第87話孤児院とミレイのクルーザー
食事が終わり、子供達を寝かせボクとポルムは、孤児院の裏の湖に面した空き地で、大会に参加する船を作り始めた。
レフレアさんが心配してついて来た。
「ミレイさんもう十分して頂きましたから…
最後にあんな素晴らしい食事も食べれました。
ミレイさんポルムさんほんとうにありがとうございました。」
ボクはレフレアさんをギュット抱きしめる
「レフレアさんボク達を信じて!
大会は優勝します!
そして屑町長の正体も暴いてやります!
レフレアさんも孤児院もボク達が守ります」
「ミレイさん…ぅぅ」
ボク達はレフレアさんに見つめられながら船作りを始める
途中眠そうなレフレアさんを、家の中に運び、ボクは再び作業を始める
ピキ R 『マスター寝てていいの!ライム達イメージ貰ったから任せるの!』
ピキ P 『絶対優勝できるくらいの船作るの』
ピキ E 『レフレアは凄く気にいったの!だから頑張るの』
ピキ M 『ここは守るの!マスターは明日に備えて寝るの!』
「そうじゃぞ!あたいらは睡眠は不要じゃから任せるのじゃ」
ポルム…みんなぁ…
『わかったみんなお願いします。』
ボクはスライム達に任せて眠った。
☆・☆・☆
ミレイ達が出て行った後の冒険者ギルドでは、業務終了後、ギルドマスターが職員全員を集め緊急ミーティングをしていた。
大きな会議室には休暇中の職員まで集められた。
全員が集まる事は魔物の集団暴走以来の事だから、職員達も緊張している。
「皆疲れてるのにすまない、休みの者もわざわざ呼び出してすまない」
元Aランク冒険者のギルドマスターは、プライドも高く滅多な事では、職員に頭を下げない
そのギルマスが全員の前で頭を下げた…
それほどの事がこれから話されると言う事だと、職員達は悟
「今日この冒険者ギルドに最重要対応の冒険者ミレイとポルムの双子が来てくれた。」
その発言で一気に会議室内がざわつく
「えー!双子のツインテちゃんが来たの!」
「妖精族の二人がとうとう来てくれたのかぁ」
「こりゃ解体所も気合いを入れないと捌ききれないぞ!」
「最高品質の薬草見てみたいわぁー」
「あの子達の依頼たりるかしら?」
「可愛い二人に癒されたい」
皆それぞれ思いを口に出していた。
ギルマスも職員達に呆れる
こいつら情報の少ない二人なのによくそこまで集めたな…
「二人は偽名を使い髪の色も変えていた。
けど間違いない!現れる町で孤児を救い町に大きな変化を与える、問題児の二人だ!」
職員達は笑いギルマスの話を聞く
「その二人がルビーフィッシュの大会に参加した。
チーム名はレイスラだ!
我々冒険者ギルドはチームレイスラを全面的にバックアップする!
完全にえこひいきだが、反対する者がいるならこの提案は取り下げる」
アルメアが発言する
「何を言ってるんですか!
新しい町長に変わってから、見かけだけがよくなったこの腐り切った町を、変えてくれる二人が現れたのですよ!何で反対するんですか!」
キキョウも同じように発言する
「私達は彼女達の噂を聞いて、ずっと祈ってたんです!
この町にもツインテールの妖精様を派遣してくださいと!」
サフランも続けて発言する
「鑑定査定も兼ねてる私は、彼女達が持ち込む素材にワクワクしています。
この町にも薬師や錬成調合師がいます。
彼女達はこの事を知るとギルドに押し掛けて来るでしょう!
妖精の持ち込む薬草を是非見たいと!
反対する理由が見つかりません!」
解体職員のトルデスが発言する
「俺達の部署も反対しねぇ!噂のお嬢ちゃん二人が持ち込む魔物を早く捌きてぇと思ってる!
