第96話サリアス女王再び

何で女王陛下が来るの?

町長のゲロルタナーも驚いている。

剣王のシャルテがサリアス陛下の護衛につき、剣聖のホタルが瞬時にステージに移動する


「ミレイ様、遅くなり申し訳ございません……?え?あ!失礼しました。

余りにも魔力雰囲気が似ていたものですから…」


え?わからない?

あっそっか、髪型と色か…


ピキ R 『マスターの苦手な人の魔力が近づいたから、騒がしくなった時に変えたの。

髪は赤髪ポニーテール、マスターのイメージにあった眼鏡をエルムに送ったの。

身長もミルムがロングブーツで少し高くしてるの。』


ピキ E『マスターの眼鏡はライムに教えて貰ったの』


ピキ M 『あの人間ミルムも苦手なの。身長も高くしたからばれないの』


『ライム達のおかげで助かった…

ありがとう。

でもこんなので誤魔化せるのかなぁ?』


ピキ P 『ポルムには伝えた。容姿少し変えるって言ってたの』


そうだホタルさんにお礼言っておかないと…


「助けてくれてありがとうございました。

何か、大会の事で文句言ったら捕縛するって言われて、ビックリしました。

一緒にチーム組んでた、冒険者さんが来てるので失礼します。」


ボクは、すぐ近くにいたマリさんとメリさんに協力して貰う事にした。

二人はボクの容姿が少し変わってるのを驚いてたが、何かを感じてくれたのか、話しかけても素直に頷いてくれた。


『メリさんマリさん、ボクに黙って協力してください。

アスカさん達にもお願いしていいですか?』


二人は無言で頷く


「お姉ちゃんミミ怖かったぁ」


ガバッ


ボクは二人に抱きついた。

二人は一瞬驚くもすぐに合わせてくれる


「ああ心配したわよ!ちょっと文句言っただけなのにね、ミミ大丈夫だからね。」


「じゃマリは、仲間の子達にも安心するように言ってくるね。」


マリがアスカ達に知らせるために離れる


ホタルさんは、ずっとボクを見つめてる。

絶対誤魔化すんだ!孤児院にもどれば転移できるんだから…



ゲルロタナーは、突然現れた女王陛下の元に急ぎ駆けて行き、臣下の礼をする。


「サリアス陛下、ベルビューラ町長のゲルロタナーにございます。急なお越しどうされたのでしょうか?」


「お主、妾がルビーフィッシュが、大好きなの知っておるじゃろ!

たまたま近くの町に来ておったから来たのじゃ!」


何かを掴んで来たわけではないことに安堵する。

『脅かしやがって、さっさと王都に帰れよ!』


サリアス陛下は、ゲルロタナーを睨み付けて、質問をする


「ゲルロタナーよ!今日はルビーフィッシュの大会最終日じゃろ!

何故クライミント領主ブルーストが出席してない!答えよ!」


ゲルロタナーは汗をぬぐいながら答える


「病に臥せってると、知らせを受けています。」


陛下はさらに問いただす


「ほぉー妾の元に、長期に休養する知らせは来てないがのぉ…」


ゲルロタナーが答える


「そ・それは大会が始まる数日前に、連絡がありました。」


「ほぉー確か昨年も同じ病か?領主ブルーストは毎年この時期に病にかかるのか?」


「いぇ…それはたまたまかと…」


陛下は、計量所に向かって行くのを見てゲルロタナーは、慌てて止める


「陛下どちらに向かわれるのでしょうか?」


「決まっておる!ルビーフィッシュを見るためじゃ!今年はどんな大物が釣れたのか見て見たいのじゃ」


「陛下お辞めください!今年は魚の腐敗臭と虫がたくさん見つかっています。

万が一陛下に何かあったら大変です。」


「心配いらん!邪魔をするな!」


ゲルロタナーは後ろから陛下を追いかけ、睨み付ける


『くそ!なんだってこんな時に来やがる!計画が狂うではないか!』


そこにホタルが合流する


「ホタルよ、どうしたのじゃ突然ステージに向かうとは、何かあったのか?」


ホタルは、説明する。

「実は、ステージで陛下を助けた妖精様に似た雰囲気を感じたので、急ぎ向かいました。」


「なんじゃとー!それでどうじゃった!」


「はっ!確かに似てはいましたがどうやら人違いでした。

赤髪のポニーテールで、眼鏡をかけていました。

それに背が大きく似てたのは魔力だけでした…」


「そうか、それは残念じゃった。妖精様なら連れて帰るのじゃが…

それより、今年のこの大会何か揉めておるようじゃのぉ」


剣王は、サリアスの耳元ですぐに入って来た情報を伝える


『陛下今年は、明らかな不正があったようです。

先ほどホタルが、警備兵の捕縛から助けた少女が、圧倒的大差で優勝のはずだったようです。

それを、どうやらゲルロタナーが失格にしたようです。』


サリアス陛下は、歩きながら考える。


ホタルが声をかける


「陛下、ここが計量の終わった保管場所のようです。」


そこにはチームごとに計量の終わった魚が保管されていた。


サリアスは、保管所に集められたルビーフィッシュの一点を見て驚く


『確かに綺麗に分けられてるな…

な・なんじゃ!

一つだけ全然次元の違う量のルビーフィッシが集められておる…』


サリアス陛下は、部下の名前を呼び合図を送る


「ホウセン!つけよ!」


『ホウセンこれはどういう事か?妾のこれからの動きを指示しなさい!』


ホウセンは魔道具で話しかける


『町長のゲルロタナーが、賞金と釣り上げた魚を独占するための行動です。』


『どういう事?説明しなさい!』


『はい!ゲルロタナーは、自分の手下達にこの大会に参加させてます。

ゲルロタナーは権力を利用して、毎年手下達を優勝させて、賞金を独占しています。』


なんじゃそれは!こんな事をあやつはずっと続けていたのか…


『それで…あの揉めてた少女がどうやら関係してると言う事か…』



『はい!今年は、先ほどホタル様が助けた、少女のチームが、圧倒的大差で戻ってきたのですが…

ゲルロタナーが計量結果失格にし、釣り上げた魚も没収したようです。』


なんと強引な手段に出たものよのぉ…


『ふむ、そういう事か、それであの少女は文句を言ったために捕縛か…

なるほど、それで妾はどうするのが一番いいのじゃ?』


『はい!まずは、あの失格になったチームの魚を陛下が没収してください。』


『わかった』


陛下は計量所を見て町長に質問をする


「ゲルロタナーよ!あの塊が今回の1位か、凄いのぉー」


ゲルロタナーは一瞬どきりとするも答える


「陛下、それは失格になったチームの魚です。沢山の腐敗と虫が見つかりましたので失格にしました。

ご安心ください。

こちらで廃棄する予定です。」


なるほど、ホウセンのやろうとしてる事がわかったわい


「そうか、ではその大量の魚の廃棄は妾がやってやろう。

あの量だ腐敗臭も凄いだろう。

妾の優秀な、魔導師に廃棄させるから安心するといい」


それを聞いて町長は慌てだす!


「陛下!お待ちください!既に私の方で手配していますので、ご心配には及びません」


「よい!妾が引き取る!何か問題でもあるのか!あるならもうして見よ!」


ゲルロタナーは力なく答える


「言え何も…」


陛下は、失格とされたルビーフィッシュの前に立ち部下の名前を呼ぶ


「メラニン!この保管されてる魚の塊と、この辺の塊いくつかを鑑定せよ!」


町長はそれを聞き慌てる


「陛下わざわざ、そのような事して頂かなくても、あそこの廃棄場所に入れるだけですから…」


「ゲルロタナー!やましいことがないなら妾と一緒に確認せよ!これは命令じゃ!」


そして、メラニンが陛下に一礼して、指定された場所の魚を鑑定していく。


そして鑑定結果は…


「陛下報告いたします。

1位の保存魚から2匹、2位の保存魚から3匹3位の保存魚から2匹の腐敗と虫が見つかりました。

失格チームの保存魚からは!何も見つかりませんでした。」


サリアス陛下は、ゲルロタナーを睨み付け叱責する


「ゲルロタナー!これはどういう事じゃ!説明せい!」


ゲルロタナーの額から、大量の汗が吹き出てくる


「そ・それはその… 計量査定官のミスではないかと… はい」


「ほぉ!なら計量検査・検疫調査した者全員を連れて参れ!」


ゲルロタナーは、計量官らを連れにその場を離れる。

暫くして、計量所担当の20人の検査、調査官が集ってくる


サリアス陛下は計量官らに命令する


「ヘルメルト国女王サリアスの名において命ず!

ここにある全ての計量検疫において、不正について問いただす!

正直に話せば、減刑して犯罪奴隷とする。

答えず後で発覚した場合は、斬首刑とする!

さぁ答えよ!」


一人が前に出て話そうとした瞬間、男に向かって矢が放たれる。


それを剣聖のホタルが切り落とす。

矢が放たれた方向に剣王シャルテが駆ける。

陛下の回りは精鋭の姫騎士が囲む


サリアスがゲルロタナーを睨み命令する


「ゲルロタナー及びその手下どもを全員捕らえよ!歯向かうものは、切り捨てて構わん!行け!」


「「「「は!!!!!!」」」」


ゲルロタナーは、手下達に命令する!


「お前達今がチャンスだ!陛下の護衛は5人だ!報酬は、10倍支払う全員殺せ!」


ゲルロタナーは、いつの間にかステージに移動して手下に囲まれている。


サリアス陛下は会場にいる町民に叫ぶ


「一般町民は、すぐに会場から離れよ!冒険者は、町民の誘導と、捕縛の協力要請をする!」


会場は、大混乱する


☆……☆……☆


ミレイは、あまりの変化に驚く

えーー!


町長が反乱?

あいつら船で攻撃してきた奴だ、陛下大丈夫なのかなぁ?

でも女王陛下ちょっと見直したかも…


ボクは会場の端に移動して、アスカさん達にお願いする



「皆さん!ボクは女王陛下は苦手なんで、容姿少し変えました。

名前もミミです。協力お願いします。

それで、アスカさんサリアス陛下の援護に行ってください。」


集まった冒険者は頷き、ミレイの護衛に残る者、町長の捕縛に向かう者にわかれた。


サリアス陛下かぁ…

どうしょう…





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る