第129話ミルム王都で奮闘する

ここだ・・

あれ?

あの臭い人間いないのね。

あいつ待ち構えてると思ったけど・・どこに行ってる?

まぁいない方がいいけどね。


「遅くなってごめんなさいなのね。子供達は無事治療完了しました。えっと・・」


「王都平民街西地区所属のソルトだ」


「私は、姫騎士のチェリーだ!所属はあかせん、すまない」


「お二人共ありがとうございます。あのままだったらあの子確実に死んでました。

私は、冒険者ミルムです。この度ミルムの最愛のご主人様、ミレイ様の命令で王都に来ていますのね。」


それを聞き姫騎士のチェリーは驚く


『えっ!その名前…』


「ソルト殿、私は至急連絡しないといけない事ができたので少し離れる。くれぐれもあいつに好き勝手させないでくれ」


「は!お任せください!」


あれさっきと態度が違う・・


少ししてカストラートがガスカスト商会の者?を大勢連れてやってくる

何こいつら汚い悪臭しかしないのね。



「おい!ビキニアーマーの女!謝罪するなら商会の専属冒険者として使ってやる!

嫌ならホアレン男爵様にお願いして貴様は犯罪者奴隷教育機関に入れる。

俺達がどこに行っても大丈夫なようにじっくり教育してやるよフハハハ」


「ふーんそこで何されるかわかるのね。この国の犯罪者奴隷は、そんな制度うけるのね。国の偉い人達知ってるの?」


カストラートは笑いながら答える


「そんな犯罪者の行き先まで知るわけないだろ!この制度を提案したホワレン男爵様が責任者になられたんだ!」


「ふーんそれで?その教育機関では、男性も一緒なのよね?不安なのね。女性は教育された後どうなるの?どうせどこかでオークションにかけられるのね?」


「なっ… そんな事はしない!」


カストラートは一瞬驚くも兵士達が見てるのですぐに平静になる


「でも男もいるのよね……」


ミルムはわざと不安そうな顔を見せると、調子に乗ってカストラートはしゃべりだす。


「バカか!むさくるしい男はそのまま鉱山労働だ!

お前みたいな若い女や子供・・ゴホンゴホン・・とにかく犯罪を犯した若い女だけだ!」


ふーんやっぱこの人間の魔力腐った臭いしかしない・・

それにバカなのね。貴族の名前出すなんて、多分この兵士の人も知らないんじゃ


「ソルトさん知ってました?犯罪者の若い女性だけがそういう機関に入るの…

どうせ自分たちで如何わしい事してオークションにかけてる?」


カストラートはまずいと、思ったのか焦りまた余計な情報を提供する


「王国法になんら違反していない!犯罪者の女は貴重だからある場所で教育訓練されることになってるのだ問題ない!

その後は、その教育機関が行き先を決めるんだ!」


へぇーやっぱバカだ!要するに犯罪者の女性はその機関か組織に国からあずけられる。

つまりそこがこいつの商会って事?それにさっきの男爵が絡んでるのね。


国から女性の犯罪者をただで渡され、それを自分たちで教育という名目で調教するのね。

それでオークションで売り捌く、これがほんとの目的なのね…

だから町でもそんな噂あったら逆らえないよね

理由つけて犯罪者にされちゃうもんね。だから誰も何も言わない…やりたい放題なのね。


うんこいつとんでもないゴミ殺そう・・

人間にミルムの動き捉えれないしね。


すると周りが騒がしくなる

あれは馬車?

しかも豪華なのね、さすが貴族様・・あれ?

なんかマズイのねあれ王族なのね。


それに凄く飛ばしてこっちに来るのね。

横を並走して走ってる女性・・あれ剣聖シオンとミズキ・・

これってまずくない・・

レイごめんなさい戻るの遅くなるのね。


ガラガラガラ・・・



カストラートたちも王家の馬車が近づいて来るので驚く


「な・なぜここに王家の馬車が・・おい!お前たち何もしゃべるな!」


カストラートが三人に目配せをするとその者が、この場から離れようと気配遮断をかけ動く


なるほどね、こいつミルムが強いから裏で動く暗殺者連れて来た?

ミルムを捕まえるため三人いるの確実に捕らえるため?


それで王家の者が来たから素性ばれるの恐れてこの場から離れるように命令したのね。


『フン!させるわけないでしょ!』


シュン

バインド


シュン

バインド


シュン

バインド


シュン


ミルムは拘束した男達をカストラートの前に投げ飛ばす。


「逃げようとしたから捕まえたのね。」


カストラートが驚き叫ぶ


「な・なんで…お・お前いつの間に動いた!」


それを馬車と並走していた二人が見逃さなかった。


『なんだ今の動き!この私が捉えることできなかったぞ…』

『嘘でしょ!何今の動き…』


王家の馬車が西門前の広場に止まり、剣聖の二人と、姫騎士数人が整列する

カストラートも跪き頭を下げる。

拘束された男達は、すぐにカストラートの男達の後ろに隠れる


ミルムも跪き頭をさげる


ミルムの頭の中はパニックになっていた。


『何で王家の者が来るの?

