第89話ルビーフィッシュ釣り大会①

ルビーフィッシュ釣り大会本会場では、町長のゲロルタナーが、大会の宣言をしてルビーフィッシュ釣り大会が始まった。


参加者は一斉に船に乗り込み、それぞれのポイントに向けて、船を漕ぎ出す。


町長のゲロルタナーが一部の参加者と親しげに話している。



ピキ R 『マスターあそこにいる人間ダメ!黒いの注意するの!』


え?あれ町長だけど…

ボクが見てるのが気づいたのか、男達が近寄って来る


「これは孤児院のレフレアではないですか、私のところに来る前に、最後の子供達とのふれあいですかなフハハハ」


子供達は町長を睨み付ける

レフレアさんは町長に宣言する


「私は借金をお返しして、子供達とあの場所で孤児院を続けます!」


「そうだ!先生はお前のところに行かない!」

「そうだ!この大会に優勝してお金返すんだ!」


すると、町長と話してた男達が、レフレアさんの腕を、つかもうと手を伸ばしてくる


ボクはその前に立ちレフレアさんに触るのを阻止したら、男達がボクを殴ろうとしてくる


「邪魔するな!クソガキ!おらぁー!」


ボクはスライムにお願いして殴らせることにするから、絶対手出し無用だと言った。


そしたら、捕まれる寸前に凄いスピードでボクの前に一人の女性が立ち、殴りかかって来た男の腕を掴み投げ飛ばす!


ドスン


「いってえー!何しゃがる!」


うわーエルフのお姉さんだ!凄く綺麗な人カッコいいなぁ…


「フン!ゴミが汚い手でこの子に触れようとするからだ!」


すると男達はボク達を囲むように動きだす。


ザザザザザ…


レフレアさんも子供達も怯えて、ボクとポルムにくっついて来る。


「怖いよぉお姉ちゃん」

「ミレさん…」


みんな震えてる。

ボクは安心するようにレフレアさんと子供達の手を握ってあげる。


「みんな大丈夫だから…」


町長が男達の前に出て来て屑な発言をする


「この者達は私の部下達です。

その者達に手を出す!これは私への反抗と見なします。

それなりの覚悟してもらいますよ」


はぁ?何言ってるの?

すると男達の間を縫うように、凄い勢いで女の人達が来て、僕たちを隠す。


うわー何このお姉ちゃん達…


ピキ R 『マスターこの女性達はみんなマスターを慕ってる。

凄く優しい匂いなの大丈夫なの』


『わかったありがとう』


さっき守ってくれた女性が話してくる

「ミレ様私はアスカと言います。冒険者ギルドより皆様の護衛で来ました。ご安心下さい」


おお!護衛だぁ…

あれ?でもボク護衛依頼なんてしてないし、そんなお金ないよ?


「あの…お姉さんボク護衛依頼してないし、そんなお金ないの…

ここは自分で何とかするので、相手町長だし、迷惑かけちゃうから…

いいです」


ポルムも偉そうに応える

「あんな屑あたいとミレイ〈ドス! 〉ぐぅ…

何を…あ!すまぬ…

あやつらはミレとポルで何とかするのじゃ!」


すると銀髪の獣人2人がボク達を抱き締める


ギユー

ギユー


「大丈夫だから何も心配しないで!

ミレ様を守るのにお金なんていらない!

メリが命にかえても守る!」


「ポル様私はマリ!メリと二人で、お二人をお守りするためにここに来ました。

お金なんて不要です。

それに依頼人は、冒険者ギルドですよフフフ」


ボク達が、話し合ってると町長と男達が騒ぎ出す


「私はこの町の責任者ですよ!

その私の話を無視して、話し込むなど許せません!

あなた達の大会参加は認めません!」


えーー!そんなぁー!


ボクが落ち込んでると、メリさんが小声で話してくれる


『ミレ様心配いらないわ、相手が準男爵程度なら、私達でも対処できますから、見てて下さい』


え?どういう事?


ボク達の前で守るように立つていた、アスカさんが、町長に発言を取り消すように叫ぶ


「ゲロルタナー準男爵!発言を取り消しなさい!私はアストラスト大陸冒険者ギルドナンバー3冒険者アスカ!クラスはSだ!これがその証だ!」


アスカの手には眩しく光るプラチナのカードがあった。

この人そんなに凄い人だったんだ。やっぱりエルフって凄いんだ…

でもあんな事言って大丈夫なの?


メリさんがそっと教えてくれる

『フフフ心配しなくて大丈夫よ!

地方冒険者ギルドでなく、大陸冒険者ギルド所属の冒険者の扱いは、

Cランクで男爵、Bランクで子爵、Aランクで伯爵、Sランクで侯爵の扱いになるのよ』


えーー!そうなんだ知らなかった。


『フフフちなみに私とマリもはい!』


えーー!


「ゴールドカード!ランクA凄い…」


だからメリさんでも対処できると…


メリさんの話では、地方冒険者(国家冒険者)と大陸冒険者では、審査基準も扱いも全く違うらしい


大陸冒険者に、人族の男性冒険者はいないらしい、ほとんどが審査で落とされるとの事、実力があっても行動や態度がダメらしい。


大陸冒険者はプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズの4種類しかないらしく、国家冒険者は、アイアンのカードのみらしい。


ちなみにその国の貴族と同じ爵位でも、大陸冒険者の方が発言力が上らしい。


『妖精様、一応お伝えしておきますね。

ナンバーズの皆様はみな妖精様をお慕いしていますので、ご安心下さい。

特にクラスSSのナンバー1の竜人族グランアリス様は熱烈ですから、楽しみになさって下さい』


えーー!何それ!めちゃめちゃ強いナンバーズがみんな僕たちを慕ってる?

