第119話バイスル王国の危機
バチェラー・ロイ・トレイル伯爵は、闇ギルド組織にいくつか魔道具を渡して、バイスル国内の魔物がいる森に、この魔道具を仕掛けるように指示していた。
あの方の作戦は素晴らしい、前回もブライトンの馬鹿が余計な事をするから、計画は失敗した。
洗剤工場など手を出すから、あんなことになるんだ!馬鹿め!
今回の作戦は、王都周辺の伯爵領や侯爵領の森の魔物に暴走を起こさせ町や村を襲わせる。
これで、王都の冒険者ギルドや王都騎士団に依頼が発生し、王都の守りが手薄になる。
そこにあの方が集めてくれたオークジェネラルやロード、ゴブリンキングやゴブリンナイトの上位種を、ベルモルト辺境伯領や王都周辺の森に転移させ襲わせる。
そして、魔道具を持たせた闇ギルドの者達は、指定した森に魔道具を仕掛け、元々いたゴブリン達を取り込み、数千じゃなく数万の巨大コロニーを形成して、周辺の町や村を襲う計画なのだが…
まだもう少し時間がかかるようですねぇ…
暴走の反応あれば、陽動のために配置してる彼らに連絡して行動起こして貰いましょう。
今回の計画は、第一王妃エレミアと第二王妃メルティアとベルモルト辺境伯ミザリー婦人とレイカ…
あの方は勿論ご存知だと思うのですが…
この4人は姫などという大人しい存在ではないのですが…
たぶんちゃんと考慮されての事だと思います。
あの方もこの四人の絶望の姿を、ミレイと言うガキに見せつけ、負の感情を魔石に吸わせる。
これが漆黒の女神を完全復活させると言われていたが…
国のトップ二人と辺境伯婦人しかもどれも超がつく美人女性…
私もオーク達に滅茶苦茶にされた婦人達に更なる絶望与えるためにお手伝いしましょうフハハハ
オークやゴブリンといった魔物は、特に人間の女を繁殖のために襲う習性がある。
このオークジェネラルを中心にコロニーの集団が王都を襲う…
フフフ考えただけでもぞくぞくします。
多くの女の絶望の感情が沢山集まり漆黒の女神様の復活するのです。
準備に数ヶ月要したのですから、楽しみですねぇ…
さてどうされるのかな優秀な王妃様達は…
お手並み拝見といきましょうかフハハハ
キャサリン王妃の娘二人は、お遊び程度の魔法しか放てないので問題ないのですが、それに元冒険者の二人の婦人これも問題外鍛練などされてないと報告上がってます。
あるとすればメルティア王妃とレイカ婦人…
レイカ婦人は、専属護衛といっても剣聖ほどないでしょうし、メルティア王妃の情報がないのは、戦闘系ではなく完全に姫だったという事でしょうか…
問題は、メルティア王妃の双子の娘が少々厄介そうですが、所詮恵まれたスキルだよりの強者冒険者登録してるようですが、全くランクも上がってないようですし、問題ないと報告上がっています。
ならば作戦の成功は、間違いないでしょう…
双子姉妹は、ゴブリン討伐依頼でも受けてくれると面白い事になるのですが…
バチェラーは重要対象人物達の正確な情報を持っておらず、バイスル国内の冒険者ギルドの現状を知らなかった。
自分の領地の冒険者ギルドは、国内ギルドから完全に切り離し自分の欲望のための運営されていた。
当然ギルドは、女性冒険者が寄り付けるような状態ではなく、ずさんな状態だった。
それを見て、国内ギルドも同じだと思っていたのだった。
☆★☆★☆バチェラーの知らない正確な情報…☆☆
最新のバイスル国冒険者ギルドは、レイの行動で、大きな変革が起き、その教育は大陸冒険者と何ら劣るものではなかった。
そしてバイスル国冒険者ギルドは、モルトン冒険者が行った周辺の森の中にある洞窟を徹底調査ゴブリンやオークのコロニー化を徹底的に防いだ。
その結果低ランク冒険者がゴブリンによる被害が激減し薬草採取率の向上、薬師の薬湯レベルとポーションレベルも上がり、回復手段が充実しているため、負傷しても心配はなかった。
重要人物最新情報第一王妃エレミア辺境伯婦人ミザリーは、モルトン事件以降毎日欠かさず鍛練を行い実力は、冒険者活動していた頃以上になっていた。
元々報告を怠けてたAランク冒険者、今は、大陸冒険者ナンバーズに並ぶほどになっていた。
これもレイに渡されたポーションの影響だった。
