第94話ルビーフィッシュ大会⑥決着

次の日ミレイは、3F操縦席で目覚め、食堂に降りて全員の食事を用意して、1F操縦席で今日の事を考える


ポルムには食堂を任せ、皆が起きて来たら、食事をとって貰うようにお願いしている。


今日は最終日、14時迄に戻らないと失格になる。

妨害船と、邪魔をしてきた船の位置わかればなぁ…



いろいろ考えてる時、アスカさん達冒険者が集まってくる。


「ミレ様おはようございます。素晴らしい朝食ありがとうございました」


「ミレ様おはようございます。朝食めちゃくちゃ美味しいかったよ」


「ミレ様、美味しい朝食ありがとうございました」


アスカがミレに話しかける


「よろしいでしょうか、会場にいるギルド諜報員より連絡がありましたので、打ち合わせをしたいと思います。」


おお!ナイスタイミング


「はい!よろしくお願いします」


アスカさんとメリとマリが前に立ち話を始める


「ミレ様ポル様、意見あれば後でお伺いしますので、今は報告をさせて頂きます。」


メリさんが頷き報告を始める


「先程、ギルド諜報員より連絡が

届きました。

町長の雇った妨害部隊十数隻が、ベルビューラ大会会場沖合いに展開中との事です。」


マリが補足するように話す

「高速船の対策もされてる見たいで、強硬突破は難しいかと思います。」


アスカさんがボクに話しかけてくる


「どうされますか?私達はご指示があれば、全力で対処します。」


「わかりました。ちょっと考えてみます。」


妨害船かぁ…

対策してるって、どういう事?

もたもたしてたら、攻撃してきた船もまた絡んでくるよね、どうしょう…

スライム達何でもできるって言ってたし…


うーん

………

……

そうだ!

ふふんいいこと考えた。


ボクはスライム達に相談をした。


『ねぇライムこんな形に船の中に水が入らないように、擬態できない?』


ボクは、船の上側をすっぽり覆う蓋のような物を、イメージして伝えた。


そう潜水艇のイメージを…


『ライム達よろしくね』


ピキ R 『マスターのイメージ伝わった。攻撃はパルムに任せるの』


ピキ P 『マスターの邪魔をする人間潰すの』


何かパルム頼もしくなった気がする。

問題はこの二匹だよ…


ピキ E 『エルム沢山マスターの体液貰ったから頑張るの』


何言ってるエルム!お前が勝手に人の体液吸ったんだろう!

エルムお前は張り切らなくていいからね!


ピキ M 『ミルム、マスターからエネルギー沢山貰った。任せるの』


ミルムお前も何勝手にそんな事してるの!

だいたい問題児が動くと、ろくな事ないから!


『エルムとミルムは、ちゃんとライムの指示に従う事!』


ピキ E 『えーー!嫌なのぉ』

ピキ M 『嫌!マスターのために頑張るの』


こいつら!言う事聞けよ!

もう…


ピキ R 『マスター、エルム達任せるの。

二匹はマスターのエネルギー、沢山溜め込んで少しあぶないの。

ライムに任せて欲しいの』


『わかったライムに任せる』


ライム達はスライム言語?で話し合ってる

その間も船は進み、大会計量会場まで20kmのところまで来ていた。


ボクは、船内の食堂に皆を集めて説明をする


「みんな、今から会場に乗り込みます。

妨害する船が、沢山いるみたいだから、今からミレの魔法を使って船を偽装します。

冒険者の皆さんは、2階3階のデッキに上がらないで下さい!」


アスカ達も、子供達も頷く


ポルムが、子供達に安心するように話しかける


「みな心配しなくて大丈夫なのじゃ!ミレに任せておけばいいのじゃ!

