王女がポルムを見つめ聞いて来る


「ほんとうにミレイちゃんの事を伝えにだけ!来たのね。」


うう…何この圧何か怖いのじゃ…

あたい何も余計な事言ってないから、ばれて無いはずなのに…


大丈夫このまま出て行けばばれないはずじゃ。


「あ・あたい急いで戻るからまたなのじゃ。」


あれ?立ち上がったのに、チェリアスとフェアリスの二人はずっとあたいを見つめたままだし


サリアス陛下は、ニコニコ見てる。

ナンバーズ冒険者も何故か笑っている。


何で?まぁいいのね。さっさと湖に行って魚をこのアイムに作ってもらった、かっこいいダガーでサクッと仕留めるのじゃ。


あたいが扉を開けようとすると、姫騎士のバニラが扉を開けてくれる


「ポルムちゃん凄く素敵なダガーね。よく似合ってますよ。でもそれでオークとかボアを狩るの大変ですよ。」


何言ってるの?今から狩るのはルービフィッシュなのに…

あたいは少しむっとして答えた。


「大丈夫なの今から狩るのはルービフィッシュとかタイガーフィッシュなのじゃ……あ!」



サリアス陛下がニコニコ笑う

チェリアス王女がバニラに手で合図を送ってる。


フェアリス王女がぐいぐいと迫り問い詰めてくる。


「ふーん急いで帰るんじゃないんだ。

ふーん私達に嘘ついてたんだ。」


まずいのじゃ…

くっ仕方ないここは逃げるのじゃー!


「あたい急ぐからまたなのじゃーー」


あたいは全力で転移部屋を目指して王城内を走った。


バニラが逃がしません!と言って追いかけてくる。


他のナンバーズ冒険者も追いかけてくる。


げっ速い


本気出すのです。

…………

………

迷った。


あれ?


ここどこ?


広いしみんな似たような感じだしわからなくなったのじゃー!


ここの辺かな?

あたいは、すぐ近くの扉を開けた。


「ポルム様どうかされましたか?」


あさっき凄い動きのメイドさんだ。

どうする?素直に転移部屋に案内してくれると思えないし…


考えるの…

あたいは必死に考えた。


そうだ!


「あのさっきトイレで服濡らしちゃって気持ち悪いの。それでメイド服でもいいので貸してほしいの。」


メイド部屋にいた人達はニコニコしながら頷き服を用意してくれた。


「少し大きいですが、急ぎお直ししますね。」


そう言ってあたいに着せてくれたメイド服は、3人のメイドさんがあっという間に手直ししてくれた。


よし!これならお城のメイドさんだし走らなくても、ミルムお姉さまの部屋を聞いて、ゆっくり歩いて行けば大丈夫なのじゃ。


「あの…前ここに来たミルムお姉さまのお部屋はどこか教えてほしいのじゃ。」


一人のメイドさんが丁寧に地図を書いてくれた。


「これでわかると思います。ポルム様メイドは走ることはしませんので、ご注意ください。」


「わかったの。ありがとうなのじゃ」


あたいは、お礼を言って部屋を出た。

何故かメイドさん達は、ニコニコ笑っていたけど


とにかく急いであの部屋に行って転移じゃ!

えっと地図ではここを曲がって…ここを左にと…

途中何人か姫騎士の人とすれ違ったので挨拶をする


「お疲れ様なの」


姫騎士は、何故か顔を赤くしてお辞儀をして去っていく。


上手くできたの?止められなかった。


これなら行ける気がするのじゃ。


それからも数人メイドと姫騎士にすれ違ったけど問題なかった。


メイド変装作戦成功なのじゃー!


よし!後はこのまままっすぐ行った正面の部屋がミルムお姉さまの部屋だ。


よし!見つからずに着いたぁー!


あたいは扉を開けた。


「「お帰りなさいポルムちゃん!」」

「「キャー可愛いー!」」


「なぁ・なんでじゃーー!」


あたいは部屋に入って唖然とした。

部屋には、陛下もナンバーズ冒険者もいるからだ。


えーー!戻って来たの?


あの教えてくれた。メイドさんもいる


なんでじゃ?


