第99話ミレイ孤児院を立て替える

ボクは、ホタルさん達に孤児院に戻る事を告げ、アスカさん達と孤児院に戻った。


ホタルさん達は、陛下を上手く説得するからと、大会会場に向かった。


孤児院に戻ったボクは、これからの事をレフレアさんと子供達と話し合った。


「ミレちゃん大丈夫だったの?」


「はい!会場でいろいろありましたけど、町長は捕まり王都に連行される事になりました。」


子供達から歓声が上がる。


「「「やったぁー」」」


「みんなと一緒にいれるんだ!」


レフレアさんはほっとしてるが、まだ気になることがあるのか元気がない。


たぶん借金の事を気にしてるんだ。


「レフレアさん、心配しなくても大丈夫ですよ!

お魚も優勝賞金も手に入ります。

ボクと一緒に、今から商業ギルドに行きましょう。」


するとスイセンさんがボクの側に来る。


「ミレ様、その必要ないようです。」


その時商業ギルドのサブマのガズドーラが手下を従え訪ねて来た。



「おーいレフレア!約束通り金を返して貰いにきたぞ!」


ゲスな笑みを浮かべ5人の男が敷地内に入って来る。


男達を見てレフレアさんは震えている。

ボクはレフレアさん横に立つ、ボクの横にはスイセンさんとアスカさん、後ろにはマリさん達が立っている。


レフレアさんは、ボクの手を握りガズドーラに向かって話す


「そこで止まって下さい!借用書を見せてください!」


男達は騒ぎだす。


「フン!金も用意出来てないのに何が借用書だ!さっさとこっちに来い!」


「今日中に10,000,000ジェルだ!さっさと用意しろ!」


ボクは、レフレアさんの手を握ったまま、男達にもう一度借用書の事を告げる


「商業ギルドは、いつからこんな恐喝のような事をして、返済要求するのですか?

借用書を先に見せてください!」


「やかましい!金をだせ!」


怒鳴りる男達


ボクは、とりあえず大金貨を袋からだし見せる。


「お金は、ここにあります。」


ガズドーラに命令され男達はボクに近づいてくる。

それをアスカさん達護衛の冒険者が、男達の足元に風刃を放つ


ザシユ!

「それ以上進むな!」



「な・何しゃがる!」


アスカが男達に告げる


「それ以上進むな!斬るぞ!ミレちゃんが借用書を見せろと、言ってるのが聞こえないのか!」


ガズドーラは町長の名前を出して、男たちに金を奪ってこいと命令する。


「我々には町長がいる!さっさとガキの持ってる金を奪って来い!俺たちは、町長の命令で動いてる、問題ない!」


はぁ?何言ってるの?町長の命令?

こいつらわかってるの?



商業ギルドのサブマスが、ギルド長との契約を勝手に破棄したのが原因でしょ?

ボクたちが、なかなかいう事を聞かないのにガズドーラは苛立ち、町長の命令書を出す


強制退去命令と、書かれた書類を男たちは差し出す。


「これを見ろ!こっちにはちゃんと命令書があるんだ!」


それを見てボクは、町長の事を伝える


「それおかしいですよ!町長は国家反逆罪で女王陛下に捕らえられ、王都に連行されて行きましたよ。

そんな命令書偽造したんですか?」


それを聞きガズドーラが焦りだす。

そこに数人の女性が、馬車で乗り付けて来る。


「ミミ様、アスカ様ここは私にお任せ下さい。

私は、ベルビューラ商業ギルド受付兼王都商業ギルド調査管バーバラと申します。

同じく調査官キャリアです。

同じく調査官ヴェルアです。」


調査官3人は、ガズドーラに書類を突きつける。


「ガズドーラ!貴方を公文書偽造、不正取引、横領、により捕縛します。

然るべき処罰を受けて貰う!」


「くそ!せっかく上手く行くところだったのに…

おい!逃げるぞ!」


バーバラ達は、逃げようとするガズドーラを捕らえるために動く


「ガズドーラ!大人しく捕縛されなさい!逃亡は重罪ですよ!」


ガズドーラ達は全力で逃げ出すと、アスカさん達が動く!

当然SランクやAランク冒険者から逃げれるはずもなく、あっけなく捕縛され、警備隊に引き渡される。


バーバラさんは、孤児院の土地建物の商業ギルドから、譲渡書類をレフレアさんに渡す。

ボクは、それを見て孤児院の問題は解決したので、レフレアさんと子供たちを集め話す。


「ボクは、前の町でもその前の町でも、孤児院を改造して、みんなが楽しく暮らせるようにしてきました。

そして、みんなが困らないように、仕事も作りました。

ここでもそうするつもりです。

そのために、守ってほしい事があります。」


ボクは、みんなが守るルールを伝えた。


☆孤児院はみんなで仲良く協力する。

仕事、掃除、洗濯、食事など

☆トイレは、決められたところでする。

☆レフレアさんの言う事を聞くこと

☆食事前、外から帰った時きちんと洗剤で手洗いする事!

