第103話襲撃

ベルビューラを出発して2週間ミレイ達陸上部隊は、途中魔物に何度か襲われるも、全く被害なく撃退して、王都までの経路最大の警戒地点カラコラム渓谷に差し掛かろうとしていた。


【カラコラム渓谷は深いV字渓谷で馬車道は渓谷の底を流れる川に沿っている。

途中いくつかの滝が流れ落ちる場所もあり両側の崖は、数百メートルありそれが数十キロ続く渓谷だった。】


アスカが念話で話しかけてくる


『ミレイ様、恐らく襲って来るとしたらこの先のカラコラム渓谷だと思います。警戒をお願いします。』


マリ達も馬車の中でメイド服を脱ぎ動き安い服に着替える。


『皆様警戒を お願いします。いくつかの魔力反応が感じます。』


ピキR『マスター悪い奴ら凄く沢山集まってるの。進んでる道谷底だから悪い奴らの襲撃防ぐの難しいの。

みんなを転移させた方がいいの。』


え?そんなに危険なの?


『ライムこのまま撃退できない?』


ピキ R『攻撃魔法の得意なパルムいないから無理なの!この谷進めば魔素が薄くなって魔法の威力弱くなるの。転移もできなくなるの』


でもまだ敵の主力がこっち来てるのかわからないのに…

どうしょう…


うーん


ピキ M『マスター早くしないと、ミルム転移させた後戻ってこれなくなるの。』


『どうしょう…』


せめてどれだけの人数が集まってるかわかれば…


ピキR『マスター魔力探知で調べたの。この谷の出口と谷の上それと後ろから沢山魔力集まってるの』


そんなに…こっちに集まったかな?

湖の本体は攻撃されてない?


『ポルムお姉さまそっちはどうですか?』


『ミレイよ、こっちは今のところ何もないのじゃ!魔力探知してるけど悪い魔力はいないのじゃ』


という事は、こっちに集まってるんだ。

ならみんなをクルーザーに転移させて、ボク達で敵を撃退する?

よし!


『ライム、エルム、ミルム聞いてくれる。今から作戦を言います。

ここから渓谷の入り口まで馬車に草束をつけて走らせます。当然護衛も走らせます。

ライムは、土魔法で走る道を土煙が上がるように軽い土質に変えてくれる。』


ピキ R『わかったの』


『当然走った後土煙があがるから、今の風の流れで敵側からボク達は見えなくなる。

そのまま魔素が薄くなる渓谷入り口まで走りそこで馬車を止めて土壁で隠した後、ミルムがクルーザーまでみんなを転移させる。

ライムは、転移が終わるまで土煙を出して隠し続けてくれる』


ピキ R『わかったの』


ピキ M 『嫌なの!マスターと離れるのダメなの』


はぁー ごねるとは思ったけど…


ピキ E『ミルム、マスターはエルムに任せるの、マスターのおち○ち○とおっぱいはエルムがちゃんと守るの』


またこいつ何言ってるの!そんな事言ったらミルムが余計協力しなくなるだろう!


『エルム!も一緒に行って貰うからね、たぶんかなりの人数転移させないとだし、魔素も薄いから相当魔力必要だから二人で協力してほしいの』


ピキ E『えー嫌なの!拒否なのぉー!』


何言ってるの!二匹共にボクの眷属だよね、何で毎回言う事聞かないの?


はぁー


仕方ない…


『ミルムとエルム言う事聞いてくれたら、このボクの魔力を凝縮した魔石プレゼントするけど、どうかな?』


確かボクの魔力を沢山吸収すると、眷属としてのレベルが上がるって、前にライムが言ってたから…

でも眷属レベルが上がるとどうなるのかわからないけど…

何か怖い気もするけどこれしか方法が…


E,M『『やるのです!ご褒美貰うのぉー!』』


おお!

これで一安心だね


『ミルムはボクに姿を変えて、エルムはフードコートに擬態して、ミルムをサポートしてね。』


ミルムもボクの情報取り込んでるから、ほぼ完璧に姿が変化する。これならパルムと同じように鑑定でもわからないと思う。

ミルムには、分身魔法だと上手く誤魔化す方法教えてるからたぶん上手く行くはず…たぶん


ボクは馬車の外に出て土煙が上がるように魔法を使うふりをして、視界が悪くなった時点でライムの気配遮断と隠蔽魔法でみんなの前から姿を隠す。

そしてミルムが入れ替わりで姿を現せば完璧!


