第133話ハートレイ陛下の悪だくみ

ミルムは、メイドに案内され用意された部屋に入る。


「ここがミルム様とミレイ様とそのお仲間のお部屋になります。隣は、寝室になってますので、すぐにお休みになれますよ。」


ほ?何この広い部屋は?

隣が寝室?ミルム達の部屋?どういう事?


「あのナテラさん?これはどういう事でしょうか?」


ナテラがさらり答える


「ミレイ様は、いずれ家族になるからとエレミア様が準備されてました。」


ほ?人間ってこんなに早くから準備するのね?


「ミレイ様には、専属メイドが2名着きますので、決まりましたらご挨拶に伺います。」


剣聖の二人と、魔導師のパンジーがミルムに話しかける



「ミルムちゃん今日は疲れたでしょ!

この城内に用意されたレイの部屋だかれゆっくり休むといいわ。

ここはミルムちゃんのやりたい事してくれていいわよ。

明日メルティアと私で孤児院に案内するわ、そこが王都に来た目的でしょ」


「はい!ありがとうなの…」


剣聖のミズキとシオン魔導師のパンジーは、レイの事が知りたくてミルムに話しかける。


「ねぇミルムちゃん、私達は何があってもミルムちゃんとそのご主人様の味方だからね。

それでちょっと教えて欲しいの前に会ったミレイちゃんは、男の子ってほんとなの?」


ミルムは、3人の魔力色を見て、素直に答える。


「はい!ミレイは、ほんとの名前は、レイって言って男の子だよ」


「「「やったぁ~」」」


ほ?何が嬉しいのかなぁ…


「?」


この人達ならいいかなレイの事大好きみたいだし、問題ないのね。


「あのこの部屋ほんとレイの部屋で好きにしていいの?」


ミズキとシオンは頷く


「ああ問題ない!壁を破壊するとか大きな音たてるとかでなければ、好きにしていい!」


ミルムは、頷きここにいる者達に今からする事を話す。


「あのミルムは、この部屋の壁にする事を言わないでほしいのね。」


ミズキ達3人は頷く


ミルムは、壁の場所に行き手をあて、詠唱を始めると壁に魔法陣が構築されていく


「Σδλρεεκ…………」


パンジーは長い詠唱と魔法陣の変化を見つめる

『何聞いたことない詠唱・・それに長い、かなり膨大な魔力注ぎこまれてる。これって古代魔法の詠唱だ。それにしても長いもう10分近い・・何この子凄くワクワクする』


パァーーーーーン


「ふうー終わったのね。」


3人は唖然としている。

魔法に詳しいパンジーがいち早く動く


「ミルムちゃん!今のは何ですか!その壁にある門のような模様は何?教える!早く!」


捲し立てるようにミルムに迫るパンジー

それを二人が慌てて止める


「待ちなさい!パンジー!何興奮してるの!落ち着いて!ミルムちゃんが恐がってるから」


「そうよ、落ち着いた方がいいわ、いくら凄い魔法だからって、ミルムちゃんを怖わがらさてどうするの!」


「うう…ごめん…」


びっくりしたぁ…

食べられるかと思ったのね


「パンジーさんこれ転移ゲートなのね。魔力登録した人をゲートを通って移動出きるのね。」


パンジーは驚きの声をあげる


「はあ?転移ゲートぉーー」

『何この子とんでもない魔法使いじゃないの…

転移魔法は複雑な術式を、膨大な量を魔法陣に書き込めば発動するけど、魔力が半端なく使う…』


ミズキもシオンも驚く


「転移魔法ってあるけど確か膨大な量の術式を魔法陣に書き込むから大きな部屋の床に書き込むくらいなのに…

ゲートってそれの上位魔法?」


「そうよ確か古代魔法で簡単にできるはずないのに…」


その後ミルムはパンジーの質問責めに合うも3人を納得させるためにゲートに魔力登録を行った。

勿論3人には、レイへの忠誠を誓って貰った。


「ほんとにいいの?女神様の名前だして忠誠を誓うとレイへの隷属と同じだよ?」


3人片膝をつき、頭をたれ誓いの言葉を述べる


「私ミズキは、女神グランシアの名の元にレイに永遠の忠誠を誓う!」


「私シオンは、女神グランシアの名の元にレイに永遠の忠誠を誓う!」


「私パンジーは、女神グランシアの名の元にレイに永遠の忠誠を誓う!」


ミルムは3人の魔力が変わったのを確認して話しかける


「今の誓い3人共に女神様に認められたみたい後で確認するといいのね。

ほんとにこれでよかったのかなぁ・・なんかレイに怒られそうなのね。

ゲートに魔力登録するから来てなのね。」


3人がゲートの前に並ぶ


「ゲートの魔力登録は、レイの家族として認められた者か、レイが認めた者以外は登録できないし、通ることもできないのね。」


3人はそれを聞いて喜ぶ


「おお!と言う事は、私達は家族と認められたと言う事か!やったあ!」


「レイと家族…嬉しい」


「これでレイの子種貰える♪」


一人ヤバイ子いるのね。知らない・・聞かなかった事にしよ

「じゃ来て!順番に登録するのね。」


☆…☆……☆………☆

その頃王妃達は、信頼できる者達に召集をかけ会議が行われていた。


招集をかけられたのは、宰相のゲルマン、環境担当官エルトラルト、食糧庁のメルシス、外交責任者チャレなど信頼のおけるものばかりが集められていた。



王妃エレミアが集まった者達にレイの対応について再度確認する。


「レイ・デア・ベルモルトは、ミルムと言う魔人族を簡単に倒すほどの者を従えています。恐らく他にもいるのではないかと私は思ってるわ。

あれほどの者を自分の側から離すとは、考えられないのよ、なぜならレイは過去に何度も命を狙われてるからです。」


ハートレイは尋ねる


「だから儂の対応が間違ってるというのか!しかし規則では〈ビシ!〉ヒッ・・」


メルティアが陛下を睨む


「ハートレイ!規則ってそんなことまだこだわるのかしら、あの子が言った言葉よく思い出しなさい!

