第130話ミルム王都で奮闘する(メルティア救助編)

メルティアは、苦しいながらも剣聖と兵士が騒ぎだすのを手で制して、カストラートを睨む


「・・・フウ・・・・・・」


ミルムは、メルティアに何が起こったのかわかっていた。

『建物に潜んでる者が闇の魔法を放ったのね。うーんどうする?助ける?

こんな闇魔法放つ者を従えているから堂々としてるのねあのゴミ・・』


メルティアが苦しんでるのは、契約精霊が霊縛魔法で縛り、霊力を吸われてるからなのね。

精霊が人間と契約するのは非常に珍しいのね。


契約精霊と契約主の関係命の契約は、精霊はクラスが上がり新たな力を得る、人間は精霊の力を使え魂の寿命が延びる。


人間が寿命で死ぬは問題ないが、事故など魂の寿命以外で死ぬと精霊も生まれたところに還る。

人間は精霊が死ぬと魂の寿命が尽き死んでしまう


上級闇魔法霊縛は、術者の能力で精霊や妖精など、霊霧を糧にする者を縛り霊力を吸い取る事が出来る魔法・・

メルティアと契約してる精霊は、水の下級精霊だから縛ることが出来たのね。


契約精霊を魔法で縛ったのだから、メルティアをいくら見てもわからない・・

メルティア本人はわかっているのね。

このまま放置すると、確実に精霊もメルティアも死んでしまうのね。


メルティアは、必死に考え何かをしょうとするも上手くいかず焦っている。


「・・・・・・・ッ」


剣聖二人は、メルティアに寄り添い必死に身体を調べる。

周りの兵士も焦り付近を探し回る。


カストラートは、ニヤニヤしながら、メルティア王妃に話しかける


「メルティア王妃様は、お身体の調子が悪いようなので、お話しは後日でよろしいでしょうか?

そこの犯罪者の冒険者は、どうされるのですか?

私の方で施設に連れて行きますが…」


メルティアの様子がさらにおかしくなる。

兵士達はパニックになる。


「皆様大変そうなので、私の方で連れて行きます。」


カストラートがミルムに近づき手をつかもうとした瞬間


「調子にのるな!このゴミ!」


ヒュン!


スパッ!

ボトッ!


ギャーーー!


「腕がぁーーー!」


ミルムが念話で、剣聖シオンとミズキに話しかける


『ミルムのせいでこうなったから助けるのね。大人しくしてるのね。』


メルティアにも念話で話しかける


『メルティア様、貴方の契約精霊が、霊縛魔法で捕らえられ霊力を吸われてる。

だから苦しいのね。このままだと二人とも死んでしまうから助けてあげるのね。』


メルティアもシオンもミズキも、いきなり頭の中にミルムの声がして驚くも、ミルムに頷いてミルムを見る


よしちゃんと伝わったのね。


建物あの建物の上に一人上手く隠れてるけど、魔力使った痕跡でわかるのね。

あの闇魔法使い危険なのね。霊縛なんて上級闇魔法人間に使えないのね。


こいつは、大好きなレイに被害もたらす危険あるのね。

人族でない闇魔法使い殺す!


シュン!

ドコドコドコ


「フン!何者だ!我を見つけるとは…

運のない女よ!ちょっと楽しめそうだな」


闇縛糸!

シュルシュル…


「フフフその程度の能力でよく我を見つけましたね。残念ながら貴方の能力では、その糸は切れませんよ」


黒のフードを被った男は、余裕の表情で言う


ミルムは弱弱しく尋ねる


「ぐぅ…あなたに殺される前に教えて……なんであの男に・・・・・ぐぅ」


わざと苦しそうにする


「フン!どうせ死ぬのにめんどくせえ…

我は、誰ともつるんでない!お前が腕切り落とした男が面白そうだから助けてただけだ。

何せガキの命が報酬だからなフハハハ」


はぁ?子供の命が報酬?ふざけるな

「もういい死ぬのね。」


黒炎!


「ばかな!我の縛糸が消滅するなんて…あり得ん!」


もういいからしゃべるな!うざいのね。


魂鎖牢!


「これで貴方は何もできないのね。」


「ぐっ…な・何をした!」


男はもがくも何もできずミルムに拘束される


バインド!


「あなたをゴミの前に連れて行き正体を晒す」


シュン!


消えたミルムが再び現れて黒いフードの男を腕を切り落とされたカストラートの前に投げる


シュン!

ドサ!


