第58話事件の報告とミレイのお願い
ミレイによって無事孤児院に転移したミザリー達は、孤児院で待機していたメリル達によって部屋に運ばれ寝かされる
エレミアは、自分達が無事な事をブライトンの屋敷にいる者達に伝えるように指示して眠った。
ヤエと子供達が3人の看病をし、メリルがブライトンの屋敷に向かった。
ブライトンの屋敷では姫騎士団達、アイラ達が必死になって瓦礫を取り除いていた。
アイラも二人の王女も泣きながら瓦礫を取り除いてる
「お兄様!やっと会えたのにグスン」
ガラガラ
はぁはぁ…
「お母様…グスン」
ガラガラ
はぁはぁ…
「私の可愛い旦那様…グスン」
ガラガラ
はぁはぁ…
騎士団のレイカも部下達に指示をする
「時間との勝負だ!一刻も早くこの瓦礫を取り除くのだ!」
ガラガラ
はぁはぁ…
ガラガラ
はぁはぁ…
そこにメリルが到着する
はぁはぁ…
「皆様エレミア王妃様もミザリー様もご無事です!ミレイ様が転移魔法で孤児院に送って下さいました。」
皆それを聞き安堵する
「よかったお母様は無事ありがとうございますミレイ様」
レイカも部下に命令する
「皆聞いての通りだ!エレミア様はご無事だ!作業をやめてすぐに孤児院に向かうぞ!
孤児院に戻って来たアイラ達はすぐに3人の無事を確認した。しかしそこにはミレイの姿はなかった。
アイラは一時パニックになるもメリルが全員にエレミアが転移してきて、指示した時の状況を伝え自分の推測ものべた。
「エレミア様は、ミレイ様の事は触れず自分達が無事だと伝えるようにおっしゃいました。おそらくお二人はミレイ様と何か話されてるのではないかと思います。」
剣聖の二人も納得するように頷いている。
この場で一番指揮権のあるレイカが皆に指示をする
「とにかくエレミア王妃殿下が目覚めてから話を聞く事にして、休憩後それぞれに作業を指示する手分けしてかかるように!」
レイカは休憩後ブライトンの屋敷の保護、モルトン警備隊への連絡、モルトン配下の者達の生きている者達の捕縛、宿舎の確保などを指示した。
その日騎士団は孤児院の敷地内で夜営し、アイラ、シルフ、セレス達は孤児院の中で宿泊、そのお世話をララ達が行っていた。
まず皆が孤児院にある数々の設備に驚いていた。
トイレに風呂、手動ポンプなど、そして全員一番驚いたのがリンシャーだった。
姫騎士とはいえ全員が女性皆それぞれ髪には思うものがある
ララ達の説明でシャワーの説明を受けリンシャーで髪を洗い乾かすと、その艶と香りに全員喜びの声をあげる
「この髪洗剤凄すぎる!」
「素晴らしいわこの香りと艶スゥーーハーーー」
「髪がサラサラ凄いわー」
ララが自慢げに語る
「凄いでしょ!みんなミレイお姉ちゃんが考えて作ったんだよ!トイレもお風呂もみーんな全部… 」
レイカがララに謝罪する
「すまないララちゃんエレミア様達が目覚めればミレイちゃんの事はわかるはずだ。」
ララは落ち着き再び世話を続ける
他の子供達もミレイの事が気になりながらも我慢して騎士達の世話を続けた。
次の日ミザリー達が目覚め、孤児院にある大きな作業部屋に全員が集まる。
エレミアがブライトンの屋敷での事をレイカ達から報告を受け、自分達が屋敷の中での事を話し出す。
ブライトンを追いかけ屋敷に入ると、地下室にエレンが拘束されていた事、部屋に強力な魔力吸引の魔法陣が仕掛けられていたこと、自分達とエレンが魔力枯渇で危険な状態だった事を話した。
皆真剣に話を聞いている、聞きたいことを我慢して耳を傾ける
エレミアは全員を見た後再び説明を始める
「私達はしゃべる事も出来ないくらい危険な状態だった。ミレイちゃんはそんな私達を見て私達を転移魔法で孤児院に送ってくれたの」
それを聞いてシルフィが質問する
「お母様では何故ミレイちゃんは転移してこなかったのですか?」
ぐっ
エレミア達は黙り込む
アイラがミザリーに問い詰める
「お母様!何故お姉さまは転移して来ないんですか!答えて下さい!」
そんな娘の姿をレイカが諌める
「アイラそんなに責めたてるな!落ち着きなさい!」
「お母さん… でも」
アイラは落ち着きミザリー達を見つめる
皆も覚悟ができてると、言わんばかりに涙をこらえミザリー達を見つめる
エレンは下を向いたまま黙り込む
エレミアとミザリーは頷き再びエレミアが話を始める
「部屋に仕掛けられてた魔力吸引は強力で、宮廷魔導師並みの魔力量を誇る私でも、魔力枯渇になるくらいです。」
ミザリーは弱々しい声で話す
「ミレイはこの状態だと、私達3人を転移させるのがギリギリだと…」
それを聞いてアイラ達の目から涙が溢れだす。
それを見てエレミアは泣いている者達に話しかける
「あなた達何故泣くの?子供達を見てみなさい!皆ミレイが生きてると信じてるわよ」
孤児院の子供達はミレイを信じその仲間を信じていた。
ララとネネはミレイには凄い仲間がついていると孤児院の子供達全員に教えていた。
だからミレイが生きてると信じてるのだった。
でも転移させるのに魔力がギリギリとか、爆発して建物が崩れたと聞いて、不安になっていた。
ネネがみんなが不安そうにしているのを驚きの発言をする
「みんなミレイお姉ちゃんは絶対生きているから、お姉ちゃんにはとても強い仲間がついてるから」
ネネのとんでも発言にエレミア達が食い付く
「ネネちゃんだったかしら、とても強い仲間って、ネネちゃんには見えてたの?」
ネネはみんなを安心させるために言っただけだった。だから大人の女性達がこんなに食いついて来るなんて思ってなかった。
『どうしょう…みんなを安心させたかったから言っただけなのに…』
ネネが不安そうに下を向き口をつぐむ
ミザリーとエレミアは膝を折りネネに視線を合わせる
「ネネちゃん私はね、ミレイちやんにこの孤児院を守ってとお願いされたの。だからどんな貴族や悪い奴らが来ても守るから、深くは聞かないわ、でもねミレイの事はここにいる者以外に話すの禁止よできる?」
ネネは頷く
エレミアは孤児院の子供達にお願いをする
「みんな聞いてくれる?」
エレミアはネネの頭を撫でて、この孤児院の事詳しく知りたいこと告げる
「ミレイちゃんは絶対生きてる、あの状況でも私達に孤児院の事を託されたから、全て見てみたいの」
ミザリーがミレイに託されたもうひとつの事を伝えた。
「それとミレイが私達を送る直前に渡してくれた物があるのでみんなで聞きましよう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます