第95話大会の行方

何か嫌になっちゃった…みんなで頑張ったのに…


「ポルムお姉さま帰ろ…」


ミレイは、ポルムと手を繋ぎ子供達の所に向かい話しかける


「レフレアさん、みんなごめんなさい…

ダメだった…お話しもあるので、孤児院に帰りましょう」


冒険者達も集まって来る


「ミレ様、私達もきっちり説明したのですが、魚は廃棄するそうです。

力が足らず申し訳ございません」


アスカ達冒険者が全員謝罪をする


「皆さんミレ達は先に孤児院に戻るので後で来て下さい。お願いしたいことあるので…」


「わかりました。私達は会場にいるギルド職員と情報を交換して、もう少し調べて、対策をしてから孤児院に向かいます。」


ミレイ達は、アスカ達と別れて孤児院に戻る。

孤児院では、落ち込むミレイにレフレアや子供達が慰める


「ミレお姉ちゃんいっぱい頑張ったのに…あの町長が悪い!」


「そうだよ!あの町長の人が何かずるっこしたんだ!」


「そうだ!そうだ!」


「ミレ様元気だして下さい!私達今のまま頑張りますから…」


ミレイは、町長の事は周りに任せる事にした。


「アスカさんいろいろありがとうございました。

ボクとポルムは孤児院に帰ります。

町長の事はもういいです。

ただちょっと、怒らせるけど、後の事よろしくお願いします。」


『ポルムお姉さま、冒険者の誰かにお願いして、孤児院の人達護衛して貰って欲しいの。

ミレイ町長に喧嘩ふっかけてくるから』


『任せるのじゃ!やってやればいいのじゃ!ライム姉様達もイライラしてるし、好きにするといいのじゃ!』


ポルムがアスカさん達にお願いをする


「妹が、何かする見たいじゃから、あたいは、孤児院の子供たちを連れて帰るから、誰か護衛をお願いしたいのじゃ」


アスカが、希望者を募る


ムスカリ、スイセン、ネモフィラ、ナノハ、スズラン、ルピナスが手を上げる。

比較的小柄な彼女達は自分達で、相性を考えてくれ応じてくれた。


「じゃポル様と孤児達は、ムスカリ達に任せる、私とメリ、マリ、モクレン達でミレ様の護衛をする。

フリージアと、ネモフィラ達は会場にいるギルド諜報員と合流してくれ」


「「わかりました。」」


ミレイが動き出したのを見て、慌ててマリとメリが護衛について行く


ポルム達もレフレアと一緒に孤児を集め、孤児院に向かう


アスカは、残り待機してる冒険者に話す。


「みんなも私達に流れてる噂を耳にしてると思うが、バイスル国内で妖精のような容姿の子供が襲われた。

それがあった後、バイスル国内は精霊の加護が薄れて、かなりの被害が出てると聞く」


ムスカリ達も頷き語る


「確かに噂は聞いてます。確か銀髪の子供だと…

その後銀髪のツインテールの子供が辺境の町に現れ町の孤児院が精霊の祝福を受けていると…」


ナノハも情報を伝える

「私はバイスル国のモルトン冒険者ギルド出身で、今でもそこの職員と連絡は取り合ってる。

彼女は、最近ギルマスになったと連絡が来たんだが、いろいろ情報をくれた中で、ギルマスは、銀髪ツインテールの冒険者の子供は、絶対大切に扱うようにと注意を受けている。」


アスカ達は話し合う


「もしバイスル国内で起こった事が、妖精様に関係して、精霊の加護の消失につながってるなら、この国も危ないぞ!」


スイセンが、孤児院護衛達を急ぎ集める


「みんなあの二人が妖精様であるのは、間違いないと思う!

