第57話ミレイの喪失
先に屋敷に入ったブライトンは下衆な笑みを浮かべる
バカな奴らだ、この女を餌にここに仕掛けてある魔法陣に誘い込めば奴らも終わりよフハハ
さあ早く来い! 魔力枯渇で瀕死のお前達にこの隷属の首輪をはめてあの方の元に送り届ければ、儂は幹部としてこの国の新しい組織に迎えられるのだフハハ
ブライトンはエレンを見てニヤリと笑う
お前を追ってガキが来る手下どもにはガキには手をだすなと言ってある、だからもうすぐここに来る
その時お前を痛めつければどうなる?フハハ
バカなガキは、飛び込んで来るだろうな
ガキについて来てる領主婦人も一緒に飛び込んでくれたら、この魔道具を起動させるだけだ!
エレンは拘束され、天井から紐で吊るされしゃべれなくされている。
そんなに睨んでもガキは倒れるまで魔力を吸って首輪を嵌めてしまいだフハハ
エレンは涙を流しブライトンを睨みつけやがてやってくるミレイに挑発に乗らないでと祈るのだった。
ミレイ達はブライトンの屋敷に入りエレンを捜す。
ピキ『マスターエレン地下にいるの、でも危険なの』
ピキ『パルム臭い人間バン!するの大丈夫なの』
ピキ『マスター攻撃されてもエルム守るの大丈夫なの』
ピキ『ミルム相手の魔法吸い込むの』
『ライム達よろしくお願いね』
ボクはエレンが地下に捕らえられてるとお母様達に教える
「ミザリーお母様、エレミアお姉さまエレンさん地下にいます。一緒来て下さい」
お母様がボクの前に立ちボクが走りだすのを止める
「ミレイは私達の後からついて来なさい!いいですね」
「そうよ、今のミレイはちょっと暴走してるかな?落ち着いて!」
ボクは仕方なくお母様達について行く
地下に降りると扉は一つしかなくお母様達は警戒しながら扉を開ける
ガチャ
そこには広い地下室で部屋の隅にはいろいろな道具があった。入り口から離れた奥の天井から吊るされたエレンの姿があった。
ブライトンはステージみたいな上にいて吊るされたエレンさんを鞭棒で叩いていた。
「おやおや生意気なガキと、それに踊らされたミザリー婦人に、偽物の王妃様ですか、今からこの女を取り調べるのでみていて下さい!」
おら!
バシン!バシン!バシン!
「誰の許可を得てあんな建物作った!」
バシン!
それを見て頭が真っ白になった。
ピキ『マスター落ち着くのこれ挑発なの動くのダメなの』
ピキ『パルムマスターの大切守るの』
パルムが魔法を放とうとした時、エレミアさんが鉄扇を振るう
「いい加減にしなさい!このゴミムシ!」
ヒュンヒュン
シュンシュン
え?吸い込まれた?何か仕掛あるの?ミザリーお母様が剣を抜き身体強化をかけてブライトンに向かって飛び込んで行く。
エレミアさんも天井すれすれに飛び上がり再び鉄扇を振るう
えーー!
「お母様ぁーー!何やってるのぉーー!」
なんなのこの二人!ボクに落ち着くように言ったよね!ボクより短気だよ!
もう少し考えて行動しょうよぉ
ピキ『マスターすぐ飛び込んで二人が危険なの』
え?危険?罠でもあるの?少しお母様たちを見ていたら
エレミアさんの鉄扇からの風魔法は全部ブライトンの前にある変な玉に吸いとられる。
お母様も剣を素早く振り抜いて風刃をブライトンに放つも同じように玉に吸いとられる。
それを見たブライトンは笑みを浮かべる。
「フフフ無駄ですよ!ミザリー婦人に冒険者エレミア様」
エレンも天井から降ろされブライトンに腕を捕まれていた。
ブライトンにエレミアさん達が向かってるけど何故かノロノロだった。
ボクは様子のおかしくなった二人の後を追いかけた。
するとそれを待ってたかのようにエレンも放り投げ。すぐに何かのスイッチを押した。
カチッ
ブーーン
うう…何これ!魔力が吸いとられる…
お母様達も膝をつき苦しんでいる
エレンさんはどんどん顔色が悪くなってる
ピキ『マスターこれ魔力を吸いとるの、この部屋の下に大きな魔法陣あるの壁にも魔力吸い取るのあるの床の方が強力なの』
え?
ピキ『早く何とかしないとエレン危険なの』
エレンさんが危険?どういう事?