後はボクのふりをして、ミルムがみんなに声をかけて転移する。


転移したらすぐにこっちに戻ってもらって、ここにいる汚い奴らを一緒に殲滅して貰う


ぼくは、ライム達に念入りに作戦を伝える。アスカさんとフェアリス王女さん達には、敵の主力がこの先の渓谷付近に集まってる事を伝える。


『アスカさん、フェアリス、チェリアス王女様聞いてください!ボク達は、このまま走りながらボクが馬車の外に出て土煙が上がる魔法を放ちます。

たぶん渓谷の入り口付近まで走れば、土煙で完全に見えなくなると思うので、そこで皆さんと一緒に転移魔法でクルーザーに転移します。』


アスカが大人数を転移させる事に驚く


だいたい転移魔法自体が使える人間がいないのに、こんな大人数の転移なんてできるのか?


『ミレイ様!これ程の人数を一度に転移させる事ほんとに大丈夫なのですか?』


『問題ないです。ただ皆を転移させてすぐに戻るつもりです。

この敵の主力をできるだけ足止めしたいから・・

ここの状況から魔力足りればですけど・・無理ならまた別の作戦考えてます。』


『別の作戦ですか?』


『そう… あいつらより先に王都に陛下を送り届ける事が重要だから、クルーザーに転移したら速度をあげて王都に向かいます。

出来れば2日以内に着きたいです。

あの渓谷から馬で駆ければ王都まで3日と聞きます。

だから陛下にはそれより前に城に戻って対策を立ててほしいです。

それで転移した後ボクは、魔力が回復するまで役にたたないから、アスカさん達で陛下を守ってほしいの』


アスカは頷く


『任せてください!王都湖畔の港には私よりも強いナンバーズ冒険者の龍人族エリアリアがいますから、問題ないです。

残念ながら最強のSSランク龍人族のグランアリスはまだ連絡は取れてませんが、ミレイ様に会うためにこちらに向かってるはずです。』


アスカさんより強い冒険者か…

なら安心かな?何かグランアリスって人気になるけど大丈夫だよね…


ボク達は、上手く土煙をあげながら進み渓谷の入り口にたどり着く


うわー風もいい感じで吹いてて土煙が

ボク達を見えにくくしてくれている


ボクは、地面に手をつきライムが土魔法で壁を作る


ゴゴゴ…

ゴゴゴ…


よし!

後は、アスカさんとマリさん達にみんなを集めて貰う


ボクは、集めて貰う場所を馬車からわざと少し離れた場所にした。


アスカさん達が護衛達に意識が集中してるうちにボクは、馬車の中に入る


ライムボクをわからなくして、ミルムタイミング合わせて姿を変えてね。


行くよー 3・2・1


『ερρε…』


ニユー


誤差なくボクの気配が消えすぐにミルムがボクの姿で現れる


おお!完全にボクだ!魔力も似てる!

これなら大丈夫だ


『ミルム後は打合せ通りによろしくね。』


ピキ M『わかったのご褒美のために頑張るの』

ピキ E『マスターちゃんとミルムをフォローするの』


この二人で大丈夫なのかな…

ボクの情報全てコピーしてるから大丈夫と思うけど…

暴走しないか不安でしかない…


ボクに姿を変えたミルムが全員の前で状況を話す。


ミレイ(ミルム)「みんな今ボク達は、前と後ろ、崖の上から狙われてるの。

敵を誘き寄せる作戦は成功したの。今からクルーザーに転移します。」


アスカは、少し違和感を覚えながらも素直に従う


マリも少し違和感を感じる


「あれ?ミレイちゃん魔力変わったように思うけど… 気のせい?」



ミレイ(ミルム)「アスカさんフェリアス王女、チェリアス王女様今からクルーザーに転移します。

皆さん手を繋いでください!」


ミルムは大人数転移を始めるために魔力を注ぐ

大きな魔法陣が集まった者達の下に広がっていく


ピキ M『やっぱり魔力足りないの、人数多いのと、転移ポイント移動してるから魔力沢山使うから助けてほしいの』


ピキ E『わかったのフードコートから魔力送るの。』


ミルムは、転移魔法陣が完成したのでアスカに叫ぶ


ミレイ(M)「アスカさん転移します!皆さん絶対手を離さないで!転移!クルーザー!」


シュン!


ミレイは無事転移を見届け姿を現す


行ったね、後は戻って来てからここに集まった屑の殲滅だね


ピキ R『マスター後ろから沢山の臭い魔力もった人間集まってるの。渓谷の出口にも同じくらい臭い魔力の人間集まってるの。後両側の崖の上にも沢山集まってるの。』


これ間違いないねここで完全に仕留める気かな?

ほんと汚い臭い人間が集まって来てるんだ・・もう全部殲滅してやる

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