第98ミレイ剣王と剣聖に救われる

「しかしよく寝ておるのぉ…まだ目覚めんのか…」


うーん…

あれ?なんか声がする…


ピキ R『マスター目覚めると女王様いるの。ライム何度も起こしたの。』


ピキ P『マスターが目を覚ますの待ってるの。』


えーー!ど・どうしょう…


「おや?暑いのか?汗をかいてるぞ…

どれ妾が綺麗にしてやろう、誰かタオルを持ってまいれ!」


サリアス陛下が汗を拭くために、ミレイの上着を脱がせていく。


「美少女の身体が目の前に…ぐふっ」


ヤバい…目を覚まさないと…


「んー… あれ?ここはどこなの?」


陛下は、ミレイを見て状況を説明する。


「くっ後少しじゃったのに…

ミミ嬢よ!ここは妾の宿じゃ!

ルビーフィッシュ大会会場で町長ゲロルタナーが、暴れて多くのものが魔力枯渇で倒れてたのじゃ!ミミ嬢もその一人じゃ」


「助けて頂いて、ありがとうございます。

あの…どうして名前知ってるの?」


適当に会話して、何とか逃げださないと…


「何、妾の従者が、ステージの上でミミ嬢を助けに行った時に聞いたのじゃ、ホタル!」


サリアスはホタルを呼び寄せる

ホタルさんいつ見ても綺麗…

ボクが、ホタルさんを見つめてると、ホタルさんが声をかけてくる


「ミミ嬢!どうかされたのか?」


「あのごめんなさい…ホタルさんが綺麗なので見とれてました…」


ホタルは顔を赤くしてミレイにお礼を言う


「ありがとう…可愛い子に綺麗って言われると嬉しいわ」


そこに剣王のシャルテが近づいてくる。

うわーシャルテさんってまつ毛長くて超美人、クールビューティーだ!


「ホタル!子供に言われたぐらいで、何を嬉しそうにしてる!お前らしくもない!陛下が呆れてるぞ!」


ボクは、冷静に対応するシャルテさんに思わず声をかけてしまった。


「シャルテお姉ちゃんも、まつ毛長くて、超美人だょ……」


あー!しまったぁー!

この姿で会うの初めてなのに…

やってしまったぁー!

ど・どうしょう…


シャルテは考えている。

『あれ?この子何故私の名前を知っている?』


そこにホタルが耳うちする

『シャルテ合わせてあげて、この子恐らく妖精様だ。あなたもあの動きと魔法見たでしょ!』


『そうか!陛下から逃げるために容姿を変えたってことか…理解した!

妖精様のために全力でサポートする!』


陛下がミレイに話しかける


「おや!ミミ嬢は、シャルテも知っておるのか?どこで会ったのじゃ?」


ぅう…ヤバい… ど・どうしょう…


ホタルがサリアスに話しかける


「陛下、私が助けに行った時、この子が、陛下とシャルテを見て綺麗って言ったので、説明しました。」


「ほぉー、しかしこの子は妾と話しても何も言っておらぬぞ!ホタルもシャルテも羨ましいのじゃ!」


シャルテがサリアスに話す


「陛下!冷静になってください!

この子は魔力枯渇で寝てて、目覚めてすぐに陛下を見たわけです。

そこまで思考が働いてないと思います。

現に陛下には、敬称もせず普通に話してたと思いますが…」


「おお、そう言えば…」


助かったぁ~

ホタルさん、シャルテさんありがとうございます……ってあ!


これって二人には完全にばれたって事?

ボクがミレイってこと…

ライム達が安心するって言ったの、この二人か…


ボクは、とりあえず陛下の事がわかったって事で、ベッドから降りて、陛下の前に土下座をする


ドタドタ


ペタ


「サリアス女王陛下と知らなかったの。ちゃんと話さなくて、ごめんなさいなの…

女王陛下に、気安く綺麗なんて言ってごめんなさいなの…」


このボクの行動が、サリアス陛下の疑念を晴らす事になる。


「これ!ミミ嬢、頭を上げよ!ここにいる妾は、女王ではない。

ホタル達と同じでよい!そのつもりで話すのじゃ!」


サリアスは、土下座しているミレイを抱き抱えベッドにおろす。


「そんな事はできません!」


「妾がよいと言っておるのだ!構わん!」


シャルテが陛下に話しかける


「陛下!ここは私とホタルに任せてください。」


陛下がベッドの前をシャルテとホタルに譲り、少し離れたところのテーブル席に座って様子を見る


シャルテがミレイに小声で話しかける

『ミミ様…じゃなくミレイ様ですよね、先ほどは、助かりました。

ありがとうございました。

さすが妖精様ですね、私もホタルもわかってますから、全面的に協力しますよ。それでお願いがあります。』


『お願い?』


シャルテとホタルは、お互い頷きシャルテが話してくる


『はい!あまり長くこの状態で話すのは難しいので、まず私達二人に妖精様と念話で話せるようにして下さい。

後のことはそれから話します。

でないと陛下から助ける事はできませんよ』


ぅう…

そうだよね、側近のこの二人が協力してくれたら陛下から逃げる事できる。


よし!まずライム達に相談だ。


『ライム達、この二人に念話スキル与える事できる?』


ピキ R『ミルムができるの。この二人強くしたらマスター目立たなくなるの。』


ピキ P『この二人の魔力凄く好きなの。仲間になってもいいの。』


えーー!