カストラートは、一瞬何か言いかけたが口をつぐむ

メルティア達は驚くも成り行きを見守る


「メルティア王妃様がおかしくなったのこの男が原因なのね。

ゴミ男よく見る!これがこの男の正体なのね。」


ミルムは男に手をかざす


「ΧΣΣδδλバースト!」


男は苦しみだす。


ぐあぁー--


すると顔が変わって頭から2本の角が伸びてくる。

やがて胸のあたりで爆発がおき、男が叫び絶命する


メルティアがつぶやく


「魔人族…」


シオンもミズキも見ていた兵士も驚き固まっている。


メルティアは苦しみから解放され状態ももどり、兵士達に命令する


「何をしている!今すぐカストラートとここにいる者全員捕らえよ!」


兵士はすぐに動き男達を捕縛していく。


捕らえられても、喚き散らすカストラートに、メルティア王妃が引導をわたす


「黙りなさい!この男と関係がないというのなら、別件でも十分捕縛対象よ!

王国法の子供保護法昨年国民に伝わった新法案ご存知ないの?

貴方子供にぶつかって、蹴りあげて瀕死の重傷を負わせたらしいわね。」


「いやそれは、ガキどもが道をふさいでぶつかり持ってた高級酒瓶を落としたので、それに謝りもしなかったので…つい」


剣聖シオンとミズキが瞬時に動き、剣で脚を突き刺す


ザク

ザク



ギャー


「な・何をするー!」


剣聖二人が怒りを露にする。


「黙れ!ゴミ虫!」

「うるさい屑!」


「王国法は子供は国の宝とする!この中にたとえ貴族でも、いかな理由があろうとも未成年特に8歳以下の幼児の虐待はその度合いによって重罪!

貴方が蹴り上げたのは幼児、しかも一人は骨折する重傷もう一人は意識不明の重体!

捕縛には十分です!

カストラートは王国法子供保護法違反!それと魔人族を使い犯罪奴隷を作り、妾を殺そうとした事は大罪である!カストラートは斬首刑他の者も調べた上で極刑に処す!」


カストラートは、部下に喚き散らして連行されていく


ミルムはそれを見て安堵する

『ふう・・なんとか無事おわったのね。ミルムも今のうちに逃げ〈ガシ!〉る・・あれ?』


剣聖の二人に腕を掴まれる


「逃がさないわよミルム様!フフフ」

「エレミア様の情報通りねフフフ」


「えー-!もう終わったからいいのねぇー--!」


剣聖二人に腕を掴まれ駄々をこねる子供みたいにミルムは抵抗した


そんな声なんか聞こえてないようにメルティアは、王国の最高クラス諜報部隊朧を呼び寄せる


「朧部隊来なさい!」


シュン


目の前にいきなり一人の小柄な少女が現れる


「朧No.5セラです。メルティア様呼んだ?」


うわーこの子可愛いです。レイより少し大きいくらいなのね。


「今そなたらに調べて貰ってる商会の件どうなった?」


セラはじっとミルムを見つめ驚いた顔をする


ミルムは何かを感じる、

この子精霊の恩恵凄くたくさん受けてるのね。だからミルムを見て驚いてるのね。

正体ばらされると困るのね。

念話で話しかけてみるね。


『聞こえますか?セラさん…』


するとセラは顔を真っ赤にしてプルプル震え激しく頷く


『セラは、精霊の加護と、精霊の力使ってるでしょ?

だからミルムが人族じゃないのわかったのね。

他の人に言ったらダメなのね。』


セラは激しく頷く


『今からメルティアに話すことよく聞いてちゃんと行動しないとダメなのね。』


ミルムは、メルティアに話しかける。


「メルティア王妃様、先ほどの魔族はボッチです。問題ありません!

それとあのゴミの商会と男爵は処分してくださいなのね。

できないならミルムが商会破壊して男爵消滅させるのね。」



メルティアは、頷きセラに命令をする


「セラ聞いたとおりよ!今調べてる事を早急に完了させなさい!市場の事件も聴取をして報告しなさい!」


「わかった!じゃミルム様また後で!」


シュン!


メルティアは、ミルムにいろいろ質問する。


「ミルム・・さまとお呼びしたほうがよろしいでしょうか?

あなたは私ともう一人の命の恩人ですから・・

ミルムさまは人族ではないですよね・・失礼しました。

この件はここでする事ではないですね。」


ミルムはにっこり笑い答える


「ミルムの事は一般民と同じでお願いするのね。詳しく知りたいのならここでは無理なのね。まだご主人様の用事もまだなので、早く解放してほしいのね。」


メルティアはにっこり笑い


「ではここではミルムと呼ばせてもらいます。

個人的にはまだ全然お礼できてないので是非王城に来てください!

エレミアも会いたがっていますから、それに今回の件は国として、褒賞も渡す必要ありますから是非ね。拒否権はないわよフフフ」


えー---!

ど・どうするのぉー--!

と・とんでもない事になっちゃったぁー

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