町長の起こした事は、どう影響するかわからないが、でもポル様や、ミレ様が凄く気にしてる孤児達に何かあれば、大変な事になる気がする。

急いで追いかけ守るぞ!」


ムスカリ、スイセン達数人が慌てて追いかける


それを見てフリージアと、ネモフィラ達に急ぎ、ギルド諜報員と合流して、町長を断罪する情報を、集めるように指示する


アスカが仲間に指示してるうちに、ミレイはステージに上がる


多くの者がまだステージ上で喜びあってる中に入り込み、町長に話しかける


「チームミレスラの代表のミレです。

あのミレ達の釣り上げた魚、虫がいるから廃棄するって言われたんですけど、自分で処理するので、返してください。」


町長は明らかに不機嫌になり、拒否する


「何を言ってる!危険な虫がおるからこっちで廃棄する!お前は近寄るな!」


やっぱりね、ミレイがさらに町長に話そうとすると、大会司会者が、ミレイを見て頷いてマイクを向けてくれる


「ミレ釣り上げてすぐに冷凍したのに虫がいたの信じられないの、確認していいですか?」


ミレイの言葉が会場内に響き渡る


それを聞いて町長は慌て司会者にマイクを取り下げるように文句を言う


「大会は終了してる!お前は帰りなさい!よけいな事は、するな!」


すると司会者がマイクを使いしゃべりだす。


「まだ残っている会場の皆さん!今回の事どう思われますか!一人の計量検査官がOKを出し、あの圧倒的な量を計量して結果失格、あり得ない事です!」


ドタドタ…


「貴様!余計な事せずさっさと降りろ!」


へぇーまだこんな人いるんだ…

でも…あ!警備隊…マイク取られて連行されていく


あの司会者、ボクの応援してくれたんだ…

☆……☆……☆

アザレアとスズの冒険者ギルド諜報委員も、ステージの様子を見て、計量保管所に走る


「スズ行くよ!あの子の魚全力で確保するわよ!」


「はい!」


ダダダダダ…


☆……☆……☆


ボクは、町長にこの場所で廃棄するからと許可を求めた


「じゃここで、みんなの前で廃棄します。それならいいですか?」


予想通りダメだと


「許可できん!こっちでやる!」


「えーー!何でですか!理由を教えて下さい!」


「廃棄場所でないと、周りに被害が出る!」


なるほど…


「じゃついて行って、廃棄されるの確認する!」


「危険なため部外者は立ち入り許可できない!」


一応警戒するようになったから次だ!


「ここの会場に商人さん沢山いるよね、何人か紹介して貰っていいですか?」


町長は何をするんだと言う目で見てくる


「何を売るつもりだ!」ルビーフィッシュと一緒に釣れた魚なんですけど。」


町長は急にニヤニヤしている。


「出来なくはない!どんな魚だ!」


お!食いついた。



「めちゃくちゃ大きいタイガーフィッシュです!多分計量台に載らないです。」


「ほぉ…紹介してもいいが、手数料と税金を納めて貰うぞ!」


ボクは料金を確認する


「いくらですか?」


「手数料30%税金は売上の50%貰うぞ!」


「はぁ?何それ!だったらいいです!」


町長は、ボクが断ったので驚く


「な・何故断る…… まぁよい!ちなみにそのタイガーフィッシュはあの船の中か?」


ボクは、船の保存庫に入ってる魚を教えてあげた。


「保存庫にはタイガーフィッシュが2匹全部10m超えてます。

サバーフィッシュが90匹全部2mくらいです。

ブラックフィッシュが60匹これも1m超えてます。このまま孤児院に帰って皆で食べる事にします。」


町長は慌てる


「待ちなさい!その魚全部儂が買い取るから寄越しなさい!」


ボクは拒否する


「え?いいです!孤児院に持って帰ります。」


すると町長は、とんでもないことを言い出す


「ならん!その魚全部検査する!船は儂の許可あるまで立ち入り禁止にする!」


はぁ?何言ってるの?

町長にそこまでの権限ないでしょ!


ボクは拒否した。


「何を言ってるんですか!町長にそこまで権限ないですよ!

そもそも虫がいるからって、廃棄するのもおかしいです!拒否します!」


町長がついに強硬手段に出る


「警備隊!こやつを拘束して警備本部の牢に放り込め!」


ダダダダダ…警備兵がミレイを囲むのを見て慌ててステージに上がってくるメリとマリ


「冒険者!邪魔をするな!」


マリが町長と警備兵に向かって叫ぶ


「やかましい!たかが準男爵の分際で!こんな横暴が町民が許すか!」


ボクはマリさん達に首を振る


「マリさんもういいです…ボクは素直に従います…」


やっぱりここダメだ…

孤児院だけ何とかして違う町に行こう…



「ふん!ガキが、お前の船はこの儂が使ってやるから安心するがいい!

さっさとこやつを捕らえよ!」


「はっ!」


ボクを捕らえようと、兵士が近づいた時、会場が騒がしくなる


「その捕縛待てぇーーーい!」


ヒヒーン

ブルブル


え?あの豪華な馬車見覚えある…

剣聖のホタルさんと、剣王のシャルテさんが並走してた。馬から降る。


嘘でしょ…

何で…


ガチャ


メルヘルト国女王サリアス陛下が馬車から降りてくる


えーーーーー!









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