第77話解呪

二人がそういうとミレイとポルムが棺から出て来る


「やっほー!ミレイはこの通り元気だよ♪アハ」

「ふあぁーよくねたのじゃぁ!」


目に涙をためた王女二人、それに自分のせいでミレイを殺してしまったと思い込んでるホタルが驚き唖然とする。

そして能天気な二人を叱り飛ばす


「ちょっとミレイちゃん!どういうことなの!何がやっほー!よ(怒)ちゃんと説明しなさい!」

「そうよ!ポルムちゃん!説明して!(怒)」

ホタルも剣を握りミレイに迫る

「どういう事ですか!ミレイ様!ポルム様!(怒)」


え?これってえーまずくない・・

ホタルさんの後ろからゴゴゴゴゴ・・・って聞こえてきそう怖いんですけど・・


サリアス陛下の圧も凄い…

「そうよのぉ妾を騙し涙も流させた罪は重いのぉ…」


ゴゴゴゴ…


「え?あの敵を騙すには、まず味方からって… 」


これってホントに死んじゃうかも…



サリアス陛下と剣聖のホタルさんがボクたちをテーブルに座らせる。

なんでテーブル?みんながボクたちを囲む


「妾がどれほど心配したかわかっておるのか!」


ボクは素直に謝る


「ごめんなさい!ボクがいないと陛下や王女様の呪い解けないから・・」


すると王女二人がボクに近づき叩かれる


「ミレイちゃんのバカぁー!」

パーン

「ミレイのバカぁ!」

バチン


え?なんで?涙?


サリアス陛下はボクのほっぺをつまみ引っ張りながら話しかける


「陛下いひゃいれす」


「妾も娘も呪いは解呪してほしいじゃが、ミレイが死んでしまう事の方が辛いのじゃぞ!わかったか!」


「ひゃい」


ポルムの方を見るとボクの手を握りふるえている。

仕方ないよね、人間の気持ちの事なんかわからないもんね。


サリアス陛下がボクに聞いて来る


「ミレイ!ちょっと聞きたいのだけど、どうして騎士団長のベントウェイが怪しいのがわかったのだ?

何故あんな危険な行動に出たのだ!」


ボクは陛下に盗賊たちを倒し捕縛した時の事を話す


「サリアス陛下!ベントウェイはボクを見る目が悪意を感じました。

それにボクがが盗賊全員を倒し捕縛した時も、一人だけボクをじっと見てました。

あの麻痺毒で動けてたの、剣聖と剣王以外ではあの人だけです。」


サリアス陛下は信頼のおける騎士団長がまさかのスパイとは思っておらず戸惑っていた。


「それにボク、あの人から精神系の魔法放たれました。

そう完全に混乱させる精神系の闇魔法です。

だからボクは決定つけるためにあの行動に出たのです。」


剣王のシャルテがサリアス陛下に話す


「確かに襲われた時、私達は鍛錬の末多少の状態異常系の耐性を得ています。

それでもやっと動ける程度、それほどあの麻痺系の霧はきつかったのです。

私と剣聖ホタルも視線を感じ気にはしてました。」


剣聖ホタルも発言する


「サリアス陛下、先ほどミレイちゃんが魔法を放った時の事覚えてますか?」


魔法?そういえば詠唱しておったのぉ


「ああ詠唱してたから魔法が放たれるのはわかった。」


ホタルがボクをチラっと見てそれを聞き状況を話す


「陛下何も思わなかったのですか?襲撃から私たちを助けてくれた時、ミレイちゃん魔法を放ってましたが、無詠唱です。」


「え?じゃなぜ・・・」


ホタルさんはボクを見て話す


「ミレイちゃん詠唱はわざとわかるようにしたんでしょ!あの男の行動を見て確定させるために、それと陛下への配慮でしょ」


え?この人そこまでわかってたの?だからボクの行動に乗ってくれて斬りつけた。

でもボクがかわさなかったからビックリしたって事


陛下はそれを聞きボクを見つめる


「妾もミレイが何かしてくるのはわかった。まさか騎士団長を動かすためとは、ほんと無茶しよる」


「騎士団長は明らかに動きが遅かった!