ピキ『人間みんな魔力あるの少ないか多いだけエレン少ないだから危険、魔力無くなる精神おかしくなるの』
ボクは慌てた。すぐにライム達にお願いした。
『ライムどうやったら助けれるの』
ピキ『マスター倒れるのみんな倒れる、あの男の魔道具止めるパルムバン!するの』
ピキ『マスター気絶するの後ライム達に任せるのエレンも任せるの』
ボクは気絶したふりをした。
ブライトンは笑いながら僕たちを見る
「この部屋は特別なんですよ、あなた達が入った瞬間に、壁に埋め込まれた魔力吸収する魔法陣が起動してこの玉に吸収されるのですよ。フハハ」
ミザリーもエレミアも悔しそうにブライトンを睨み付ける
「ブライトン!私達にここまでするって事は覚悟はできてるのでしょうね!」
ブライトンは笑いながら答える
「フフおやおや、まだ元気がおありなんですね、さすが王妃様かなりの魔力量ですな、でもそろそろでは?床にある魔法陣は数倍強力ですからねぇフハハハ」
くっ
バタン
「ミレイごめんね」
バタン
ミザリーとエレミアが魔力枯渇で床に倒れたのを確認したブライトンは手には首輪を持ち 別の魔道具をチラっと見て、こっちに歩いて来る
ピキ『マスター持ってるあれ隷属の首輪なの、首輪ミルム外せる問題ないの、でもあっちの魔道具使わせるダメなの、ライム達にも止められないの、やるの今しかないの』
パルムがブライトンに向かった魔法を放つ
氷の弾がブライトンに当たり吹き飛ばす
ぎゃーー!
ピキ『マスターこの部屋おかしいの、パルム特大の魔法放ったのに小さくなってる
「魔道具動いてるのに誰が攻撃した!」
ブライトンはボクを見るとニヤリと笑い
「この部屋で魔法を放つとは、このガキ化け物か!フン!もういい貴様達はこのまま送ってやる!」
ボクは慌てる
『パルムここの壁破壊できない?』
ピキ『無理なの魔力吸収されて威力弱くなるの』
え?何んで?あっそっか、2つ動いてるんだ
ピキ『部屋用の魔道具が動いてるの壁の方は部屋に入ってすぐ起動したの、床の強力な魔法陣は後で起動したの』
ライムが危険だけど方法はあるというから、ボクはエレンさんをお母様のところに運ぶ
お母様とエレミアさんを抱き起こし魔力枯渇の二人の耳元で話す
『お母様、エレミアさん、この部屋には魔力を吸いとる魔法陣が仕掛けられてて、魔力消費が凄いの、あいつが何かする前にお母様達を孤児院に飛ばすの』
二人は苦しそうだけど頷いてくれている
ライムは身体の一部を見つからないように魔道具のところに伸ばしている
ライム何やってるのだろ?
エルムも身体の一部をわからないように床の中に入り込んでいる、たぶん二匹共何か考えてるんだろう
ボクはミルムにお願いをする
『ミルムボクらも含めて転移できる?』
ピキ『無理なの』
即答かよ…
『じゃ何人ならできる?』
ピキ『マスター以外ならギリギリ送れるの、でもマスターの魔力もないと魔力足りないの、いつもの50倍の魔力消費するの』
えーー!そんなに…
ボクはお母様が心配しないようにボクが作った記録の魔石にお願いを伝えお母様に渡す
『お母様エレミアお義母様、この部屋魔力吸引の威力凄くてお母様達しか転移させれません。心配しなくてもボクは凄い仲間もいるので大丈夫です。
ボクがこうなったらまた精霊様が怒るけど孤児院の畑は守ってとお願いします。今度ボクの可愛い仲間紹介しますね。
エレミアお義母さん孤児院にはボクが作った物が沢山あります。それが王国を救う事になります。お願いです孤児院を守って下さい。
後でこの魔石に記録してるの聞いてください。魔力を込めるだけで聞けますから』
ライム達がいろいろやってる間もパルムが膨大な魔力使って攻撃してくれている
ぎゃーー!
「何で魔法が放てるのだ…くそ!」
パルムの膨大な魔力の攻撃で吸引の魔石の限界が近い事をブライトンは気づいていない
ドカーン
ぎゃーー!
「くそ!意識が… あのボタンさえ押せば…」
ピキ『パルムもう少ししか魔力ないの、これ以上妨害できないの早くするの』
ピキ『ライムできたの』
ピキ『エルム言われた通りできたの』
ブライトンが魔道具に這うようにして近づく
「おのれ化け物め!この魔力吸引部屋で魔法を放つとは恐ろしいガキよ!」
はあはぁ…
「これで終わりだぁー」
『ミルム!早く!』
ピキ『δηδδΨ…転移孤児院!』
ブオン
ぐう…凄い魔力吸われる…
はあはあ…
お母達は何とかおくるの
ブオン
カチッ!
ドカーーーーン!
ぎやーーーーー!
ガラガラ…
派手な音と共にブライトンの屋敷は半壊する
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