サリアス陛下が笑いながら教えてくれる


「ほんとうポルムは、面白いのぉ。ハハハ。逃げて隠れた部屋がメイド達の休憩場所で、そこでメイド服に着替えて、変装すれば怪しまれず逃げれると思ったと。アハハ

そんな小さな子供メイド、王城にはおらぬぞ。

逆に目立つておったはずじゃ。フフフ

このメイドのホランが。裏から出てここまで先触れして回ったのじゃ。」


回りもクスクス笑っている


メイドのホランが一礼して、ポルムに話す。


「私達も笑いこらえるの必死でした。可愛いポルム様が何か考えられてて、メイド服を、貸してくれと。

私達は、びっくりしました。そんな事すればよけい目立つのにと。

でも可愛いポルム様のために私達は、笑いをこらえ頑張ってメイド服を手直ししました。

その後私は裏から出て、ルート上に警備してる姫騎士や、そのエリアを担当してるメイドに知らせて回り、ここまで来ました。

可愛いポルム様がメイド服を来て来られます。決して笑わず普通に対応してくださいと。」


あたいは、恥ずかしくてずっと下をみていた。


サリアス陛下が話しかけてくる。


「ポルムよ。妾達は家族じゃぞ!もっと妾達を頼りなさい。

ポルムが狩ろうとしてるルービフィッシュやタイガーフィッシュは、全てミレイのために必要なんじゃろ。」


ナンバーズ冒険者のグランアリスさんがあたいの前まで来て膝を折り視線を合わせるように話しかけてくる。


「わたしは、まだミレイ様と面識がないが、私の契約精霊ウンディーネ様がいろいろ教えてくれた。

そしてミレイ様の活動を聞き私もミレイ様にお仕えしたいと。

だからポルム様わたしにも手伝わせてください。」


誇り高いと言われる龍人族が、頭を下げるなんて…

するとナンバーズ冒険者が後ろに整列してお願いしてくる。


「「「ポルム様私達にも手伝わせてください。」」」


えーー!


サリアス陛下は、もう行く気でメイド達にいろいろ指示をしている。


「ミレー号は、貴族の屋敷が船になったような感じじゃから、お前達も準備しなさい。」


「わかりました。」


王女様は、急ぎ着替えて来ますと言ってメイドを連れて部屋を出て行った。


えーー!陛下に王女様まで行く気なの?


あたいは、諦め改めて皆にもお願いした。


「皆さん今から湖に行って、ルビーフィッシュとタイガーフィッシュを最低でも前と同じくらい持って帰りたいです。

よろしくお願いします。」


皆は嬉しそうに返事した後、準備すると言って部屋を出て言った。


ナンバーズ冒険者は一応この王城にも部屋を与えられていて、すぐに戻ってくるらしい。


陛下は、ホタルとシャルテが戻って来てから、着替えて来ると言って、隣の部屋に行った。


暫くして全員が揃ったので、転移ゲートを通るための認識用の魔道具の指輪を全員に渡していく。

全員に渡し終わり指輪について説明する。



「この指輪は、ミレイの魔力が入っていて、装着者の魔力と綺麗に混ざると核の宝石が綺麗なブルーになるのじゃ。

ならないと転移ゲートを通る事ができない。勿論指輪がついてないと通れないのじゃ。」


渡された指輪は、全員嬉しそうに左手の薬指につけていた。


陛下も王女も皆も身に付けた指輪を見て嬉しそうに呟いていた。


『はぁーこれがミレイとの婚約の証ブルーの綺麗な宝石に変わった。嬉しい~』


なんか人間って面倒くさいのね。

全員の指輪の確認が終わって、あたいは陛下達を連れて、ミルムの部屋に行き転移ゲートに手をつける


『ゲート!ベルビューラ孤児院!』


ゲートの色が変わったのを確認して、陛下達にゲートに入るように伝える


最初に剣聖のホタルが入りシャルテ、バニラと入って行く。最後に陛下が入ったのを確認してあたいも入る。


孤児院のゲートの前には、レフレアさんと子供達が集まって来ていた。


レフレアさん達にもミレイの事を説明した。

そしたら予想通り自分達もミレイの所に行くと騒ぎだす。

陛下や王女達が子供達を静めてくれた。


レフレアさんに後でミルムお姉さまが来てここから直接行けるように転移ゲートの小屋を作りに来るから、それまで待ってと伝えて納得して貰い、あたいは桟橋に向かった。

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