それにだ!この町の町長を何とかしてくれるのは、あの子達しかいないような気がするからなぁ」
フリージアは一応挙手をとる
「皆の意見はわかった。ありがとう一応挙手をとる!ギルドとしてツインテール姉妹のバックアップに賛成の者は挙手してくれ!」
ザザザザザ…
「全員の賛成を確認!冒険者ギルドはチームレイスラを全面的にバックアップする!」
「「「「はい!」」」」
ルピナスが手をあげ発言を求める
「何だ、ルピナス話す事あるなら言ってくれ!」
「はい!姉妹二人がギルドを出た後キキョウに言われて私二人の後を追いかけました。
そしたら二人は予想通りレフレアさんの孤児院に入って行きました。」
皆それを聞いて喜んでいる
「噂が本当なら、これであの孤児院は救われるわね」
ギルマスのフリージアも安心したように話す
「レフレアは商業ギルドのサブマスとくそみたいな契約をしていた。
私が知っていれば介入したのに…
その契約で孤児院は大会終了を持って再び解体!
レフレアは借金奴隷としてサブマスの奴隷となる…
あのエロ爺めが!
でもあの子達が孤児院に行ったなら状況が変わる!」
アルメアがそれを聞いて提案をする
「ギルマス、それなら商業ギルドの連中が、あの孤児院にちょっかいかけないように、冒険者に見張って貰うのはどうでしょうか?」
フリージアは考える
「そんな依頼受けるやついるか?」
高ランク受付担当のキキョウが発言する
「フリージア様ご心配なく!
ツインテ双子妖精の護衛と言えば高ランク女性冒険者の情報網で有名で、いろんな噂が飛び回ってます。
ですから声を掛ければ、おそらく無償でも依頼を受けてくれるはずです」
「え?そこまで有名なのか?」
「はい!それほどあの子達は女性に与えた影響は大きいようです」
「子供と女性を守る妖精かぁ…
益々好きになったぞ!
よし!高ランクの女性冒険者に依頼してみてくれ!」
キキョウが嬉しそうに返事をする
「はい!おまかせください!
依頼はツインテールの双子姉妹の護衛と二人のいる孤児院の保護で期間は大会中にします!
依頼主は冒険者ギルドで依頼料金は小銅貨10枚これで明日張り出します。」
フリージアはそれを聞いて、そんな金額では誰も来ないと思ってた。
その後いろいろ話し合い解散となった。
次の日☆☆☆
休暇の職員も、遅番の職員も、全員朝早くから出勤した来た。
「おはよう!ワクワクして眠れなかったよぉ」
「おはよう!私も同じだよ」
「おはよう!今日から楽しみだねぇー!」
フリージアは、朝早くに遅番組、休暇の者含め全員出勤してきてるのに驚いていた。
「おいおい!今日サフランは休暇とってたんじゃないのか!
それに遅番組のアルメアも何で出勤してるんだ?」
アルメアがフリージアにかみつく
「何言ってるんですか!
この町を変えてくれる、ツインテ双子の活躍を見れるんですよ!
のんびり宿舎にいられませんよ!」
サフランも同じように発言する
「そうです!こんな貴重な体験見ないのはアホです!
私あの妖精の二人がいる間は休みません!」
みなそれを聞いて頷く
「私もあの子達がいる間休まない!」
「私もぉー!早くギルドに来てくれないかなぁー」
凄い人気だなぁ…
「でもあの子達偽名使ってるのちゃんと考慮するのよ!」
「「「はい!」」」
「「「もちろんです!」」」
☆・☆・☆
一方ミレイの方は…
ライム達がミレイのイメージを参考に徹夜で船を作りミレイが目覚めた頃に巨大なクルーザーが出来上がっていた。
全長18m全幅6m3段キャビン
キッチン、トイレ、シャワールーム完備
魚保存用巨大冷凍庫完備
大小15のベッドが並ぶ寝室完備
2つの船外魔力エンジンを搭載
ミレイはイメージを送っただけで、それをスライム達は、徹夜で制作していたのだ。
元々睡眠の必要のないスライム達は、ミレイの喜ぶ顔がみたいから必死になって作った。
足りない材料はミレイから分離して、森や山岳までに取りに行き、自分達の能力をフルに使い完成させたのだった。
ミレイはあまりの凄さに驚き暫く声が出なかった。
何これ…確かにイメージしたけど…
めちゃくちゃカッコいい!
これ前世なら確実に億超えるクルーザーだよ…
凄い…
『みんなこんな凄いクルーザー作ってくれてありがとう!
これなら優勝狙える!
さあチームレイスラ大会会場に行くよぉー!』
ピキ R,P,E,M『『『『なのぉー』』』』
「優勝ねらうのじゃーー!」
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