辺境伯婦人であり王妃専属護衛のレイカの実力は、当然国家騎士No.1であり、剣聖、剣王と同等の実力を誇っていた。
第二王妃メルティアは、森族エルフの元王女であり、精霊の力を使う精霊魔法の使い手で、その実力は宮廷魔導師が束になってもかなわない実力者だった。
普段は、王城内の庭園や周辺の森にいる事が多く、その存在をあまり知られていなかった。
☆★☆★☆
バチェラーは、オークジェネラル・キングの転移を数ヵ所確認しさらにゴブリンロード、ナイト、キングの上位種族も数十確認している。
だが思っているほどの数が集まっていないのだ…
『おかしい…あれから数ヶ月経過してまだ大きなコロニーまで発展していない…
なぜだ…仕方ないもう少し様子を見るか…』
漆黒の女神様が、完全に力を取り戻すためには、人間の絶望の感情が必要だ。
特にあの方の言う王妃達と婦人達の絶望の映像を記録する事が目標なのですから…
焦りは禁物待ちましょう
☆……☆……☆……☆
☆……☆……☆
☆……☆
ジェネラル達が転移してから半年後、ついに王都周辺の伯爵領、公爵領領地数ヵ所の森から規模は小さいがオークやゴブリン中心の魔物が町を襲う。
ベルモルト辺境伯領も数ヵ所魔物が溢れ町を襲うが、冒険者ギルドの体制が整った町は、高ランク冒険者とベルモルト領兵によって全て襲撃を退ける。
特にモルトン周辺の森からオークジェネラル達の集団は、駆けつけたミザリー指揮のもとで、大陸冒険者ナンバーズと国内Aランク冒険者達の連携で撃退された。
「さすが精霊様と会話ができるメルティアね、情報が筒抜けなんて知ったら、今回の首謀者バチェラー驚くでしょうねフフフ」
ミザリーは、連絡用魔道具に向け話す。
『こちらベルモルト辺境伯ミザリーこっちは、全て撃退したわ、エレミア殿下そちらは大丈夫でしょうか…』
『はい!問題ないですわお姉さま、レイカと剣聖、剣王、それにレベルの上がった姫騎士達の前に王都手前の草原で、全て撃退しましたわ』
ベルモルト辺境伯と王都の被害は負傷者数十人ですんだだけだった。
☆…☆…☆…☆
そして被害が一番大きかったのはトレイル伯爵領のピクモルトとネスレクトの2つの都市とシルフェルト公爵領の都市グポラスだった。
王都のすぐ隣コロノアド侯爵領スメタナの町を襲った、オークジェネラルとゴブリンロードの集団は、疾風のクロア迅雷のラノアと呼ばれる大陸冒険者ナンバーズによって討伐された。
別組織もヘルメルト国内を、闇魔石を持って巡っていたが、ゴブリンを大量発生させる事ができず失敗、一部の者は高ランク冒険者によって捕らえられる。
バチェラーは、上手くいかなかった事に怒りを露にする。
『くそ!何故上手くいかなかったのだ!闇魔石が順調に集まっていたのですよ何故です!
ここに来て集まりにくくなるわ、転移したオークジェネラルやゴブリン達は、ほとんどが冒険者によって討伐されてしまうわ最悪ではないか!』
なんなんだ王都といいベルモルト辺境伯といい、あの女どもはただの貴族婦人ではなかったのか!
なんだあのミザリー婦人は!ゴブリンキングを一人で瞬殺だと…
おかしいだろ!いい年齢のおばさんだろうが…
わからん…
王都の草原でのエレミア王妃もだ!
なんなんだあれは…
剣聖達と同じように動きジェネラルを倒すなんてあり得ない…
しかもたった4人でだ!しかも誰も怪我すらしてない…
わからん…
成功したのは、儂の領地とシルフェルト公爵領だけとは…
それでも何とか数万人の負の感情が集まったが…
誰だよこんな屑情報集めた奴は!
うちの諜報部員はどうやらポンコツのようですね…
バチェラーは連絡を取り結果、現時点で集まった魔石を持ちテオラートへ来るように指示を受け領地を息子に任せて、バチェラーは移動を始める。
負の感情が貯まって来てたのが、ここに来てバイスル王国内の集まりが悪くなり、現在集まった魔石を持ちテオラート国に向かった。
これもこの国の二人の王妃のせいか…
まぁいいでしょう。
漆黒の女神様が復活したらどうなるか楽しみにしましょう…
ブン
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