魔人族を簡単に倒してしまうほどの能力の持ち主のだと言う事を考えてと、言ってたわよね!

あの子がもしここで暴れたら誰も止めれないわよ!」


ハートレイは反論する


「いや剣聖がおるであろう・・それに宮廷魔導師のパンジーも!3人いれば止めれるだろう」


「妾が魔人族の闇の攻撃受けたの3人は気が付かなかったのよ!どこにいるかも、それをミルムは一瞬で突き止め魔人族を拘束して戻って来たのよ!実力が違い過ぎるのよ!」


ハートレイはそれを聞き納得する


「それほどなのか・・それらを従えるレイは我が国のためになると言う事か・・」


エレミアが渋々納得する陛下に追い打ちをかけるように報告をする




「ハートレイそれだけじゃないのよ、レイは絶対に取り込むべき理由があるのよ。

レイはモルトン孤児院での功績、さらに糞尿浄化のトイレの発明、孤児院で作った栄養価高い野菜の近隣町村への貢献、さらに菌についての知識など、これら全てあの子が行った事よ!

その影響は計り知れないわよ」


「そうか!あれか・・確かにあれは素晴らしい!王都は何やら別の浄化方法があると聞いておるが・・

菌についても今まで考えたことがなかった。

これらがすべてレイ・ベルモルトの行った事とは・・」



ハートレイが考え込んでるところに環境担当官が発言する


「皆様レイ・ベルモルト様が私達に残して下さった菌に対する知識と開発された浄化トイレは、現在量産する体制が取られ順次王国内の町村に取り付けされてます。

その結果疫病による被害が減少しています。今までと明らかに変わって来ています。」



ハートレイはそれを聞き発言する


「報告を聞いてよくわかった!これほどの知識をもっている者を平民にしてしまった貴族院規則を恥ずかしく思う。

今後もある!改めて貴族院規則を見直すとして、レイ・ベルモルトの対応を伝える。レイは恐らくまだまだ知識を持っていると思う!よってレイ・ベルモルトに爵位を与え保護する事とする!反対の者はおるか?」


王妃二人も宰相もみな納得する。国王の意見通りレイ・ベルモルトの陞爵が決まる


「それではレイ・デア・ベルモルトに爵位を授けこの国に更なる貢献をしてもらう。レイ・デア・ベルモルトに王城に来るように伝えてくれ、儂が直接話し合いをしたいと、王都にいる貴族にも招集をかける。」

外交責任者のチャレが答える


「では、私がレイ様の従者ミルム様に伝えてまいります。」


そう言って部屋を出て行く


バタン


ハートレイはいろいろ考える

『あの者の能力を考えると1週間もあればよいがこの際だ奴らもあぶりだしてしまうか・・』




メルティアが部屋にいる者達に話す


「陛下はじめ、さっき出て行ったチャレ含めここにいる者は全員信頼がおけます。私の目でわかります。ただレイ・ベルモルトが謁見の間での報奨は一部貴族の反対が予想されますがどうなさいますか?」


「ふむ、それがレイ・ベルモルトを殺そうとした貴族か…このさい全部あぶりだすかのぉ」


その言葉に王妃二人が反応する。


「あら?どうしたのかしらハートレイ珍しいわね。

今まで貢献してきた貴族を処分するの躊躇うのに」


「そうですね。ほんとに珍しいわね。」


「エレミアにメルティアよ、いくら儂でもさすがに我が国に、これ程の影響をもたらすレイを殺そうとするのを許せぬぞ!

そ奴らは、何もせず国からの指示を守るだけ、そ奴らの領地は、かなり酷い状態だと言うのに何も支援すら言って来ぬ!

儂ものうのうとしてたわけではない、だからレイには申し訳ないが陞爵と数々の褒美を与える事で奴らは反応するであろう、それなりの噂を流し準備期間を与え一網打尽にしてくれるわ!」


エレミアもメルティアも普段大人しいハートレイの言動に驚く


「あらハートレイどうしたの?凄く頼もしくていいんだけど無理しなくていいのよ」


「大丈夫じゃ!それよりミルム殿に追加で伝えてくれ1か月後謁見の間でレイ殿に害をもたらす貴族を捕らえるから力を貸してくれと・・」


メルティアが答える


「それは私が伝えます。それでどうやって彼らを怒らせるのかしら」


ハートレイは宰相サバトラに合図する


「その件については私が説明いたします。現在私の掴んでいる情報では、シルフェルト公爵、トレイル伯爵、ホアレン男爵、レルトレラ男爵の4人がレイ殿に害をもたらす者達でありこの国の膿です。

この者達はシルフェルト公爵派閥で領地も隣り合わせです。


さらに共通するのが国の直轄地域がこの方々の領地に隣接していて、国はシルフェルト公爵に管理を任せています。その直轄地で何をされているかも掴んでいます。

そこでレイ様に陞爵のさいの領地をこの直轄地を任せると言えば彼らも黙っていないでしょう。」


ハートレイは王妃達を見てにやりと笑う


「どうじゃなかなかだろう・・」


二人の王妃は頷き部屋を出て行く


「ええ納得よさすがね。ではハートレイ陛下私たちはミルムに話をしてまいります」


バタン

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