ポルもデッキで手伝うから、みな大人しく中にいるのじゃぞ!」


「「「わかったぁー」」」


アスカがミレイに話しかける

「ミレ様、私達はデッキで待機しています。

いつでもご指示ください」


「はい!ありがとうございます」


ミレイは3階の操縦席まで上がり、ライム達にお願いする。


『ライム作戦通りやるよぉ』


ピキ R『わかったのマスター両手を水平に広げて欲しいの。

ライムが擬態して、パルムが攻撃してくれるの。

守りはエルムがするから大丈夫なの。

船ほミルムが進めるから、マスター何もしなくていいの』


『わかった任せるからみんなよろしくね』


ピキ P,E,M『『『やるのぉ』』』


ボクは手を水平に伸ばすと大きな魔法陣が出現する。


ライムが船を覆うように擬態をする


え?これってタイガーフィッシュだよね…

潜水艇じゃないけど、まぁいいか…

でもこれなら誤魔化せるね、凄いよライム


ミレイは、船内に伝える

「みんな今から会場に向かいます。

激しく動くかもなので、動き回らないようにお願いします。」


ピキ M 『マスター行くのぉー』


シユーーン


ドップン

ゴボボボボボボボボボボボ……


「うわー水の中だぁー」


アスカ達も、デッキの上に覆われた分厚い膜の中から、水の中を進む様子を見て驚く


「凄い!なんだこれどうなってる?さっきと進み方が違うぞ!全く揺れない!」


「ミレ様凄すぎます。」


巨大なタイガーフィッシュに擬態した、クルーザーが水中を進む


ライムからの指示がパルムにとぶ


ピキ R『パルム爆水流弾を水面に向けて連続で放つの!』


ピキ P『流水爆弾!連射』


シュワーン

シュワーン

シュワーン

シュワーン


パルムの放つた水流弾が湖面で、いくつもの巨大な渦巻きが発生して、ミレイ達を待ち構えていた小型の妨害船は、パニックになり、次々巨大な渦に巻き込まれていく


「な・なんだこれは!全速力で渦の外に逃げろ!」


「うわーなんだー」

「クサビロープを外せ!にげれねぇー」


湖面の妨害船は、指揮が乱れパニックになっている


ピキ R『マスターしっかり捕まってるの!湖の上に飛びあがるの」


ボクは船内に叫ぶ


「みんな!今から湖面に飛びあがります!すぐに何かにしっかり捕まってて!」


ピキ R『エルム湖面までの通路作って!飛び上がるの』


ピキ E 『任せるの』


ピキ R『ミルム全力で飛び上がってなの』


ピキ M『わかったの』


ピキ R『水面から飛びあがつたら、マスターを攻撃する悪い人間に水槍撃ち込むの』


ピキ P『マスターを攻撃する人間許さない!殺っちゃうの!』


ライムの指示が終わると、水中のクルーザーの速度が上がる


グーーーン

シュワーーーン


「キャー」

「うわー」

「スピードがめちゃくちゃ上がった!」


スバーーーーン


「うわーー空を飛んでいるー」

「凄い凄い!」


パルムの魔法の水槍が水面に連射される


ピキ P『悪い人間なんてしんじゃぇなのぉーー』


ズバババババババババババ……



冒険者達が放たれた魔法に驚く


「うわー凄い数のウォータースピアーだ」

「あんなに連射できるの?凄い…」


ミレイが叫ぶ


「ちょっと衝撃あるから、何かに捕まってーー!」


ドッパーーーーーン


壊滅できたのかな?


ピキ R『マスター悪い人間達全部 壊滅したの、後はボスだけなのやってやるのぉ!』


しかしスライム達の連携が凄い!

こんなに凄かったの?

