第100話ミレイはヘルメルト国王都へ
ミレイ達が会場に着くと、 陛下が忙しく何十台もの荷馬車に指示をしていた。
「陛下この荷馬車はどちらに?」
陛下は、何か書類を見て指示をしている。
「それはマスドラートじゃ!」
「陛下こちらは?」
「それはギマラスじゃ!」
「サリアス陛下、昨日からほとんどお休みになっていません!
後は我々に任せて、お休みになってください。」
「ナミア!お主もわかっておろう!
ここ数年の食糧不足を!
せっかくここには貴重なルビーフィッシュが、大量にあるんじゃ!
魔道具の効果が切れる前に輸送するのが先じゃ!
身体なぞ休めるのは後じゃ!」
凄い…陛下が国民のために頑張ってる。
一緒に同行してた、ギルド調査官が教えてくれる。
「あれは恐らく、徴税報告を見て、食糧が不足してる町を優先に、送ってるのだと、思います。」
「何で部下に任せないのかな…」
「陛下は、まず報告を確認して、部下に仕事を割り振りますが、ここでは、貴重な食糧です。
しかも魔道具を使った食糧です。
だから素早く的確に行うために、他の者に任せず自分で行われてます。」
国民のために自ら動くって…
この人なら、ミレイの孤児院を守って貰うように、お願いしても大丈夫だ…
あの姿見たら、この国の国民のためにも、この人を失ったらダメだと、ハッキリ思う。ならボクがやるべき事は、この前の屑のボスを、ぼくがやっつけちゃえばいいんだ!
ボクが守りたい、孤児や、子供達をサリアス陛下に託せる。
ボクがサリアス陛下を見つめてると、陛下も気がつき、離れて見つめるボクに聞こえるように叫ぶ
「ミミ嬢よ!もう少ししたら終わるから、待っててくれるか」
ボクは、わかるように手をあげる
「わかりましたぁーー!」
陛下は、その後も休む事なく解体、搬送先、など忙しく指示をし、ボク達のところに来たのは、日没近かった。
ボクは陛下に、労いの言葉をかける
「サリアス陛下お疲れ様でした。」
「ミミ嬢のその声を聞いたら疲れがとれたぞ!フフフ…」
ボクは陛下の前に立ち頭を下げる
「サリアス陛下!ごめんなさいなの。
私は陛下を騙してたです。
私は、ミミじゃないの…
ミレイなのです。」
陛下は黙ってボクを見つめる。
ボクを見る目はとても優しく見えました。
ボクは、ポルムを呼んで、陛下達の前で変装を解き元の双子ミレイとポルムの姿になった。
「ポルムお姉さまこっちに来てください。
サリアス陛下に元の姿を見せますよ。」
ポルムもわかってたように素直に従う
「わかったのじゃ」
パァーーン
パァーーン
ミレイとポルムは光で視界を遮り、元の銀髪ツインテールと、黒髪ツインテールの姿に戻した。
アスカさん達も元の銀髪の姿を見て驚く
「うわー可愛い~白と黒の妖精だぁー」
「「ほんと可愛い~」」
サリアス陛下は、ボク達二人を見て微笑み抱き締めてくる。
「やはりミレイじゃったか!いつ見ても可愛いのじゃー!」
ムギュ~
ボクとポルムは、サリアス陛下が、満足するまで抵抗しなかった。
シャルテ達も羨ましそうに、ミレイとポルムを、抱き締めるサリアスを見つめる
『はぁ~いいなぁ私もミレイちゃんを抱きしめたい…』
『陛下羨まし過ぎます!いいなぁ~』
暫く抱きしめ満足したサリアスは、ミレイに尋ねる。
「ミレイよ、どうしてわざわざ変装を解除したのじゃ!
