第143話ポルムの初めてのお使い①
闇に落ちて眠ったレイを抱きしめモルトンに戻ったミザリーとアイラ達。ライム達もレイの状態を聞いて、新たにレイを看病するためのハウスを作った。
これはアイムの指示で、これからレイのために沢山の人が訪れるから大きめの部屋と設備を整えた方がいいと。
それでライム達が手分けして最新設備が整ったハウスを作ったのだった。
1階にはレイの眠る大きな部屋と、キッチン、トイレ、お風呂、洗面所、食堂、談話室等があり、2階は、ライム達の部屋と訪問者の宿泊できる部屋が10室とトイレと洗面所が設けられた豪華な2階建てのハウスだった。
ハウスが出来てからは、ミザリーは食事や風呂等最低限の事以外でレイから離れる事はなかった。
ずっと神聖魔法言霊をレイに送り続けていた。
レイの事は、アイムがわかり易く孤児院や関係者全員に伝えられた。
アイムは、ミザリーに言霊の事について聞いた。
「アイムちゃん私が女神様から授かった神聖魔法言霊は、私の魔力と思いをのせてゆっくり浸透するようにする魔法なの。
つまり今は、私一人のレイへの思いだけなの。」
アイムはそれを聞いて理解し、ミザリーに答える
『ミザリーお母様。レイ…いえミレイパパが関係した人達全てに伝えます。
パパを闇から目覚めさせるのは、ミレイパパへの愛なのと。
皆にミレイパパへその愛とか思いを伝えに来てと言います。』
ミザリーはアイムの言葉に頷きレイの眠る部屋に入って行った。
アイムは、その事をライムやアイラ、護衛騎士全員に伝えた。
そして皆それぞれ手分けしてその事を伝えに散って行った。
ミルムは、まだ転移ゲートの出来てないレイの実家に向かった。
エルムとパルムは、手分けしてレイに関係した眷属の魔物達がゲートを通れるように認証の首輪を作っていた。
ライムは、ミザリーの補佐と回復を手伝いティムは、他のメイド達とハウスの管理に回り、アイムは訪問者の対応と説明にあたった。
ポルムはアイムに、お願いされる
『ポルムお姉さまには、ヘルメルト国女王サリアス陛下にミレイパパの事を伝え欲しいです。その時全て話してもいいの。
後メリー湖のルービフィッシュとタイガーフィッシュ他の魚も捕獲して欲しいの。
パパの身体は天人族その身体の維持するのに必要なの。
パパのクルーザーは、ポルムお姉さましか運転出来ないからお願いなの。』
ポルムは、嬉しそうに答える
『わかった。ポルムに任せるのじゃ。ミレイのために行ってくるのじゃ』
☆・☆・☆ポルム視点ヘルメルト国
ポルムは、一人転移部屋からヘルメルト国王城にゲートを繋げ扉を開け入って行った。
「ゲート!ヘルメルト王城!」
………
…
『また来てしまったのじゃ。大好きなミレイのために頑張るのじゃ。』
あたいは、サリアス陛下は苦手じゃ。あのぐいぐい来るのが…
そう思ってたら、部屋の扉がいきなり開き勢いよく一人の女性が入って来る。
えっ!サリアス陛下?
えーー!何でわかったの?
サリアスは、あたいを見てすぐに駆け寄り抱きしめてくる
「婿殿~会いたかったのじゃー!」
む~く・苦しい…
その後を追いかけ入って来た女性が声をかけてくれる。
「陛下!それはミレイちゃんではありません!ポルムちゃんです。」
ぷはぁー
助かったぁ…
「サリアス陛下あたいはポルムなのじゃ」
サリアスは、あたいに笑いながら謝ってくれた。
「ポルムよ悪かったのじゃ。全然わからなかったのじゃ。」
サリアス陛下は、言いながら笑ってるし。
そうだ!陛下に伝えないと。
「サリアス陛下、ポルムは、お姉さま達に言われて、今回ミレイがこれなかった事と、これからの事をお話ししに来たのです。」
あたいが真剣な表情で話すと、サリアス陛下は、わかったと頷き、あたいを自分の部屋にある応接室に連れていく。
「ポルム重要な話しみたいじゃから、妾の部屋に案内する。」
陛下は、シャルテを見て合図を送ると、シャルテは凄い勢いで部屋を出て言った。
陛下は、出会う騎士やメイドに手で合図を送りながら、部屋に向かう。
たぶん何か指示してるんだろうなぁ
部屋に着いて、大きなテーブルがある部屋の椅子に座らされる。
すぐにメイドが5人くらい入って来て、てきぱきテーブルに茶器が並べられる。
『このメイドさん達凄い早いのに凄く丁寧に並べていってる。スーパーメイドなのじゃ。』
あたいがメイドさんをみていると、目の前にジュースとクッキーが置かた。
皆が集まるまで食べてていいと言われて、集まるまでクッキーを食べていた。
15分くらいして、 フェアリス、チェアリスの王女様二人、剣王シャルテと剣聖ホタル、姫騎士団長バニラ、そして大陸冒険者ナンバーズの女性冒険者達が入って来る。
みんなあたいに挨拶をして着席していく。
凄い大陸冒険者のナンバーズが揃ってる。
No.1グランアリスNo.2エリアリアNo.3アスカNo.4エーデルワイスNo.5マリNo.6メリ
No.1の龍人族グランアリスさんめちゃくちゃ魔力すごいのじゃ。
No.4エーデルワイスさんも知らないけど、エルフの凄い綺麗なお姉さまじゃ。
ポルムが冒険者の人達をみてると、陛下がミレイが来れなかったわけを聞いて来る。
