第59話ミレイのメッセージと残した物
ミザリーがミレイから渡された魔石のような物に魔力を込めると魔石からミレイの声が出て来た。
【あーあー! 初めて試すからちゃんと残ってるかわからないけど、みんなのヒーローのミレイちゃんのメッセージを伝えまーす。
エレンさんいつも心配かけてごめんなさい。
この部屋魔力吸引の威力凄くて3人しか転移させれません。
でも心配しないで下さい。ミレイはちゃんと考えてるからねぇ
ボクには強い仲間がついているのだから心配いらないよぉ、今も何かしてるみたいだから必ず孤児院に帰るから心配しないで下さい。
この子達の事はみんなに後で紹介します。
凄く可愛い子達なんですよぉー
それからアイラごめんね、せっかく会えたのに、心配しないでボクは絶対生き残る。
アイラの行動は任せるけど、ボクを捜すとかしないで下さい。
そんな事したらもうバグさせないからねー!
お母様エレミアお義母様お願いしたように孤児院を守って下さい。
その理由が設備や畑工場を見たらわかります。
子供達に見せてもらってください。
ララ達にお願いです。
ミレイが戻るまで、孤児院の子供達と設備の維持管理よろしくねー♪
いい子にしてたら、今度は新作のデザートのプリンを、作ってあげるから楽しみにしているんだよぉー
エレミア様達に設備とか畑の事も教えてあげてね。
それと皆さんにお願いです。
孤児院の畑は、たぶんとんでもない事になってると思うから、絶対荒らされないように守って下さい!
王国を救う事になるからです。
みんなボクが戻るの楽しみにしててねーみんなの大好きなミレイお姉ちゃんでした。】
ミザリーは嬉しそうに話す
「あの状況でよくこんなメッセージ残せたわね、たぶん念話かしら?あの子らしいわね」
エレミアも頷き皆に話す
「フフフ♪ミレイちゃんは生きて戻って来るのわかったわね、皆はどうするのかしら、プリンってデザートの事気になるけど… その前にエレン私達にも孤児院の設備と畑を見せてくれるかしら?」
エレンは頷き子供達と一緒に案内する
「わかりました。ララみんなで説明してあげましょう。」
ミレイのメッセージでみんないつもの元気を取り戻す
「「「はぁーい」」」
エレミア達は子供達に案内されミレイが残した設備を見て回る
トイレの設備に手道ポンプと水道設備、お風呂の設備、洗剤工場と見て回る。
エレミア、ミザリー、王都の王城の宿泊施設で暮らす騎士団の者達も皆驚く
エレンが説明していく
「ミレイちゃんが一番気にしていたのが、トイレです!ミレイちゃんが作ったトイレは2種類あります。」
ミザリー達は起きてすぐにトイレを使ってその機能に驚いていた。
でもさらに別のがあると…
エレンは説明を続ける
「トイレは今使ってるのがポッドワーム簡易トイレで、もう一つが浄化タンク型水洗トイレです。でも後の方は未完成です。」
「未完成?」
「はい!何でも魔力を使う装置?がいるそうです。ポッドワームトイレは辺境用で浄化タンクトイレは町用、他にも王都などの大都市用も作りたいと言ってました。」
エレミアはレイの知識の豊富さに驚くと共に、絶対早く戻って来て欲しいと思うのだった。
そして洗剤工場の説明を聞きエレミアもミザリーも一つの容器に注目する
「エレンこのきれいな透明の容器は何?」
エレンはあっさりと答える
「ああ!それはミレイちゃんがこれなら絶対沢山売れるって作った。リンシャーの容器です。」
「「はぁーーー!」」
思わず声をあげてしまう二人
ミザリーはミレイの常識のなさに呆れる
エレミアもミザリーに問い詰める
「ミザリーお姉様にお聞きしますが、ミレイちゃんって町にあまり出た事ないのでは?ちょっと常識がかなりずれてるような…」
「はぁーー!あの子ずっと寝たきりだったから、ほとんど外に出た事ないのよ、ごめんなさい… こんなとんでもない物に洗剤を入れたら…」
レイカもうんうんと頷いて
「確かに売れるとか以前に大騒ぎになりますね。もっと常識を教えないとダメですね」
それを聞いてエレンが申し訳なさそうにミレイの制作小屋に案内した。
「あのーーミレイちゃんこの小屋で最近懲り始めたのがこれなんですけどお… 」
エレミア達がぞろぞろ工場からミレイの制作小屋に移動した。
そこには透明の窓硝子にレースのカーテンがかけられ、可愛いおしゃれな部屋になっていて、テーブルの上には透明の硝子のコップが数個置かれていた。
それを見たエレミア達は驚きしばらく眺めていた。
エレミアがテーブルの上に置かれた硝子のコップを手に取り更に驚く
「なんなのこの輝きと透明感、それに凄く綺麗に模様が描かれてるわ!はぁーー!」
ミザリーもレイカもそれぞれ手に取りその美しさと輝きに見とれる
そこにエレンがミレイの常識のなさを暴露する
「ミレイちゃんは、このコップなら銀貨10枚くらいで売れるかなって、おっしゃってました。それに孤児院は昼間も暗いから、後で全部この小屋と同じガラスの窓に変えるからと、おっしゃってました。」
小屋を見た者達は皆呆れた声をあげる
「「「はぁーー?」」」
エレミアはミザリーを見つめる
「ミザリーお姉様!これはいくら何でも酷いですわよ!この透明の窓だけでも凄い価値があるのに、この綺麗に模様が施されたコップなんて販売なんてできませんわよ」
ミザリーは、はぁーーっと深いため息をつくのだった。
「ミレイあなたに常識を教えるのが先だったわ」
レイカはミレイの常識外れの作った物に呆れる
「だいたい最新設備が揃う王都よりこの孤児院の方が凄いって… こんなの知られたらここ大変な事になるわね」
それを聞いた子供達は、とんでもない事を言ってくる
「じゃミレイお姉ちゃんの作った畑もおかしくて当たり前だね。」
「ねぇララ、いくら採っても減らないって変だと思ってたもんねぇーー」
「シルチィ昨日トマトの実採った場所、さっき見たらまた実が大きくなってたもん」
「うんうんキャロットも昨日抜いたのにまた同じところから芽が出てたもんねぇーー」
「うんうん麦も昨日刈ったのにもう大きくなってたから明日にはまた刈り取りできるかも」
子供達の会話を聞いてエレミアもミザリーも頭が混乱する、レイカもこの子達何バカな事言ってるんだと思った。
エレミアは念のため子供達に畑に連れて行ってもらった。
案内された畑を見てエレミアは目を疑うような光景が飛び込んでくる
何この魔力で満たされた畑は?しかもどの野菜も普通の倍以上ある
エレミア達が驚いていると、ララがトマトを採って持ってくる
「お姉ちゃんが作ったトマト凄く甘くて美味しいから食べて見て下さい。」
エレミア達は子供達からトマトを渡された一口かじる
ガブッ!
