第88話双子姉妹の護衛依頼

ミレイ達が会場に向かってる頃、冒険者ギルドでは準備がされていた。


フリージアは今一度確かめる

「アルメアよ!ほんとにこの金額で依頼を貼り出すのか?」


アルメアは自信を持って答える


「勿論です!あまり高額にすると、醜い男達があの姉妹に群がります!

それを想像しただけで、むしずが走ります!

この金額でも、わかる冒険者は取り合いになりますよ!」


フリージアは、それはないだろうと思ってた。

その考えが甘かった事に、ギルド受付開始で思い知る


冒険者ギルド業務時間は、朝7:00~夜9:00まで、業務開始前と業務終了後30分全体ミーティングが行われる。


その全体ミーティングも早番・遅番組・休暇者以外でも揃う事は少ない。

それが今日はどうだ!

早番・遅番組関係なく全員が揃ってる!

こんな事初めてだった。


フリージアは困惑しながらミーティングを終え、いつものように冒険者の安全を祈りながら業務開始の扉を開けると、驚きの光景を目にする。


何だ!この数の冒険者は!まさか並んでたのか…

あり得ない…


そして次々フリージアに挨拶をしながら中に入って行く女性冒険者達


「おはようギルマス!待ちわびたぞ!」

「おはようございます。フリージア様」

「おはようギルマス」

「おはようございます」


「ああ…おはよう」

え?何が起こってるの?


朝から待っていた冒険者は全て女性ランクは低ランク~高ランクまでバラバラ。初めて見る冒険者もいる。


彼女達はそれぞれ受付カウンターに行き手続きをしている。

一人だけ掲示板に行き一枚の依頼書を見つけ喜びながら戻って来て、全員に見せる


「みんな!妖精の護衛依頼あったわよ!」


受付を済ませた冒険者達はみな喜びを爆発させる


「「やったぁー!妖精様に会えるぞぉー!」」

「「信じて待ってて良かったぁー!」」

「「妖精様!全身全霊でお守りします!」」


この子達何を言ってるの?依頼は一つしかないのよ?


そして依頼書を持ってカウンターに行く冒険者


ツカツカ


バン!


「この依頼を受ける!私が納得すれば、この依頼をここにいる全員で受けても、問題ないか?」


高ランク受付のキキョウが丁寧に答える


「はい!アスカ様!問題はありません!ただ全員で受けても依頼料金はかわりませんが、よろしいですか!」


フリージアは、依頼を手にしていた冒険者に覚えがあった。

そしてキキョウが、その名前を口にして、確信する。

森族エルフ最高位Sランク冒険者アスカ!

彼女ほどの冒険者が、なぜこんな依頼を受ける?

しかも彼女は、王都冒険者ギルド所属のはずだ。

その彼女が、わざわざここまで来るなんて信じられない…


「ハハ問題ない!妖精様の役に立てるのだ、報酬など不要だ!

ここに集まった者達も同じだ!」


キキョウが確認を終えると、注意事項を述べる


「アスカ様!妖精様についての注意事項があります。

妖精様は、事情があり偽名を使い髪の色も変えています。

現在ミレ様ポル様と名乗っています。」


「了解した。それで今妖精様…えっとミレ様とポル様は孤児院に行けばいいのか?」


「お二人は、ルビーフィッシュ釣り大会に出るために、会場にいると思います。

お二人は、現在赤髪のツインテールなので、すぐにわかると思います。」



行き先がわかり、後ろに控えてた冒険者も立ち上がり、アスカの後ろに整列する


「では行って来る!」


キキョウ達も、カウンター越しに頭を下げる

ギルマスのフリージアが、見送りながら発言する


「アスカよ!ベルビューラ冒険者ギルドは、妖精様を全力でバックアップする!

何かあったら何でも言ってくれ!

みんな二人の可愛い妖精様を、よろしく頼むぞ!」


全員退出しながら右手をあげ答える


出て行った冒険者達を見ながら、職員達は思う、絶対に二人を怒らせるような不安を、与えない事をそれぞれ思うのだった。


フリージアは、護衛に向かった冒険者リストを見て改めて思った。


Sランク1人Aランク2人Bランク6人Cランク10人Dランク11人か…

ドラゴンも討伐できるパーティーだな


私もそうだが、ほんとあの子達に、引き寄せられる不思議な感じだ。


皆頼んだぞ!


フリージアは

職員が集まってる状態で指示をする。


「皆よく聞いてくれ!あの子達が噂通りなら、外見だけよくしてる町長が動くはずだ!

あいつは陰でよくない噂を聞く!あの二人に被害が及ばないように、動きを監視する!」


アルメアが頷き応える


「確かに!あの男は何かします!

それなら私達にできるのはあの男の監視です!

絶対あの子達は守りたいです」


皆頷き職員二人がフリージアの前に出る


「フリージア様!あの男の監視は、私達に任せてください!

絶対妖精様に危害が及ぶ事は、見つけます!」


「アザレアとスズか、二人なら隠密のスキルもあるし大丈夫だろ!よろしく頼む」


「「はい!お任せください」」


我々も交代で大会会場の監視をする事にする


「「「やったぁー!」」」





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