「してポルムよ、ミレイが来れなかった理由とはなんじゃ。」
ナンバーズのエーデルワイスが立ち上がり陛下を見る。
陛下も頷くと、エーデルワイスさんは、詠唱を始め遮音と、認識阻害の魔法を組み合わせた結界を部屋全体に張る
何かすごいのじゃ何も言わなくても通じる。
あ!終わったみたい。
エーデルワイスさんが作業の終わった事を教えてくれる。
「ポルム様お待たせしました。どうぞお話しください。」
あたいは、立ち上がり陛下達を見て話し始めた。
「サリアス陛下、集まってくれた皆さん。ミレイは今、ある者達から精神攻撃魔法を受け深い闇の中に沈み眠ったままです。目覚める見込みはありません。」
皆さん困惑と驚きで質問が飛び交う。
サリアス陛下は何故か落ちついていて、静かな口調で聞いて来る。
あたいは、漆黒の女神崇拝する信者によって必要以上の精神破壊攻撃を受けた事。
それが誰も護衛のいないバイスル国謁見の間だった事を伝えた。
サリアス陛下は、頷きさらに質問してくる。
「なるほどの。謁見の間なら呼ばれた者以外入れぬし武器とかも帯同できぬから、油断もするか… 確かミレイは、ここにいる者達よりはるかに強いはずじゃ。
いくら油断してたとはいえ、攻撃なぞ受けるかの…
何かあるのか?」
さすがこの人よく見てるの
あたいは、集まった人達の魔力を見て、このミレイを大好きなこの人達なら大丈夫と思い全てを話すことにした。
あたいは妖精族の力を示すため普段押さえてる魔力のオーラを解放した。
妖精族独特のオーラは、ナンバーズのエルフ二人には、すぐにわかり、ポルムの前まで来て膝まづく。
他の者達もその場で頭を垂れる。
あたいは、皆の心に響くように魔力を少しのせて話した。
『あたいは、妖精族の人型のエンシント・ホールスライムです。
ミレイは、神族の子供天人族です。
ミレイは、使役に特化してる天人族だから、防御や強さは人間より弱いです。
サリアス陛下が見たミレイの強さは、あたいのお姉さま達が、擬態してミレイにくっついてたからです。』
サリアス陛下の口調が変わりあたいに話してくる
「それでミレイ様は、誰も守る者がいないから、攻撃を簡単に受けてしまったのですね。」
あたいはサリアス陛下を見て首を振り話しかける
『サリアス陛下。その口調は嫌なの。ミレイも怒る。あたいもミレイも今までと同じようにして欲しいのじゃ。
皆にもお願いなのじゃ。』
サリアス陛下も他の者達も皆頷いてくれた。
『みんなここからが問題なのじゃ。ミレイを攻撃した屑は、あたいのお姉さま達が全て殺した。
でもミレイは、精神が破壊され闇に落ちた。
それを知った精霊王ファンティー様が激怒して、溺愛するミレイが人間に精神破壊されたからこの大陸の土地全てから土の精霊の加護を消したのじゃ。
一部地域は水の精霊の加護も消されたのじゃ。』
それを聞いて皆騒然となる。
そうだよね。加護なくなったら、まともに収穫出来なくなるよね。
ちゃんと教えないとね。
『皆よく聞いてなの。精霊王ファンティー様は、ミレイが手をかけた場所は、何もしないと。
たぶんファンティー様の事だからミレイが回復したら誉めて欲しいから、今以上に豊かになると思うのじゃ。
ただそこが人間に荒らされるような事になればさらにお怒りになると思うのね。』
サリアスは、理解したと言いポルムに話してくる
「ポルムよ。つまりミレイが
改造して豊かになった孤児院を我々で守れと言う事じゃな。』
あたいは、頷き説明を加え納得してもらう。
陛下達には、ただ豊かになるのではないと、たぶん収穫量が劇的に増える。
恐らく子供達には、手に負えな位くらいになる。
だからよく人をよく選んで、絶対子供達に危害を加えない人間を選び、子供達の言う事を聞いて、場所を広げたりすればより多くの収穫できるようになるはずだと。
陛下は、その収穫物を上手く配布出来るようにすれば、ミレイが回復するまで民が飢えなくてすむはずだからとお願いをした。
『陛下、王女殿下、剣王剣聖、そしてミレイの事大好きな人達にお願いします。
できれば、その合間にミレイの眠るところに行って、みんなのミレイへの思いを伝えて欲しいの…
ミレイの落ちた闇は、とても深くて女神の使徒になられたミレイのお母様だけではとても思いの光が届かないの…』
ポルムは床に座り深々と頭を下げる
『お願いします。ミレイを助けてください。
ミレイは深い闇にいます。戻って来れるかもわかりません。
だから皆さんの思いを…グスン
ミザリーお母様に皆さんの思いを伝えて力を与えてください。』
サリアス陛下があたいを起こして抱きしめてくれる。
「ポルムよ。ここにいる者皆頼のまれんでも勝手にいきよるぞ。
皆ミレイの嫁になるのだと息巻いてるくらいじゃからの。
妾も旦那様のお母様に挨拶しないと行けないからさっきの問題を片付けて行くぞ。」
あたいは嬉しくなって涙をながした。
『グスン さりあず…ありがとう うわーん』
サリアス陛下は、あたいが泣き止むまで優しく頭を撫でてくれた。
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