それにミレイちゃんが倒れてから止めを刺すように斬りつけた。

これは完全に行きすぎです!」


そうなんだよね、完全にボクのトドメを刺しに来てたよね


「それに彼はミレイちゃんが死んだのを確認して自ら行動を起こしています。

どうやって誤魔化したかは知りませんが…」

ホタルさんはボクを見てくる


「………」


サリアス陛下は信頼してた部下の裏切り行為に怒りを露にする


「うむー!ベントウェイめ!許さぬぞ!

今後はベントウェイの後ろにいる者を突き止めるために、ミレイの事は死んだ者とする。

それと妾と王女二人も重篤な状態だとそのように広めよ!」


部屋にいる者全員が陛下の言葉に返事をし、サリアスは一人の女性を呼ぶ


「サクラ!」


部屋の隅から現れた女性を見て驚いた。


えー-!あの恰好ってくのいち!

名前も日本人?小柄でボインボイン・・エロだぁ


ボクが見とれてると・・

バチン


ボクにウインクしてくる。

え?


サリアス陛下はそんなボクを見て笑いながら言って来る


「ミレイよ!何をサクラに見とれておる。一目惚れか?

まるで異性を見る反応だぞ!フフフ」


「ち・違います!か・変わった格好だなと思っただけです。それよりサリアス陛下そろそろ解呪しないと時間がありませんよ」


「そうよの、二人もぐったりしておるし、妾もこのように振る舞えるのも限界のようじゃ」


ドサッ


そう言って、その場にへたり込む


サクラとホタルが陛下を椅子に座らせ、そのまま寄り添う。


ボクはイザベラさんにお願いをし、ホタルさん達にもお願いをする。


「イザベラさん陛下達をいまから解呪します。3人を寝かせる場所で広い部屋ありませんか?」


イザベラは少し考えローズ達に談話室にベッドを運ばせる


「ホタルさん、シャルテさん、陛下達の解呪は時間がかかります。

その間ボクは無防備になります。

ポルムにも手伝ってもらうので、その間のこの部屋に誰も入れないでください。」


ホタルさんは聞いて質問したくる


「ミレイちゃん私とシャルテが中で護衛して、外に騎士達を立たせるのではダメなのか?」


「ダメです!この呪いは強力です。影響がでるかも知れません!だから逆に部屋に誰も入れないでください。」


二人は頷き、陛下達を寝かせた後、全員が部屋を出て行く。


ボクは陛下に言葉をかける


「サリアス陛下今から呪いを解きます。ボクを信じて!」


サリアス陛下は頷く


ボクは陛下達に睡眠魔法をかけて眠らせる


『ライム達、やるよ!準備いい?』


ピキ『大丈夫なの』

ピキ『パルムも魔力渡せるのぉ』

ピキ『エルムも任せるの』

ピキ『マスター鑑定するから順番教えるの』


『わかったみんなよろしくね』


陛下達の呪いかけられたアイテムの素材も調べた結果


指輪…プラチナ

ネックレス…金・プラチナ・銀 紫魔石

ブレスレット…金

髪飾り…銅

ブローチ…銀


これで解呪できるアイテムは1個につき1回

順番がある…

うーんこの国って湖がたくさんあって水の国とも言われてるんだよね。


アイテムを解呪するとその材質と同じ物が含まれてるアイテムも解呪される?


例えばブローチを解呪すれば

プラチナと銀が含まれてる他のアイテムのプラチナと銀も解呪される?


陛下の指輪のプラチナとネックレスのプラチナと銀

それで残るのは指輪の金とネックレスの金…ってことかぁ


問題は順番…

たぶん陛下に関係するなら水…


………元素?


そうか!イオン傾向だ!


この物質の中なら

銅>銀>プラチナ>金だ!


だから順番は髪飾り→ブローチ→指輪→ブレスレット→ネックレス


たぶん紫魔石に連鎖元凶の呪いが込められている?

