第78話魔法の常識ミレイの非常識

ミレイは疲れたため黙って談話室を出て、空き部屋で眠っていた。


談話室では、ミレイ達がいなくなった事に気がつき一時大騒ぎになっていた。


「ローズ!ミレイちゃん見つかった?」

「いえ!見つかっていません!」


ラミア、トア、町の宿はどうだった?


「はい!全て当たりましたがいませんでした。」


イザベラはローズ以外をギルドに出勤させ、ローズには町の門兵や警備隊にミレイの目撃情報など調べさせていた。


ホタルも護衛を数名捜索に当たらせた。

で結局みつけたのは、宿舎の清掃の職員だった。


「あら?空き部屋の鍵が開いてるわ」


職員が入ると、そこにはフードコートではなく、お揃いの可愛い白のパジャマ姿で眠る、二人の子供がいた。


「可愛いい~まるで妖精みたいだわ」


職員はそのまま寝かせ、すぐに寮母とこの寮の責任者イザベラに報告をした。


「イザベラ寮長!先ほど寮を掃除していたら、空き部屋に妖精が寝ていました。いかが致しましょうか?」


それを聞いたイザベラはすぐに気がつく


「そのまま眠らせてあげて、一応時々様子見に行ってくれたら助かるわ」


清掃職員に見守るように指示し、ギルドにいる全女性職員に、ミレイ達が見つかった事を伝える。

そしてローズにも伝えられ、ローズは宿舎に戻りミレイ達を確認する。


『はう~妖精が眠っている…

なんて可愛いの…

見てるだけで癒されるわぁ~』


ローズは、ミレイの捜索を手伝ってくれた、剣聖のホタルにミレイが見つかった事を告げる。


「ホタル様ミレイちゃん達見つかりました。この宿舎の空き部屋で寝てました。」


ホタルとシャルテはミレイが寝てる場所に案内され確認する


『はぁー何この子こんなに可愛いかったのぉーまるで妖精じゃない!』


『ほえー双子の妖精じゃない!可愛い~』


ミレイが清掃職員に見つかってから、入れ替わり誰かが見にくる。

でも敵意が全く無いのでライム達も気にせず、ミレイの妖精のような姿をさらしている。


ミレイ自身も思ったより疲れはひどく、結局目覚めたのは24時間以上経過した次の日の昼間だった。


ミレイ達が目覚めると部屋にはサリアス陛下、剣聖と剣王の二人がいた。

王女二人は解呪の影響でまだ休んでるらしい


サリアス陛下が改めてお礼を言ってくる


「冒険者ミレイとポルムよ此度の件本当に感謝する」


深々と頭を下げるサリアス陛下、同行してる騎士それにホタルとシャルテも頭を下げる


ボクは慌てる

「陛下頭をあげてください!たまたまボクが解呪のスキルを持ってて、偶然解呪の順番がわかっただけです。」


サリアス陛下はボク達と目線を合わせるために椅子に座り話しかける


「フフフミレイよ!あくまでたまたまと言うのだな、わかった。そう言う事にしておこう」


サリアス陛下が手で合図のような仕草をすると、一人いた小柄の女性が、陛下の横に並び挨拶をしてくる


「私は宮廷筆頭魔導師のブレイアよろしくね♪可愛い妖精様」


「はい!妖精じゃないけど、ミレイです。よろしくお願いします」


この人ミレイより少し大きいだけなのに筆頭魔導師って凄いなぁ


「ミレイ様はあまりわかってないようなので、教えてあげますね。」


え?何この人なんか怖いんですけど…


「ミレイ様はかなり魔法をお使いになるみたいですが、しかも無詠唱で!」


この人怖いよぉー


「ミレイ様!この大陸に無詠唱でポンポン魔法をしかも連射できる人なんていないからね!

おまけに解呪魔法まで使えるなんて聞いた事ないから!」


え?どういう事?