えー!何でぇー?


ピキ R 『マスター!あの男から黒いオーラ出てるの!油断したらダメなの!』


『わかったありがとうライム』


『ミレイよ!あの男凄い顔しておるぞ!

大会中何かしてくるのは間違いない!

あの船はミレイの魔力を大量に使うから、もしもの時のためにこの冒険者に乗って貰った方がいいのじゃ』


『わかった!お願いしてみる』


町長が苦し紛れの発言をする


「今回の件は不問にする、貴様らの参加も承認する」


はぁ?何言ってるのこいつ!

そもそも殴ろうとしてきたのそっちじゃん!


ボクはメリさんにガードされながら前に出てアスカさんの横に並び、町長に発言する


「さっきみたいに何かされるの嫌なので、この冒険者の人達を船に乗って貰って守って貰います!

人員の制限ないからいいですよね!」


「フン!船もないのに偉そうに!

ああ!構わん!

どうせあったとしても小舟だろ!

そんなに乗ったら沈むだろフハハハ」


「言質取りました!」

「ああ!我々も確かに聞いたぞ!」


あいつらは先に乗り込んだみたい…

全部で5隻か、町長絶対勝つつもりだね、主宰者でしょ?何考えてるの?


「ミレ様あいつらは、賞金目当てです!」

「え?主宰者なのに?そんな事いいの?」


アスカさんは町長を睨み付け話す


「あの屑は表と裏の顔があります。

その資金のために賞金を狙ってます。」


ふーんそうなんだ…


ボクは町長にも聞こえるようにみんなに話す


「皆さんボクはこの大会を悪用する奴には勝たせません!

絶対勝ちに行きます!

だからお手伝いしてください!

よろしくお願いします」


町長は先に乗り込んだ5隻をニヤニヤしながら見送り、ボク達を笑いながらみつめる


「フフフどんな小舟があるのかな?

楽しみじゃわい」


ふん!驚かせてやる!


ボクは湖の桟橋に立つと両手を湖に伸ばす。


『ミルムお願いクルーザーを出して!』


ピキ M 『わかったのマスター最後の詠唱合わせてなの』


『わかった』


ピキ M 『κρδξξδ…クルーザrelease』

「クルーザrelease!」


湖の上に魔法陣が浮かび上がり巨大なクルーザーが現れる


ザプーーン


皆その光景に驚きフリーズする


暫くして町長が叫ぶ

「な・何だこれは!」


アスカさん達もぶつぶつ言っている

『凄い…空間魔法 しかもこれほど大きな物を収納するなんて…

やはり妖精様だ!』


『凄い…何あれ』


あれ?前より大きくなってるような…


ピキ R 『これが完成なの前はまだ未完成だったの』


えーー!


ピキ M 『これが完成したミレー号なのぉー』


全長18m全幅6m3段キャビン

キッチン、食堂、トイレ、お風呂、シャワールーム完備

魚保存用巨大冷凍庫完備

2フロアーに計30のベッドが並ぶ寝室完備

2つの船外魔力エンジンを搭載


長さ変わってないけど、キャビンの部分と中が変わったんだ…

これはもうホテルだよ…


ピキ R 『この船大きいからマスターとライム達が魔力使わないとダメなの』


『わかった、つまり釣りはポルムにお願いするって事ね』


『ミレイよ任せるのじゃ!』


町長はなんかわめいてるし


「そんな大きな船動くか!例え動いても遅くて使い物にならんわ!」


ふん!見たらビックリするよ

ボクはまだぽけーとするレフレアさんや子供達に船に乗るように言う


「レフレアさん!子供達もさあ乗ってください!たぶん中見たらビックリするよ!」


その言葉に護衛に来てくれた、冒険者の人達も反応する


「ミレ様乗ってよろしいですか?」


ボクは桟橋から船に乗り込みやすいようにはしごを渡すと、みんな次々登って来る。


ボクは一通りみんなに中を案内する

ここがキッチンと食堂で………

ここがお風呂で………

ここと上のフロアーの同じところにベッドルームがあります。


アスカ達は思った。

やっぱりこの子達は人間じゃない、常識が無さすぎると…


『これは高級宿より立派だぞ!何だこのベッドのふかふか感…それに風呂だと…信じられない…』


「皆さん自由にくつろいで下さい!

ボクは運転席に行って船を動かします。

子供達は動きだしたら絶対デッキに出ないで下さい!

冒険者の皆さんもくれぐれも注意してください!

かなりのスピードで移動しますので!」


みんなが頷き船の中に入って行く。

ボクは運転席にポルムは釣り竿をセットしてる1階キャビンにて仕掛けを作り始める。


ボクが運転席に着くと、ボクの護衛について来たアスカさんとメリさんが補助席に座る。


「じゃ出発します!」

ボクは艦内に伝える


ピィーオー


「今から出発します!慣れるまでどこかに捕まってて下さい!」


ハンドルレバーに魔力を流していく!

魔道エンジンに魔力が注がれスクリューが回転していく…


ブロロロロ…

ゆっくりクルーザーは桟橋を離れて行く


慣れるまでクルーザーをゆっくり走らせる


ブロロロロ…

ザッザザー

ブロロロロ…


今の速度はて漕ぎ帆船の速度より少し遅いくらいだ


すると予想してた通り5隻の帆船が近づいて来る


アスカさんとメリさんが仲間達に伝える


「敵船5隻接近中!戦闘班デッキに上がり戦闘準備!」


5隻の速度が上がりミレー号を囲み始める



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