第47話冒険者エミーア

☆・☆・☆冒険者エミーアとして・・


十数年ぶりに冒険者エミーアの姿で移動するエレミアは、娘二人と精鋭の部下とパーティーを組み一行は、王都を出発してから、途中何度か魔物に襲われるも、冒険者として新人のセレスとシルフ以外全く問題なく魔物を退ける。


「久しぶりに鉄扇を使うからどうかと思ったけど、上手くミズキたちが誘導してくれるおかげで、昔の感覚が戻って来たわ」


フンフン

ヒュンヒュン


ザシュザシュ


グォー


バタン


「エミーア様素晴らしいです」


毎日美容と体型維持のために身体を鍛えていたけど、やっぱり実践はいいわねぇ・・


娘のシルフが嬉しそうにエミーアに話しかける


「エミーア姉様凄いです!学園の剣士クラスでも勝てる人いませんよ!それに楽しそうです」


エミーアも嬉しそうに答える


「フフフええ実践ていいわぁ~ホント楽しいもの」


シオンがエミーアにこれからの移動進路について提案する


「エミーア様これからなんですが、この先で山岳路と迂回するルートに別れます。どうされますか?山岳路はモルトンへの最短コースですが盗賊などの輩に襲撃される恐れが十分ありますが・・」


エレミアは王城を出る時、陛下と一部の者達に今回の件は伝えた。もちろん猛反対されたけど、理由を述べ強引に納得させ出て来たのだ。


もしレイを襲った者にこの情報が洩れたら、どうするのかしら、恐らく私がレイの捜索をしてるのは知ってるはずだから、襲ってくるかしら?試す必要はあるわね


「シオン最短の山岳路を進みなさい!」


「はい!わかりました。皆警戒を最大にして進むぞ!」


エミーア達が山岳路に入っても襲ってくるのは魔物ばかりで、盗賊は襲って来なかった。


あら予想が外れたのかしら・・そう思ってると、それぞれの気配感知にひっかかる


「エミーア様来ました。」


エミーアも頷きシルフとセレスをこの場に待機しを命じ全員に指示を出す


「屑の盗賊は極刑生かす必要はありません!手加減不要行くわよ!」


ダダダダ・・


えーー!


「お母様自ら行くのですかぁー」


パンジーがシルフィー達の護衛に残り障壁を張る


「ああなっては私たちでは止められません、大丈夫です。黒百合部隊最強のカシアと剣聖の二人もいますから」


結局襲って来た盗賊は数が少なく偵察部隊かと思われ、全てエミーアとカシアと剣聖の二人が簡単に処理してしまった。



山岳部では数度盗賊たちに襲われるもレベルが低い盗賊たちでは、レベル100近いSランクの剣聖達の前では問題にならなかった。


それに盗賊たちがエミーアを挑発してしまうためエミーアの暴走で盗賊たちを全て殲滅してしまう結果に剣聖の二人も呆れてしまうのだった。


シオンは思う


『はぁーまた今回もだ・・盗賊ってほんとバカね。エレミア様の暴走でまた今回も全滅させてしまったわ。何度も禁句を叫ぶからほんとバカ!はぁーエレミア様もう少し抑えて下さい・・』


一行は森の中を通過する時はシルフ達に経験を積ませるためシルフとセレスを積極的に魔物と戦わせて指導していた。


「シルフいい感じよ!セレス連携するならあなたが魔法で魔物の動きをけん制して止めてあげなさい」


「はい!エミーア姉様」


フフいい響きだわ


ミズキとシオンも二人を見て満足していた。


「二人ともずいぶんよくなりましたね、まぁレベルも上がったのもあるでしょうが」


「それにしてもエ・エミーア様が姉様とは少し無理が・・」


「シオン!何か言いたいことがあるならはっきりと言いなさい!ビシ!」


こ・こえぇーーーー


『あんたバカなの?余計な事言うんじゃないわよ!盗賊が襲ってきた時思い出せばわかるでしょ!』


『すまない・・』


そう私たちが移動中盗賊が襲ってきた時・・


『ギャハハこのパーティー情報通り女ばっかだぜ!しかもみんないい女ばかりだ・・ん?一人だけ年くってそうなのいるけど、おれなら問題ねぇ』


『ほんとだいい女ばかりだ!お子様は俺が頂くババアはお前に任せる!いくぜ!』


ブチ!