これを間違って最初にやると、全員が死んでしまう。

全てのアイテムがロックが、かってから出ないと解呪できないんだ。


『ミルム順番わかったから、解呪お願いできる?』


ピキ『わかったの、マスター解呪は解くのに時間かかるの』


「解呪は時間かかります。ポルムお姉さま魔力サポートお願いします」す


「任せるのじゃ!」


ボクは解く順番を指示した。


『まず髪飾りからお願い…』


ピキ『やるのぉー!δξξκκεΨ…Dispel』


凄いミルムの魔力がどんどん髪飾りに流れてる。


長い… 凄い複雑なんだ…


呪いって魔導師一人分の魔力を長いテープにした状態らしい。


解呪はそれを全部ゆっくり巻き戻しながら魔力で消して行く作業で、凄く時間がかかり大変らしい。


ほんともう1時間くらいかかってるのにまだ解けない…


そしてさらに1時間経過してようやく解呪完了する


バチ!


解呪した装飾品は色が変色している


うわーこれを後4回続けるのか…

大変だぁミルムボクの魔力も使ってるから、相当魔力消費するんだ…


ん?ライムが外套を変化させて何か魔石みたいなのにアイテムから出たもやもやしたのを吸わせてる?


『ライム何してるの?』


ピキ『呪いの解除終わると、呪いにかけてた魔力が、何倍にもなって掛けた相手に戻るの。その呪いの魔力を魔石に吸わせてるの』


『ライム何でそんな事するの?』


ピキ『マスターこの事秘密にするなら、こうするのがいいの』


なるほどね…


ピキ『マスター呪いの魔力強力なの、魔石に閉じ込めたの、これなら1年くらい大丈夫なの』


『それだけ隠せれば十分だよ、魔石に1年かそれ以上経てば壊れて相手に戻るでしょ?どうなるの?』


ピキ『強い呪いの解除は掛けた相手必ず死ぬの』


なるほどね

『人を呪わば穴二つ…か』


ボクは時間がかかりながらも、髪飾り→ブローチ→指輪→ブレスレット→ネックレスの順に解呪していった。


最後のネックレスの解呪は倍以上時間かかった。

結局全ての解呪が終わった時は、朝になっていた。


『終わったぁー!みんなぁーありがとう』


ピキ『魔石が5つこれ空間収納できない、だからどこかで保管してもらうの』


『わかった。陛下が目覚めたら相談するよ』


ボクは無事解呪が終わった事をホタルさん、シャルテさんに伝えた。


「ホタルさん、シャルテさん陛下達の解呪無事終わりましたよ。陛下達をどこかでゆっくり休ませてあげてください。」


ホタルさん達は皆抱きあって喜んでいた。


「「「やったぁー!」」」


「ミレイちゃん、ポルムちゃんありがとう!ほんとありがとう!」

「二人共感謝する!」


よかった成功して…


さすがにちょっと疲れたかな、みんなにご褒美あげたいし、ちょっと休ませてもらおうかな


「イザベラさん、ボク達ちょっと疲れたのでどこかで休ませてください。」


「長い時間ほんとお疲れ様、ミレイちゃんポルムちゃんゆっくり休んで!ローズ私の部屋に案内してあげて」


ローズはそれを断り自分の部屋に連れて行くと言う


「イザベラさんもいろいろ疲れてるでしょうゆっくり休んでください。

ミレイちゃんとポルムちゃんは私の部屋に連れて行きます。」


二人はミレイ達を、自分の部屋にといい争う、他の職員もそれを見て笑いながら止める


剣聖達も、陛下と王女二人をイザベラの用意した部屋に、寝かせるために談話室を出て行く。


ミレイは、ライムに眠くてたまらないから、すぐに寝れるところに誘導してとお願いする。


ライムはミレイを早く寝かせてあげたいから、二人に気配遮断をかけミルム達と連携して空いてる部屋に誘導して寝かせる。


ピキ『マスターライム達がみてるからゆっくり休むの』


ボクはライム達に包まれ、眠りについた。

ポルムもボクに抱きつくように眠った。





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