!!!!!!!?
ガブッ!
!!!!!!!?
ガブッ!
!!!!!!!?
何にこのトマト
「「「「甘ーーい!」」」」
セレスティアがエレミアに鑑定した結果を伝える
「お母様このトマト凄すぎますわ!味・大きさ・栄養素共に最高品質です!」
エレミア達は目の前に広がる畑を見て思った。
精霊の加護を最大限受けた畑がこれなのだと、エレミアは全員を一度孤児院内の広い部屋に集め話をする事にした。
その前にエレンに冒険者ギルド、商業ギルドにも話をしたいから護衛を連れて代表者を呼んでくるように指示をした。
しかしエレンは商業ギルドは、ミレイがダメだと言っていた事を告げると、ミザリーが即座に商業ギルドを調査するとエレミアに告げる。
「あの子がダメって言う事は何かあるのね、すぐに調べます。」
結局エレンは護衛のケイトを連れて冒険者ギルドに行きオリビアとメルティを連れて来た。
エレミアは集まった者達に、自分の立場を正式に伝えた。そしてこの孤児院をどうして行くかも伝える。
「皆よく聞いて、私はバイスル王国第一王妃エレミア・リア・バイスルとしてこの孤児院をバイスル王国の庇護下に置くことを宣言します!
この孤児院の維持管理は引き続きベルモルト辺境伯家で行って下さい。
何かあれば国として全面的に協力することを約束します。」
ミザリーはエレミアの前に跪き誓う
「エレミア王妃殿下この孤児院の維持管理はこのミザリー・デア・ベルモルトが責任を持って今まで以上に気を配り管理いたします。」
オリビアも跪き誓う
「モルトン冒険者ギルドもミザリー様に全面協力いたします。」
エレミアは不安そうにするエレンや子供たちを安心させるために口調を変え話す
「エレン一応孤児院の設備や畑を見ての行動だから許してね、ここの設備や畑はかなり常識の外れた物になってるから、他の貴族に目をつけられても手出しできないようにしたの」
ミザリーも子供達に優しく説明する
「この孤児院は常識で考えられない収穫量と、品質の野菜が育つ畑、今までにない液体洗剤、井戸から水を組み上げる装置、ミレイがいないとできないとはいえ、透明の窓ガラスにコップがあるからこれらを守るのもあるけど、一番はあなた達を守る事なのよ」
ミザリーは思う、この孤児院はミレイにとって大切な存在。
もしミレイを狙う奴らがいるならこの孤児院は、ミレイをおびき出すため襲われるだろう。
それにこの野菜や洗剤も狙う奴らが出て来るだろう。
作り方を知ってる子供たちは攫われたりもするかもしれない。
ミレイが戻って来るのはここなのだから、それまで親として愛するあの子が戻れる場所を守りたい。
エレミアが子供達に安心するように約束をする
「この孤児院はミレイちゃんの大切がある!それはエレンとあなた達よ!だから私もこのミザリーもここを守るから、ミレイちゃんの帰る場所をね」
するとララとネネがエレミアとミザリーに跪きお礼を述べる
「エレミア王妃様、ミザリー領主婦人様ありがとうございます。」
エレミアとミザリーはお互い微笑みながら子供達にはっきりと言う
「あなた達はミレイの大切な妹でありお姉ちゃん、なら私たちはあなた達のお母さんよ!だから守るのは当然よ、それにねここに私が来たらミザリーお母さんで呼ぶようにね」
エレミアも優しく話しかける
「ミレイちゃんは私にとって大切な娘と同じなの、だからミザリーと同じように私もここにいるときはエレミア母様と呼ぶようにね」
「「はい!ミザリーお母さん、エレミア母様」」
ミザリーは子供たちをみながらここにいない最愛の息子に語り掛ける
『レイ!あなたの大切は私が全力で守るからね、気をつけて戻って来るのよ』
☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・
第一章ベルモルト~モルトン冒険編 完です。
最後少し話がだらだらしてしまい申し訳ございません
第二章はレイとスライム達の新たな冒険と新しい仲間が加わるお話です。個性のある仲間が増えレイの苦労が・・ 楽しみにしててください
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