「ミズキ、シオン、カシアあなた達は見てなさい!パンジーはシルフィー達を守ってなさい!」


お母様の怒りのオーラが怖すぎます


ミズキたちも思った。あの盗賊達死んだなと


『エレミア様怖すぎます・・』


エミーアがゆっくり盗賊たちに向かって歩き出す


「誰がババアなのかしら…」


ゴゴゴゴゴゴ…


盗賊達がエミーアの雰囲気が変わったのを感じ騒ぎだす。


それを見たシオン達はあーまた禁句を連呼ダメだあの盗賊達、殲滅姫の鉄扇の餌食だ…


「おい!あのババアヤバいぞ!」


「お前ババア好きなんだろさっさと拘束してやってしまえ!」


「そうだそうだ!欲求不満でイラついてるんだろうギャハハ☆」


「さっきからババアを連呼して!生きて帰れると思ってるのかしらこのゴミムシ!」


ブチブチブチ

ビシャー


「な・なんだ!身体が動かねぇ」

ガクガクガクガク…

「マジや・ヤバい…」

ガクガク…


「女王の威圧…凄過ぎますエミーアさま…」


「お母様威圧抑えて下さい…ぅぅ」


「お母様抑えて・・漏らしちゃう」


エミーアは盗賊達を睨み付け詠唱を始める


「力の根源たる女王が命ずる!精霊よ我の魔力を用いかの者に猛烈な吹雪を・・アイスブリザード!」


バキバキバキゴォーーーーーー


ドスドスドスドス

ギャーーーー

やめろーーー

ギャーーー


「氷が刺さるぅー」


「吹雪で身体が凍るぅ」


「か・ら・だ・が・こ・お・っ・て・い・・・」


パキパキパキ


盗賊たちの氷の彫刻が出来上がるとエレミアは両手に持った鉄扇を高速で振るう



「フン!醜い彫刻は見たくないわ粉々になりなさい!」


鉄扇からは風が巻き起こり凍った盗賊達を巻きあげた後地上に落下する


ヒュンヒュンヒュン


ドスドスドスドス


バリンバリンバリン



「これですっきりしたわ!口の悪い醜い害虫は凍らせるのが一番ね」


盗賊行為は極刑とはいえ少々やり過ぎなような…


エミーア様を怒らせるなんて馬鹿な盗賊・・


「シオンこの辺はどこの領地かしら?」


「トレイル伯爵領ですね、あと少しでベルモルト辺境伯領に入ります」


トレイル伯爵ねぇ・・

なるほどやはり情報が漏れてたのね。

まだ他にも関係領主がいそうね。

私達と知って襲って来てるわね。

特にこの領地に入った頃からこれで3回目か、今回の件が落ち着いたら、徹底的に駆除してあげる。


それまで頑張るといいわ、やるからには徹底的にやるから覚悟することねフフフ


エミーア達は先を急ぎ数日後ようやくモルトンの町に到着する


モルトンでは黒百合部隊のポルテが待っていて、エレミア達が入り口に差し掛かると叫びながら駆けよって来る


「エレミア様あーー!お疲れさまでしたぁー!」


それを聞き大慌ててでミズキが駆け寄りポルテにチョップをかます


てい!


「あいたぁー!」



「何するのよ!ミズキ!」


「ポルテあなたバカなの?ちゃんと連絡してあったでしょ!なんのためにわざわざ冒険者が使う馬車に乗って来たと思ってるの!」


ポルテは注意され思い出す


「あ!そっかエレミア王妃は今回お忍びで冒険者〈パァーン〉」


あいたぁー!


「バカなの!今言ったでしょ!」


「あ!ごめんわすれてた・・」


はぁー相変わらずねこの子は・・


エレミアは思った


リーダーの人選誤ったかな・・


冒険者としてエミーア達はすんなり町に入り冒険者ギルドに向かう


「エミーア様対象の少女は今冒険者ギルドにいることを確認していますので、ギルドに向かいます」


シルフィー達もワクワクしてエレミアに話しかける


「お母様いよいよ会えるのですね」


「セレスも楽しみです」


エレミアは笑いながら話しかける


「みんなもよく聞いて!私たちは冒険者パーティー敬語は禁止!と言いたいけど私の事はお姉さんで呼ぶことで許すからそれでお願いね」


「「「わかりました」」」


カシアが冒険者ギルドの扉を開ける


「では入ります」

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