確か20隻近くいたのに、凄いよこの子達…


『ライム達ありがとう、今から湖面に出て、計量会場に行くから、浮上する前に霧を発生させてくれる』


ピキ E『わかったの』


エルムが、濃い霧を発生させてくれて、浮上して擬態をといて、ボク達は会場に向かった。


『ライム、パルムから入港するから警戒お願いね、ボクが指示するまで攻撃しないで』


ピキ R,P『『わかったの』』


「アスカさん、後少しで会場に到着します。護衛よろしくお願いします」


アスカは、冒険者仲間に気合いを入れる


「妖精様を守るためにみんな気を抜くな!相手はあの屑だ!」


「「「「はい!!!!」」」」


会場にミレイ達が到着したことに、町長は驚いている

『何故じゃ!なんで来れたのだ!』


大会会場の司会者がミレイ達の到着を告げる


「皆様只今注目されていたチームミレスラの船が入港しました。

今チームリーダーの、ミレさんとポルさんが、降りて来ましたので、お話を聞いてみます。」


ミレイ達は、冒険者にガードされながら船から降りてくる


うわー凄い人が集まってる…

ポルムもミレイの手を握り仲良しぶりをアピールしながらインタビューに答え、計量ステージに向かう


船から次々と、釣り上げたルビーフィッシュが、計量台に載せられて行く


ドンドンドンドン

ドンドンドンドン

ドンドンドンドン

ドンドンドンドン


その様子を見てた会場が静まりかえる


町長も、先程の暫定ランキングを見て、1位~3位までを聞き確信していたのだが、ミレイ達の運ばれるルビーフィッシュの数に驚き唖然とする


「なんじゃあれは…………」


大会司会者が叫ぶ


「なんとチームミレスラとんでもない量の釣果です!

この数これは確定ではないでしょうか!

素晴らしい釣果です。」


町長がミレイ達を睨み付ける

『絶対あやつらは失格にしてやる!この大会の賞金は儂のもんじゃ!あやつらには渡さん!』


町長は横に控えていた、部下に命令する

「予定通りに指示をしろ!」


部下は頷き下がっていく


計量検査者が、ミレイにルビーフィッシュを確認して貰い計量を始める


「チームミレスラリーダーミレ様、それでは魚の状態は問題ないようなので、計量を始めます。」


計量班は20人全員で、5台の計量器を使い、ミレイの釣り上げた160匹のルビーフィッシュを、計量して行く


ミレイ達もその様子を見守る

そして1時間後計量結果が、係員が大会本部に報告をする。



そして計量締め切りの鐘が鳴り響く


カラン♪カラン♪


暫くして大会司会者が、用意された特設ステージに上がり、大会優勝が発表される


「それでは皆様お待たせしました!結果が出たようです!」


大会参加者や町民、買い付けに来た商人達が司会者を見つめる


打楽器が発表を盛り上げる


ダダダダダダ…


ダン!


「優勝チームは!え?ギドラ… あっ失礼しました。ギドラ! ルビーフィッシュ16匹重量 9100kgです… 」


『え?何これ…… 』


その瞬間会場はざわつきが起こる


司会者が驚くのを見て、ヒドラやマドラのメンバーのヤジが飛ぶ


「何を驚く!失礼だぞ!司会者!」

「何してるんだ!ちゃんとしろ!司会者!」

「そうだ!早く次も発表しろや!」



「失礼しました。続いて2位チームヒドラ… ルビーフィッシュ12匹重量5800kg

3位チームマドラ…ルビーフィッシュ11匹重量5400kg以上が上位3チームです!おめでとうございます。」


ミレイも口にだして騒ぐ


「え?何で?計量も確認してOKって言ったじゃない!」


ポルムも騒ぐ

「何でじゃ!おかしいのじゃ!」


上位チームを表彰するために、ステージに上がった町長ゲロルタナーが、にやけている


ステージでにやけるゲルロタナーを、冒険者達が睨み付ける


アスカは呟く

『何でこんなことになった!すぐ調べないとまずいことになる…』


ミレイは町長を睨みポルムに話しかける


「ポルムお姉さま、帰ろ…もういいよ…」


「ミレ…それでいいのか」


ミレイは力なく答える


「もういい!釣り上げた魚ミルムに回収して貰って、孤児院に帰ろ…」


ほんとあいつ屑だ!

はぁ…

勝てたと思ってたのに…

魚回収して売れば、孤児院の運営楽になるかなあ…


ミレイ達は、計量所で魚を引き取ろうとすると計量責任者に断られる


「ミレ様、申し訳ございませんが、魚の引き取りは出来ません!」


え?何で?


「どうしてですか!」


責任者はミレイに説明をする


「ミレ様のルビーフィッシュは、検査の結果腐敗と虫が確認されました。

原因は、保存状態が悪かったものではないかと、推測されます。」


それを聞きポルムが騒ぐ


「何を言ってるのじゃ!あたいらの保存庫は「もういいよ!お姉さま…」な…」


たぶん屑が手を回したんだ…

こんな人を放置してるこの国はダメだ…

孤児院の子供たちだけでも、助けてから、違う所に行こ…





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