第79話ミレイと孤児院

ミレイは魔法の件や、服装その他いろいろ注意され少しぐったりしていた。

ミレイは陛下たちも解呪できたので、森に行った目的を果たすため、孤児院に行くことにした。


「サリアス陛下ミレイちょっと行きたいところあるので、これで失礼します。

陛下はまだ動かない方がいいですよ!」


サリアスはミレイが出て行こうとするのを止める。

「ちょっと待ちなさい!ミレイ!また森に行くのか?」


ミレイは森から戻るまでいろいろあったから、日数が経ってるから、孤児院のみんなが心配してると思い、ぶっきらぼうに答え飛び出して行った。


「町の中なの心配いらないの!」


バン!

『みんな本気で走って孤児院に少し遠回りで向かって!』


ピキ『わかったの』

『ついて行くのじゃ』

シュン


「ちょっと待ってミレイ!あの子はもう・・ホタル!サクラ!すぐに追いかけなさい!」


「「は!」」


シュン


しかし本気走りのミレイには追いつくわけはなく二人は見失う


「うそでしょ!この私が追いつかない何て・・」

「あの子何者?私の気配感知で察知できない・・」


☆・☆・☆

孤児院に着いたミレイ達は、いつも元気に聞こえてた子供たちの声が聞こえて来ないので、慌てて中に入った。


「ただいまぁーみんなぁお姉ちゃん帰って来たよぉ」


ボクの声を聞いて、孤児院長のユナーラさんが走ってくる


「ミレイちゃんよかった無事だったのね、あなた達まで拐われたと… よかった。」


え?拐われた?どういう事?

みんな泣きそうな顔でティーナさんに連れられて歩いて来る。


「ミレイお姉ちゃんぁーん!うわーん」


ガシッ


「ポルムお姉ちゃんうわーん」


ガシッ


ボクと同じくらいの大きさの子供達がボクとポルムに抱きついて泣き出す


ボクはユナーラさんに事情を聞いて見た。


ユナーラさんの話しでは、年長組の女の子二人が、ミレイの帰りを毎日門のところまで見に行ってた。


それが昨日その子達二人が帰って来なかった。

心配でティーナが捜しに行ったが見つからず、町の警備隊にその事を届け出たが、パトロールのついでに捜すと言ってくれただけだった。


何それ!子供がいなくなったんだよ!

拐われたかも知れないのに!


ユナーラさんがボクにお願いしてくる。


「こんな事頼めるのミレイちゃんしかいないの。

依頼のお金は何とかするから、ヒマワリとコスモスの二人を捜して下さい!」


ボクが言おとすると、珍しくポルムが前に出てみんなに話す


「みんなあたいとミレイが必ず見つける!心配しなくていいのじゃ!ここで待ってるのじゃ!」


へぇーポルムが珍しい…


ピキ『マスターライム達みんな繋がってる。

みんなマスターの気持ちわかる。

だからマスターの子供を思う気持ちライム達も同じなの」


みんなぁ…ありがとう


ピキ『マスター早く捜すの絶対見つけるの』


うん!


ユナーラさんが2年前にも同じ事があったと、教えてくれる。

何それ!この町の町長は何をしてるの?


もういい!ミレイが捜す!


『みんな行くよ!』


「ユナーラさんボクはこの孤児院が好きです!

子供達はボクの姉妹です!

お金なんていりません!

絶対見付けて帰って来ます!」


ボクはそう行って孤児院を出た。

エルムが二人の匂いを覚えてるから、エルムの指示通りボク達は町中を走り回った。


当然ボク達を捜してた、ホタルさん達に見つかり捕まってしまう。


「ミレイちゃん見付けた!」


ガシッ!


「ミレイちゃんどこに行ってたの、陛下が気にしてるから教えなさい!」


ボクは、今後の事もあるからギルドを巻き込む事にした。


「わかりました。話すから冒険者ギルドに来て下さい」


ホタルとサクラは、ミレイ達の雰囲気が違うのを感じ取りギルドについて行く


ガチャ


ボクがギルドに入ると待っていたかのように、イザベラさん達が近寄って来る。


「来たわね問題児のミレイちゃん… ?」


イザベラさん達もボクの雰囲気が違うのを感じ、すぐに職員達にいろいろ指示をする。


「ローズ!受付対応は込み合ってもかまわん!最小人数で対応して!

皆もわかるだろ!よろしく頼む!」


「「わかりました。お任せください!」」


「ミレイちゃん奥に来て!皆様もどうぞ!」


ボク達は奥に連れていかれる。


部屋に入るとサリアス陛下が、ボクを捜すために来ていた。


「ミレイ!いきなり出て行くのはどうかと思うぞ……?