サリアス陛下もホタルさん達も笑いながらボクを見る

ブレイアさんは呆れ顔でボクに教えてくれる


「何も知らないようだから教えてあげる。

まず無詠唱で魔法を放てる人はいない!

私ですら短詠唱がやっとなのよ!

それに魔法連射なんて!どうやるか仕組みがわからない!

闇属性魔法は特殊、使える人はごく僅か。バインドは闇属性!

白魔法デスペルはさらに使える者が少ない!

この意味わかる?」


「…………」


だって仕方ないじゃん、ボクには4匹の特別が付いてるから…


「ミレイは非常識!危険!

だからずっと私と一緒にいる!

私に全て教える。

残念なのミレイが女性、男性なら子種貰う残念!」


えーー!何いってるの!


サリアス陛下が笑いながらブレイアの暴走を止める。


「ブレイアありがとうもういいわ!あなたの希望かなうかもよウフフ」


陛下の言葉で、ブレイアさんはボクを見つめてくる


ちょっと!陛下何言うんですか!訂正しないとヤバい!


「サリアス陛下変な事言わないでください!ボ…ミレイは女の子ですよ!ここで服脱ぎますか?」


「そうじゃった。すまぬ…ニヤニヤ」


じーーーー


うわーめっちゃ見られてる


よぉしこうなったら、ボクはみんなにお願いをする


『ライム、パルム、ミルム、エルム、いまからボク着替えるから言う通りにしてね。』


ライムはフードコートは変だからとボクの枕になってくれていた。

みんなが入って来た時にすぐにマジックバックの形に変化してくれた。



ピキ『わかったのぉ』


『ライムはバックのままでいて、ミルムとエルムは、おっぱいと女の子のままでいいからね。』


ピキ『離れないからわかったの』

ピキ『ミルムは今食事中なの何もしないの』


おい!ミルムお前は何をしてる!食事中?こいつ何を食べてる?

相変わらずわからん奴だ!


『パルムは擬態したパジャマをバックに入れるから、中でいつものワンピースに形態変えてくれる』


ピキ『わかったのぉ』


よし!疑い晴らしてやる!


「あのミレイ今から着替えてもいいですか?」


あら!

え?

おお!

ワクワク!


なんか反応が違う…


「私達の前で女の子だと見せたいのかしら?」


「そうです!ミレイは女の子なの!見て下さい!」


ボクは陛下達の前でパジャマを脱いで裸になって立った。


「あら?ホントに女の子なのねぇ……ウフフ」


「体型のわりにおっぱいがでかいな?成長すれば大変だぞ…」


「巨乳の幼女…ジユルリ」


剣王さんってそっち…


「うう…残念」


よし一人脱落…ホッ


ボクはすぐにワンピースを着る


すると全員が指摘をして叱ってくる


「ミレイよ!下着はどうした?」

「そうだ!まさかそのままじゃないだろうな!」

「幼女は下着を着けない変態… ジユルリ」

「ミレイ!いくら幼くても変な奴らはいる!危険な事は止める」


わかってるけど…ミルムが嫌がるから…

もう一度お願いしてみるかな?


『ミルムお願いがあるの』

『嫌!』


えーー!

まだ何も言ってないじゃん!


またこの争い…お願いだから言う事聞いてよぉー


ライムにお願いして見ようかな


『ねぇライム何とかならないかな?

あの人達ややこしいから』


ピキ『わかった言ってみるの』


ダメだろうと思ってたら


ピキ『わかったの下着我慢して着けるの、ライム姉さま』


えーー!何それ!ライムってこんなに信頼高いの?


『ミレイあたいはちゃんと着けたのじゃ!だから怖い人間にちゃんと言うのじゃ!』


『わかった』


ボクはめんどくさいから、素直に答えた。


「ボク今までずっと下着着けてなかったから、着けないとダメですか?」


「そうじゃミレイはお姉ちゃんの言う事聞かないのじゃ」


あっ!ポルムきったねぇー!


陛下達に呆れられる


ボクはこの後陛下達にいっぱい下着もらって着せられた。

疲れたぁ…



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