第104話合流

 クルーザの上では毎日ポルムが陛下から質問攻めにあっていた。


「ポルムよ!ミレイは何で二人もいるのじゃ!ちゃんと秘密は守るから教えてほしいのじゃ!」


「陛下あたいは答えれないのミレイに聞いてほしいって何度も言ってるの・・」


「ポルムは知ってるのじゃろ?教えてくれ」


「無理なのじゃ!」


「そこを何とか・・」


「無理なの!」


「少しだけでも」


「無理!」



 船上で毎日のように行われてる二人の会話

 その二人のやり取りを楽しそうに見つめるメイドや護衛の冒険者たち


「今日もやってるよあの二人・・」

「ほんと陛下もよくやるよ」

「ホントあのやり取り聞いてるからミレイちゃん3階の操縦席から降りてこないし」

「陛下がデッキに上がろうとすると、船の操縦は難しいから邪魔しちゃダメって、ポルム様に叱られてるし」


 そんなやり取りをしてる時突如クルーザーの1階デッキが光に包まれる


 パァーーン


 冒険者達は陛下を守りながらもその光を見つめる

 陛下も後ろから光を見つめる


 やがて光が収まるとそこには馬車で出て行った陸上部隊の王女一行が現れる


「フェリアス!チェリアス!それにミレイ!えー--!て・転移魔法!!」


 馬車で出て行った陸上部隊が船上に現れた事で、ちょっとしたパニックになる


 サリアス陛下が転移してきた王女に話しかける


「フェアリス!これはどういう事じゃ説明してくれ」


 フェアリスは転移する直前の出来事を話す


 なるほど敵の主力がカラコラム渓谷で待ち伏せしていたと、それでミレイの魔法で転移してきたと・・


 サリアスはミレイを見つめて話しかける


「のぉミレイよ、妾の知識の範囲では、このような大人数を転移させるような魔法を使えるものはおらんのじゃが・・

魔道具を使い術式を施した魔法陣を書いて、膨大な魔力を注いでの転送魔法くらいじゃ、しかも送れる規模も少ない・・

この魔法は古の魔法と言われる転移魔法・・ミレイはとんでもないのぉ・・」


陛下は転移してきたミレイを見つめポルムに話しかける


「ポルムよ!船は止まってもいいから操縦席にいるもう一人のミレイも呼んでほしいのじゃ!」


ポルムは、転移してきたミレイを見つめ念話で話す


Po『ミルム姉様どうするのですか?』

M『大丈夫マスターに対処方法教えて貰ったの任せるの』



そしてサリアス陛下に見つめられ逃げようとするミレイ(ミルム)の腕を掴む


ガシッ!


 腕を掴まれたミレイが陛下を見つめ怯える


『この人間怖いの・・』


 ミレイ(M)「へ・陛下少しお待ちください!パ・・もう一人のミレイ呼びます」


 ミルムとパルムは念話で打ち合わせをする


 M『パルム降りて来て!マスターからこの後の事について話すから指示通りにするの』

 P『わかった。どっちがマスターやるの』

 M『ミル動く方だからマスターパルムやってなの』

 P『わかった』

 E『エルはこのままコートでいいの』

 M『発光は任せるの、擬態は靴にするの』


 ミレイ(P)「陛下お呼びでしょうか?」


 二人が揃って陛下の前に並ぶ


「ポルムもちと並んでくれんか?」


 ポルムは言われるままミレイに姿を変えた二人の横に並ぶ


「これでいいですか?」


 ジュルリ

 ハァハァ


「美少女が3人しかも同じ顔・・たまらん!」


ジュルリ

ハァハァ


「3人共に妾の好みグフフ…」


ハァハァ


 チェリアス王女が陛下を諫める


「お母様!落ち着いてください!顔が崩れてます。何をなさろうとしているのですか?私たちの話しを聞くのではないのですか?」


 サリアスは冷静さを取り戻しミレイに尋ねる


「すまなんだ。ミレイよ転移魔法についての事は後に聞くとして、陸上の陽動部隊が転移してきて問題はないのか?

これからどうするつもりじゃ!それとミレイが二人いる理由を教えてほしいぞ!」



 P『この質問はマスターの予想通りだから、言われた通りやればいいんだけど・・

 ちょっとミルムの様子が変なの』


ミルムが何かを必死に探している。

その様子を他のスライム達が察知する


 ミレイ(M)「これからなんですけど、陸上陽動部隊のミレイは、一度転移で馬車が放置してある場所まで転移します・・」


あれ?転移ポイント…どこ?なんで?

ちゃんと置いてあるのに…このままだと転移できないの


 M『パルムおかしいの転移ポイントがぼやけるハッキリ位置わからない…

このままだと転移できないの』

P『マスターどうすればいいの』


『ごめん敵を完全に叩きつぶしたいから、完全に渓谷の中に入った。

だから周りの魔素の影響で転移ポイントから魔力が届かないからだと思う。

こっちは相手を完全に殲滅するつもりだから心配しないで!

パルム達は船の速度を上げて王都を目指して!向こうで合流しょ!

こっちはカラコルム渓谷の敵の主力を殲滅してから行きます。』


P『マスター大丈夫?敵の数多くないの?どうやるつもりなの?』

M『マスター心配敵の数沢山いる。パルもエルもポルもここにいる危険なの』

E『マスター悪い人間沢山魔道具も沢山持ってる。

ライム姉様だけ1万以上いる悪い人間倒すの無理なの!逃げてマスター』

P『マスター絶対死ぬのダメお願い・・あっ思い出したの!そのカラコラム渓谷の深いところに双子の滝ある。

その二つの滝の合流するところに洞窟ある。

そこにパルたちと同じスライムいる。

昔レッドドラゴンと戦って、スリープになってるスライムなの。

まだ眠ってると思うの。マスタ魔力注ぐと目覚めるはずなの。その子がいれば大丈夫なの』


レッドドラゴンと戦ったスライム…え?そんな無謀なスライムいたんだ…

たぶん一撃で瀕死でスリープモードになったんだろうなぁ…

それに敵の戦力が1万以上って…

さすがに無理か…


『わかった。さすがに1万以上のしかも魔道具まで用意してる相手は無理だから弱くてもレア種のスライムなら何とかなるかも捜してみるね。』


☆・・・・☆・・・・☆・・・・☆


P『マスター必ず見つけて・・

  あの子なら・・』


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