どうした!何かあったのか!」


『ポルムお姉さまミレイと同じようにしてください』


ボクはこの冒険者ギルドと女王陛下を巻き込むために土下座をする。


ペタン


「サリアス陛下!冒険者ギルドの皆さん!

孤児院の子供が行方不明になりました。捜してください!」


ボク達が、土下座をしてお願いする姿に、皆驚くが孤児が行方不明と聞き慌てだす。


「いつからだ!」


「昨日だそうです。」


皆それを聞いて、安堵したのか大丈夫今日にも戻ってくるからと、ボクに心配しないように言ってくる。


ボクはその言葉を聞き、お辞儀をして部屋を出ようとすると、再びボクを捕まえようとしたので、ミルムが神速で動く


シュン!シュン!


ボクは一瞬で陛下以外全員を拘束する


「「な!ミレイちゃん!何をするの!」」


「私がこうも簡単に捕らえられるとは…」

「反応できなかった…」


ボクは陛下に謝罪する


「サリアス陛下罰は後で受けます。

ボクにとって孤児は姉弟姉妹なんです!

大切な家族と一緒なの!ごめんなさい…」


陛下は冷たく言う


「ミレイよ!ここまですると妾でも庇うのは無理じゃぞ!

それでもこのまま行くのか!」


ボクは頷く


「はい!覚悟は出来てます。孤児はたぶん拐われてます。

2年前もありました。

組織を探して潰したら陛下の前に来ます。それまで孤児院を保護して下さい!」


「あいわかった。」


コトッ


ボクは陛下の前にエナジーポーション改を置い出て行く。


バタン


あら!あの子私を信頼してくれてるのかしら?


これは見たことないポーションね?

濃い赤のポーション少し光ってるけど…


サリアスが手に持ったのを見てサクラが止める


「陛下!そのような得たいの知れないものをお止めください!」


ごくごく


身体が熱い!


「ああーーー!」


部屋にいた者全員その変化に驚く


え?

陛下?

えーー!


サリアスは皆が唖然としてるのを見て尋ねる


「皆どうしたのだ?なぜ驚いておる!」


サクラが答える


「陛下…おわかりになりませんか?」


サリアスは自分の身体を見て確認する…

え?肌が全然違う…

これって若返ってる?

えーー!


あの子は私に何をさせたいのかしら…


サリアスは拘束されている3人を叱りつける


「ホタル!シャルテ!サクラ!いつまで拘束されてるの!」


バチバチン!

バチバチン!

バチバチン!


サリアスは3人を見て感想をきく


「どう?子供に言いように拘束されて、感想は?」


「は!全く反応できず情けないです」

「同じく…」

「申し訳ございません」


「それでサリアス陛下、ミレイをどうするのですか!処罰するのでしょうか!」


サリアスは笑顔で答える


「何を言ってるのかしら?未来の旦那様をそんな事するわけないでしょ!」


「「「えーー!」」」


陛下は何を言ってるのだ!ホタルは疑問をぶつける


「サリアス陛下!失礼ですがミレイは女の子ですが?それでもですか?」


サリアスは笑い飛ばす


ハハハハハ…


「そうじゃったのぉ…

あの子にどんな秘密があるのかわからんが、ミレイは確実に男の子じゃ!

この事は皆の胸の内に留めるのじゃぞ!」


「「「えーーー!」」」


「あんなに可愛い子が男の子?」

「来たぁーー男の娘♡」

「あの子が男の子…」


ホタルが質問する


「陛下ミレイは裸になった時間違いなく女の子でしたが…」


サリアスは頷くも答える


「身体は確かに女の子じゃが、ホタル達は男性とキスしたことはあるのか?」


3人共顔が真っ赤になり首をふる


「なんじゃ情けないのぉ…気にいった男はおらんのか!」


「……」

「私達より強い男がいないから仕方ないのです!」

「男は嫌い…」


「男と女の違いは肌の質じゃ!あなた達も経験すればわかるわよ」


「はぁー」


サリアスは部屋にいる者全員に指示をだす


「おしゃべりはここまで!

皆ミレイの話を聞いたでしょ!2年前もあったと!

ミレイに誘拐犯を殺させてはなりません!

ホタル、サクラ今ここに駐留してる騎士達全員に命令しなさい!誘拐犯とその関係者を捕らえる事!妾の護衛はシャルテ一人で十分です!行きなさい!」


「は!」


サクラとホタルが出て行き、部屋に残ったギルド職員に命令する


「イザベラその拘束はもうすぐ解けると思うから解けたらミレイの守りたい孤児院をギルドで守ってくれ!」


少しして拘束は消えイザベラ達も動き出す。


「じゃ私たちは町長を訪問しましょう、いくら何でも動きが遅すぎる!」


「は!」


バタン

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る