『人間なのにいいの?』


ピキ R『あの二人は貴重なの。強くて、魔力凄くいい匂いなの。』


よくわかんないけど、ライム達がいいなら…

でもこの二人って、女王陛下の重要な護衛だから、絶対離れられないと思うけど…

まぁ陛下からボクが解放されるならいいけど


ボクは二人に話す


『わかりました。二人ともボクの手を握って体調を心配するように背中に手を回してください』


『ミルムお願いできる、できるだけわからないようにね 』


ピキ M『やるのぉー』


『二人とも行きます。』


二人に魔力が流れると、一瞬だけ表情が変わる


ピキ M『終わったの』


おお!


『ミルムありがとう』


ボクは、さっそく念話で話しかける


『ホタルさん、シャルテさん聞こえますか?

話す時は、相手を頭の中にイメージすれば話せますから』


二人は、凄く喜びそれが話しかけて来るときに伝わってくる。


『はぁーやっぱりミレイ様は、妖精様だったのですね。

ホタルは、妖精様の眷属としてお仕えできる事を嬉しく思います。』


えーー!何言っての!眷属じゃないから…


『このシャルテ!こんなに嬉しい事はございません!

ホタル同様妖精様の眷属として、お仕えしますのでよろしくお願いします。』


いやいや二人とも何言ってるの!ダメでしょ


『ホタルさんもシャルテさんも陛下にお仕えする最強の護衛だし、国の防衛でも重要な人だし無理しなくていいです。』


『問題ない!国の役職は辞める。ミレイ様を守る方が大事だ!』


『ホタルもシャルテと同じ役職辞める。』


えーー!


陛下が黙り込むボク達を心配して話してくる


「ホタル!シャルテその子に何かあったのか?診断で何か見つかったのか?」


え?どういう事?


『ミレイ様、陛下は私達が人の身体の魔力の流れを見る事ができるの知っている。だから心配して聞いて来たのです。』


そうなんだ…


ホタルが陛下に答える


「陛下ミミ様は、もう少し休んで貰ってた方がいいですね。

話しするくらいなら問題ないので、陛下ルビーフィッシュの事聞いたらどうですか?」


ボクはシャルテさんに再びベッドに寝かされる。


「おお!そうじゃ!ミミ嬢よ、実は頼みがあるのじゃ聞いてくれるか?」


「はい!何ですか?」


「ミミのチームが釣りあげた。

ルビーフィッシュを妾に売って欲しいのじゃ!

勿論あれほどの保存状態じゃ高く買い取るぞ!」


ボクは陛下の機嫌を損ねないように、気を使いながら話した。


「はい!ボクお金欲しかったので、売ります。

あのサリアス女王様、別に高く買い取らなくて、普通でいいですから」


サリアスはミレイの手を握り、ミレイを叱るように話す。


「これ!ミミ嬢よ!妾の事はサリアスでよい!敬称は要らぬ!ミミ嬢の優しさ妾は嬉しく思うぞ!」


ギユー


サリアスは!ミレイの手を離し起き上がらせ、抱きしめる。


これくらいなら…


「ミミ嬢よ!妾は、急ぎルビーフィッシュを買い取りを指示して、保管庫と魔道具の手配などしてくる。

ミミ嬢よ!シャルテの言う事を聞いて、よくなったら会場に来てくれるか?」


「はい!わかりました。」


サリアス陛下は、ホタルとシャルテを残し、兵士全員を護衛につけ部屋を出て行った。


でも陛下ってほんとうにルビーフィッシュが好きなんだ…


はぁー助かったぁ…

シャルテさん達のおかげだ…

二人は、ボクをベッドに座らせ、床に膝をつき目線をボクに合わせて今後のことを話し合った。


「ミレイ様、これからの事なんですが、ホタルと私は、陛下と一緒に王都に戻ります。

そして、此度の事件を全て解決させます。

それから、私達の後を引き継ぎしてから、ミレイ様を追いかけたいと思います。」


ホタルも頷く


はぁー


「あの…そのまま国に残って、陛下をお守りするって案はないのでしょうか?」


「「ありません!!」」


えーー!

でも陛下が許すわけないです


「ミレイ様、サリアス陛下は、私達が上手く言って王都に連れて帰りますので、ご安心ください」


「わかりました。よろしくお願いします。」


あの人だよ絶対何かあるよ…

もし行く事になっても、先に孤児院ちゃんとしてからでないと行かない!

王都かぁ…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る