ミルム何も目立つ事してないのね。

絶対まずい…ヤバくなったら逃げるのね。』


馬車から降りて来たのは王妃メルティアだった。


え?誰れ?レイの情報にもないんだけど…


剣聖シオンが手を取りエスコートする。


「メルティア王妃様だ!言葉使いに気をつけるように!」


メルティア王妃が周りを見て、最後にミルムを見つめる


そして王妃の雰囲気が変わる。


ミルムもそれを感じとる

『へぇーこの人間レイと同じ凄く優しい感じするのね。それに精霊様も感じるのね』


警備兵のソルトが剣聖のシオンに尋ねる


「私は、平民街西地区担当ソルトと申します。シオン様どうしてこのような場所にメルティア王妃様がいらっしゃったのでしょうか?」


シオンが話そうとするのをメルティアが制する


「よい!シオン妾が話す!」


ふーんこの人間凄くいい魔力なのね。

レイに会わせても問題ないのね。

ミルムが黙って様子を見守る


「此度の件、妾にあるところから知らせが入ったから参ったのだ。 平民街西地区担当ソルトよ!

この場の状況を説明をしてくれないかしら」


ソルトはメルティアの問いかけに答えるも、現場の状況を見てたわけでなく、あくまでカストラートの証言のみ、しかもカストラートの部下を殴り飛ばしたのを女性冒険者は認めている。

ソルトは正直に見たままを話す。


「………と私が見た時点でそうなってたのです。それで女性冒険者は、子供達を孤児院に送り届け治療を施してから、ここに来て頂きました。」


「なるほど子供達の治療か仕方ないの…

しかし本来ならその状況で捕縛は必要だったはず、最低でも手枷くらいはする必要あったはずよ!

何故何もせず冒険者を信じ待ってたのかしら?

姫騎士チェリー!貴方もその場にいたのでしょ?何故なの答えなさい!」


その状況を見てカストラートはニヤニヤと笑う

『めったに人前に出ない第二王妃メルティア様がでて来て焦ったが、大したことなかったのぉフフフ』


ソルトは一度ミルムを見て答える


「確かに本来ならすぐに捕らえるべきでした。でも私の中の何かがあの方を、ミルム様を捕らえたらダメだと思ったからです。」


『え?なんで様呼び?』


チェリーもミルムを見て一礼して答える


「私も同じです。最初感じたのが、この冒険者はただの女性じゃないと…私の中の何かが感じました。

後で自己紹介を聞いて私の行動が正しかったと思いました。その事をエレミア王妃様にも伝えました。」


カストラートは二人に怒りをぶつける


「何を言ってるんだ二人共!私の部下が殴られ、大怪我したのだ!それに私も変な魔法で壁まで飛ばされたのだぞ!

何故そんな犯罪者に、様までつけて呼ぶのだ!」


シオンがカストラートを叱りつける


「カストラート!お前に発言する許可はでていないぞ!黙れ!」


ぐっ!


シオンを睨み付けるカストラート


メルティアは、予想外の発言をする。


「では私がそこの冒険者を捕らえましょう。皆手出し無用です。」


ミルムは、王妃の発言にがっかりして、覚悟を決める。


『あぁ…レイと同じ匂いだから安心したのに…この人間傷つけるとたぶんレイに叱られるのね。

だから大人しくするのね。』


ミルムは、抵抗することなく素直にメルティアの持ってた手枷を嵌められる。


「この者は、妾が連行します。ミルム立ってくれるかしら」


ん?何これ?何か考えてるのね。任せるのね。


ミルムを連行しょうとするのを止めにかかるカストラート


「ちょっとお待ち下さい!その女犯罪者なら、私の施設で犯罪者奴隷として教育を施しますので、私の方で預かります。」


その瞬間メルティアからとんでもない威圧が放たれる。


カストラート達は、苦しそうに顔をしかめる


「ぐぅ…」


「誰が発言してよいと言った!平民の貴方が何故私に意見を言う!まあいいわ許してあげる。それより・・・な・・・・・」


メルティアの言葉が止まり一瞬苦しそうにする。

それを見てカストラートはニヤリと表情が変わる


「申し訳けございませんでした。メルティア様!私上級平民で貴族の方々ともよく話をするので、調子にのってしまいました。」


「……………」


剣聖の二人が王妃の様子がおかしい事に気がつき兵士たちも騒ぎ出す


「メルティア様!」


「メルティア様!」


メルティアの様子が変わり身体はがっくりと肩を落とすように項垂れ苦しそうに息をする


「・・・・・ぅぅ」


「メルティアさまぁー--」




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