☆孤児院は綺麗に清潔に維持するために、トイレ、お風呂、掃除、洗濯、など全員で行い守る事


皆頷き真剣に聞いている。


「いつもきれいにすることで、病気になりにくくなります。

特にトイレのする場所、ごみの処理は絶対守ってください!」


「「はい!!」」


「今からミレとポルで孤児院の改造をします。

みんなは改造が終わるまで、ミレー号の船で過ごしてください。」


ボクは、会場に戻ると陛下に捕まるから、アスカさんに、お願いして冒険者の方に会場に泊めている船に、子供達とレフレアさんを連れて行ってもらった。


孤児院には、ボクたち以外アスカさん達高ランクの人達が数人ボクの護衛に残ってくれた。


このベルビューラ孤児院は、湖の資源を利用した物を作るのがいいと思った。


ボクは孤児院を新しく造り変えて行く。


まず建物は、子供が30人くらいが余裕で暮らせる2階建ての生活棟

☆成人した子供が、引き続き働ける同じく2階建ての宿舎棟

☆工場棟、ここは、湖から採れる物を商品化する。

☆湖で採れる水ブドウという果肉を、加工した栄養ドリンク。

☆湖の水草から抽出される成分を使った新しい薬。

これらを作る道具も作った。

この二つを主力に販売する事にした。


ボクは、スライム達に協力してもらって、孤児院母屋、工場棟、資材倉庫、宿舎、トイレ、風呂等を次々作って行った。


箱ができたら、濾過剤入った小型タンクを作り湖から手動式ポンプの設置。

ポッドワーム型トイレの制作。

ベッド、マットレス、布団等を作って行った。


そして移動用の転移ポイントの設置も完了した。


作り始めて3日目ようやく完成した。

もちろんミレイの作った畑にすでに野菜は植えてある。


やったぁできたぁー!

これで孤児院の子供達は、快適に過ごせるはず。


アスカ達冒険者も、ミレイと連絡できる手段がほしいから、念話ができるようにしてほしいとお願いされた。


念話スキルは、Bランク以上ないと習得は難しかった。


そして、剣王シャルテさんから念話が入る


『ミレイ様、陛下は、お二人の事気づいてませんが、ミレイ様が今やろうとしてることを考えると、陛下にお願いするのが一番かと思います。』


やっぱりそうだよね、でも陛下って忙しいから、他の人に任せるからどうなんだろ…


ホタルさんもお願いしてくる


『ミレイ様、が心配してる事には、ならないと思いますよ。

陛下はミレイ様が大好きですから、その人からお願いされると、人に任せてほったらかしにはしません。

ただこの前の襲撃の事から、陛下が王都に戻れば、暗躍してる者達が動き出すと思います。』


この前の奴らの依頼主か…

ボクは、陛下の事苦手だけど、嫌いじゃないし、孤児の事助けてくれるのなら、全力でサリアス陛下を守る!


陛下凄くいい人だし、サリアス陛下を潰そうとする屑は、全力で排除してやる!


エレミアさんのお姉さんだし、ボクにとっても家族のような人だしね。


子供達のためにも、サリアス陛下も味方につける…


『わかりました。王都に行って陛下を狙う屑を全力で排除します。

方法はお任せします。』


シャルテさんと念話で話した後、ボクは、急ぎ孤児院の残ってる事を終わらせる。


この孤児院の作り、ライム達に記録して貰って、時間ある時材料とか集めて、キットみたいにしとけば、次から時間も魔力も少しで済むね。


ボクは、ライム達お願いすると、


ピキ R『マスター記録とか、コピーとか得意なスライムもいるけど、ライム達は無理なの。』


ピキ E『マスターエルムは覚えるの嫌いなの。でも凄く好きなスライムいるの』


ライム達は単純な事は覚えるけど素材を大きさ、強度、厚み、窓、デザイン等々を記録するのは無理らしい。


でもそういうの得意なスライムいるらしいけど、今後の事考えたら早く仲間にしてみたいなぁ


そうだ、孤児院の改造予定全て完了したから、シャルテさんに連絡して子供達迎えに行く事言わなきゃ


『シャルテさん、ホタルさんこっちの予定全て終わったので、子供達を迎えに行きます。』


するとシャルテさんから、これからの事でお願いをされる。


『わかりました。ミレイ様、それでお願いがございます。

クルーザーに乗って子供達を孤児院に送る時、陛下以下護衛、やメイド達もクルーザーに乗船しても構わないでしょうか?

そして、子供達を孤児院に降ろした後、湖対岸にある王都までクルーザーで送って欲しいのです。』


そっか、王都ってこの大きな湖の対岸にあるんだ…

確かにこれで送るのが安全だし、悪さを企んでる奴らも、まさか湖から戻ると思ってないからいいかも


『わかりました。それで行きましょう!

子供達を、孤児院で降ろして、いろいろと説明するので、少し時間を頂きますが、大丈夫ですか?』


『問題ございません!よろしくお願いします。』


ボクは、商業ギルド調査官の乗って来た馬車で、大会会場まで戻る。

勿論何かあったら大変だと言うことでアスカさん達が護衛で、走りながらついてくる。


さすが大陸高ランク冒険者!走りながら数十キロ付いてくるって凄い…


ボクは数時間後大会会場に到着した。


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