あのままなら妾は、わからなかったのじゃぞ」
ミレイはサリアスを見つめ答える
「これは、ボク達の決意です。サリアス陛下と王都に行きます。
そこで陛下を狙う組織を潰します!」
サリアス陛下は驚きミレイを暫く見つめる
「…………ミレイよ!これは妾の問題じゃぞ!
ミレイには関係ない事じゃ!
共に行動すれば、巻き込まれるのじゃぞ!何故そこまでする!」
ボクはバイスル国での事、この国での事自分がやりたい事をはなした。
「サリアス陛下、ボクはバイスル国ベルモルト辺境伯出身です。
そこでボクは、孤児達の状態を見て、決意しました。
この世界の親のいない子供達を救いたいと…」
サリアスは呟く
『ベルモルト辺境…数年前の食糧不足の原因になった所か… エレミアの言ってた、まさかほんとうにこの子が…』
「バイスル国では、ベルモルト辺境伯領の一つの町の孤児院を助けました。
それからギマラスでも孤児院を助けました。
ボクは、この国の孤児院を改造し孤児達を治療し、仕事を与えます。
サリアス陛下!ボクが作った孤児院を守って下さい!その代わりボクが陛下を守ります。」
サリアス陛下はボクを抱き寄せる
ギユー
「ミレイ…わかった。じゃがのぉ、妾が狙われてる問題は、妾が何とかする。心配しなくても、ミレイが助けた孤児達は妾がちゃんと守る」
サリアス陛下、ちょっと変な癖のある人で、ボクは少し苦手だけど、知ればしるほど好きになりそう…
この人もボクの家族だよ、なら行動は一つ
「陛下!わかりました。じゃミレイの船で皆さんを王都フェレールに送ります。それくらいさせてください。」
考え込む陛下に、ホタルさんがサポートしてくれる
「陛下私に考えがあります。ここは、ミレイちゃんの好意に甘えましょう。」
陛下は、シャルテさんも見て、シャルテさんが頷くのを確認して答える
「わかった。ミレイの船に乗せて貰うとしょう。
しかし妾の護衛や側近だけで30人近くおるのじゃぞ、そんなに乗れるのか?」
「はい!問題ないです。」
たぶん陛下のやり方に、不満を持ってる人達が集まって、行動してるんだろうなぁ…
『陛下、ボクとポルムは、勝手に動きます。
陛下は、ボクにとって大切な家族と一緒です。
だからボクとポルムは大切な家族を守るために力を使いますから…』
陛下は護衛達と嬉しそうに。クルーザーに乗り込んだ。
ボクは、船の設備を一通り説明して回った。
陛下に王女その側近達も、皆さん驚いていた。
ボクは必要な時以外は3階の運転席キャビンには、上がって来ないように注意をして、クルーザーを始動させた。
ゆっくりと動き出すクルーザー
ボクは船内放送で伝える。
「今から動きます。スピードは出さないので、皆さん狭い船内ですが、楽しんでください。」
船は湖を快適に進む
「今船内設備は、魔力を流してるので使いほうだいなので、お風呂でも入ってくつろいでください」
クルーザーは、2時間ほどかけて孤児院の湖畔桟橋に接岸する。
陛下には、船の中で待って貰って、ボクは、レフレアさんと子供達と一緒に船を降りた。
船には、ポルムを残し設備を動かすための魔力を注いで貰ってる。
レフレアさんと子供達は、あまりの変わりように驚いていた。
ボクはレフレアさんに孤児院の設備の使い方をいろいろと説明して、これからの事もお願いした。
そして、レフレアさんと子供達に、王都に行く理由を伝え、それが終わったら必ず戻る事を伝えた。
「レフレアさん行って来ます。冒険者の人が常駐してくれてるので、安心してください。」
「ミレイちゃん気をつけて」
「「「お姉ちゃん行ってらっしゃい」」」
ボクは手を振り船に乗り込み王都に向け船を走らせた。
「みんなぁー行って来るねぇーー!」
ボクはゆっくりとスロットルに魔力を流し船を進める。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます