第90話ルビーフィッシュ釣り大会②湖上での戦闘

予想通り5隻が近づいて来る。

どうしょう…


ピキ R 『少し様子みたいの、ライム達も魔力流すといろいろ作動するの試すの』


なるほどテストしたいって事かな?


ピキ P 『攻撃するならパルムが魔力流すとババンて破壊できるの、でも我慢するの』


おお!パルムが我慢するって凄いよぉ


ピキ E 『守りはエルムが魔力流すとあの臭い人間の攻撃失くせるの、でも冒険者の様子少しみるの』


ピキ M 『船を早く走らせるなら、マスターとミルムの魔力使うと凄いの、でも様子みるの』


みんなどうしたの、ミレイ凄く嬉しい!

この子達が我慢とか様子みるとか、ほんとビックリだよ


冒険者さん達も張り切ってるし、任せてもいいかも…


クルーザーのデッキには、アスカさん始め高ランク冒険者が整列している。


アスカさんが冒険者達に指示をする


「みんなよく聞いて!私達の守る妖精様を傷つけようとする屑どもは全力で排除!

よく見極めて自分達の特徴を生かし対処!」


「はい!妖精様は絶対守って見せる!」

「可愛い妖精様には傷なんてつけさせないわ!」


みんな何言ってるの!ボクは妖精じゃないのに…

まあポルム達は妖精族だけど…


みんなの実力を見てみるかな


「ミレ様!完全に囲まれました。少し速度落として下さい。我々が何とかします!」


「わかりました。皆さんを信じてお任せします!」


船の速度が落ちると囲んでいた船が行動に出る


「敵船より矢が放たれました。」


「各個連携撃破!」

「「「「はい!」」」」


アスカさんの指示のもと、みんなが動きだす。


「防御障壁張ります!」

「敵2射前に反撃する!」

「了解!」

「敵船は帆船だ帆を狙え!」

「了解!」


うわー凄い!

まるで一つのパーティーのように連携している


そして、あっという間に敵船の攻撃を退け、敵船の帆に火がつき、速度が落ちる。


ボクはみんなの実力を、確認することができた。

ボクはみんなにお礼を言って、スピードをあげることを告げる


「皆さんお疲れ様でした。これより速度を上げます。しっかり捕まってて下さい!

ポルムお姉さま、ポイントに着いたら、速度落とすので準備お願いします」


「「「了解!」」」


「わかったのじゃ!」


アスカ達は速度を上げると聞いても、たいした事ないと、思って何にもつかまらず立つていた。


「行くよぉー!魔力注入30%!」


ブロロロロ…

グゥーーン…

バシャンバシャン…


『おお気持ちいいな』

「メリお姉ちゃん気持ちいいね」

「ほんと気持ちいいねマリ」

他の冒険者達も楽しそうに話してる


ポルムはしっかり身体を椅子に固定している


「ポル様、そんな大げさにしなくても大丈夫ですよ♪気持ちいいですから」


「何を言っておるのじゃ!早く何かにつかまれ!危ないのじゃ!」


ミレの声が船内に響く


「魔力注入40%!速度30… 40… 60km!」


ブロロロロロロロ……

グゥーーーーーン……

バシャバシャバシャ……


アスカはまだまだ速度が上がる事で危険を感じ冒険者全員に叫ぶ


「皆すぐに何かにつかまれ!絶対離すな!これはヤバいぞ!」


冒険者はそれぞれ、身体を縛る者キャビン内に飛び込む者、皆すぐに行動にとる。

そしてすぐにミレイの声が響く!


「敵船見えます!帆を張り替えて追いかけてこようとしています。

振り切ります!

みんなしっかり掴んでてね。

魔力注入70%!速度60… 80… 100km」


ブフォーーーーーーーーーー!

グーーーーーーーーーーーーン

バンーーーーバンーーーーバン


『ヒッ!これはヤバい!』


「キャビンに近い者はすぐに中に飛び込め!まだまだ速度が上がるぞー!」


「「「キャーー!」」」


船内はパニックになってるにもかかわらず、ミレイは呑気に考える


「よしだいぶ離したし、目標ポイントまでこの速度でも5時間かかるのか…

うーんだるい!

じゃ最高速度テストしてみよ♪」


ミレイは気にせず船内に伝える


「今から最高速度テストします!みんなよろしくね。」


『何だまだ速度を上げるつもりか!

妖精様は平気なのか!

見た限りでは、何も縛ってないようだが…』



アスカはそれを聞き、必死にデッキに備えつけてる椅子までたどり着き、

ベルトを装着する


それを見ていた。マリとメリ達も凄い風圧の中必死に移動し、椅子に座りベルトを装着する


船内の子供達は、窓から外の景色を眺めてたが、あまりの振動と揺れに、酔ったみたいでぐったりしている。


「魔力注入100%速度上がって行きます!120… 130… 180…… 200………

290km!」


ヒュオーーーーーーーーーーーーーン

ぐぐーーーーーーーーーーーーーー

バン・・・・・・・・・・バン・・・・・バン


ほとんどの子供は酔って起き上がってこないが、そんな中でも外の景色を見てる者もいる。


「だ・誰か妖精様を止めてくれ…」

「誰か止めてぇーー!」

「ダメ…ガクッ」

「お姉ちゃん… 止めて… 」

「吐きそう……」


ポルムがミレイに念話で叱りつける


『ミレーーイ!すぐに速度落とすのじゃーー!

このおばかぁーーー!』


え?…あ!

ミレイにポルムの念話が届き徐々に速度を落とす


ブフォーーーーーー!

グーーーーーーーーン

バンーーバンーーバン

ブロロロロロロロ……

グゥーーーーーン……

バシャバシャバシャ…

『やっと速度が落ちた…死ぬかと思った』

『よかったぁー怖かったよぉー』

ブロロロロ…

グゥーーン…

バシャンバシャン…


そしてクルーザーは歩く速度まで落ちる


ポルムが近づいてミレイを叱る

「ミレイのアホ!みんなを見てみるのじゃ!」


え?

あの凄い冒険者が全員ぐったりしてる


「…みんなごめんなさいなの…ぅぅ」


アスカもマリもメリも笑っている


「ミレ様は、私達がいるの忘れて楽しんでたなんて、妖精様は何ともないと言うことか…我ら人族と感覚がちがうのか…」


ポルムがミレイの暴走を止めた事で、皆に感謝されている。


「ポルちゃんミレちゃんを止めてくれてありがとう」


「「「ありがとう」」」


「ほんとうに助かりました。ポル様!

やっぱり妖精様は同じ種族の者でないと止められないんだ。

感謝します。」


えー!ポルムがみんなに感謝されるなんて…


ボクレベル上がってから少しおかしくなったのかなぁ…

気をつけなきゃ


『ライムみんなが落ちつくまで、船を発見されにくくしてくれる』


ピキ R 『わかったやるの、でも湖で隠すなら、湖に住む魔物を倒して、水影のスキル吸収するのがいいの』


なるほどね


『わかった任せる』


ボクはみんなに、ここで暫く留まることを伝え、ポルムに仕掛けの確認とトローリングの釣りのやり方を教えた。


『ミレイよ!よくわかったのじゃ!これでバンバン釣り上げるのじゃー!』


大丈夫かなぁ…

不安だ…

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