第46話王妃エレミアの願い
☆・☆バイスル王国エレミア王妃
エレミアはレイがいなくなってから、王国の食糧事情が大きく変わったことを気にしていた。あの子がいなくなるまで王国の食糧事情は一定の備蓄もでき順調だった。
ところがレイちゃんが襲撃され行方不明になってから、毎年収穫量は減り今年はさらに酷い状態だと報告されている、その影響は大陸全土に広がっている。
しかも原因は天候や害虫ではないと、となれば精霊の加護が無くなったとしか考えられない・・
このままだと大陸全土だけでなく下手すれば、全世界に影響があるかもしれない。早急に何とかしなければならない問題だとエレミアは思う。
レイちゃんが襲われた原因も一部の貴族のつまらない理由で襲撃された。しかし証拠がない・・
もしレイちゃんが原因でこのような事が起こってるのであれば、レイちゃんは精霊の加護以上の何かを与えられているとしか考えられない、それならシルフィーが見た魔力の色が七色だったのも納得する。
もしそうならレイちゃんが生きてると信じ見つけたら厳重に保護しなければならない存在だわ。
あれから2年がたち王妃エレミアの元には数々の報告が寄せられるがレイに関する報告は何も上がってこなかった。
そしてさらに時は過ぎ一つの報告が寄せられる、ベルモルト辺境伯領のモルトンで、銀髪の少女のうわさが広まっていると、エレミアに情報が入りエレミアは聞き返す
「モルトンで銀髪の少女?男の子じゃなく?」
王妃直属諜報組織黒百合部隊のサルシャは、モルトンからの冒険者の情報だと伝える
「すみません陛下私も直接行って確認してないのですが、モルトンからの護衛で来てた冒険者が話してるのを聞いたその特長が、銀髪の少女だったのです。それが凄くユニークな冒険者活動をしてるらしいのです。それが少し気になって報告しました。」
何か凄く気になるわねどんな活動なのかしら
「サルシャ教えてくれるかしら」
「はい!初心者冒険者なのですが毎日公衆トイレとタンク掃除ばかりしてるそうです。」
エレミアはそれを聞き驚いた。
『噓でしょ!人が一番嫌がる仕事よ。それを毎日信じられないわね、もしその子がレイちゃんなら公爵家の嫡男として育ってきたのよね。
それがそんな犯罪奴隷がするような仕事を毎日なんて、人違いかしら?
でもホントにそんな事を初心者冒険者の子がやってるのかしら?
もしあの子なら聡明な子だから何か目的があって、その仕事をしてるのだと思うけど…』
エレミアは話を聞きすぐ近くにいる黒百合部隊数名を確認に行かせる事にした。
『もしかしたらあの子かも知れない…お願いそうであって』
そして数日後黒百合部隊ポルテから連絡が入る。
「調査の件ですが、対象はミレイと名乗る女性冒険者で、公衆トイレ掃除を行っていて仕事はかなり優秀との評価です。公衆トイレの掃除は全て完了させ現在は孤児院の救済活動をしてるようです。」
「それで気になり孤児院を調べたところ、私も見たことない設備がミレイによって作られ、ミレイが開発したと思われる洗剤が全く新しい商品として作られています。」
見たことない設備?えどういう事かしら
「一番驚いたのが孤児院の畑がとんでもない事になっています。あり得ないくらいに立派な野菜が出来ています。それに収穫されてないのに数日後見ても同じ状態でした。ほんととんでもない事が起こってます。エレミア様是非一度ご覧になってください」
あり得ないくらい立派な野菜?
やはりレイちゃんかしら、もしそうならあの子は精霊の加護以上に何か与えられた存在、もしくはそれ以上?
レイちゃんを自由にさせてあげることが、今加護が無くなって影響を受けている大陸を救う事になる?
ポルテが町の責任者について報告する。
「ただ現在この町の町長ブライトン準男爵がこの孤児院に目をつけて狙っています。
どう対処したらよろしいでしょうか?」
エレミアは確信するレイを害する行為を行えば精霊の影響を受ける、特に悪い方に…
ならやることは一つ何が何でもレイを守り影響を与えるものを排除しなければならない
「ポルテ!絶対にその子を傷つけさせてはなりません!精神的にも肉体的にもです!絶対守りなさい!私たちもすぐに向かいます!」
「しかし対象の冒険者は、辺境伯家嫡男のレイ様かは不明です。ただ冒険者ミレイの性別は女性のようです、職員が確認しています」
え?どういう事?情報が正しいとすれば性別以外は確実にレイちゃんと思って間違ないわね、性別が女性ってうーん人違い?
報告通りならありえない事をやってる子供が、あの子以外いるとは思えないのだけど、何かあったと思うしか考えられない。
まぁいいわ私自ら確認すればいいでしょ。シルフィーだけを連れて行けば、セレスティアがまた怒るでしょし、レイちゃんが襲撃された時部隊の責任者のカシアも連れて行きましょう。
カシアもあの時の責任感じて落ち込んでるからちょうどいいでしよ。
ただ動くにしても王妃として動けないわね。護衛とかいろいろ問題あるから、今回は身分を隠して行きましょう
装備をすれば問題ないでしょ、久しぶりにあの恰好で行動しましょうかフフフ
あの子達もあの子に会いたいなら私と同じようにして行動するのを条件にして、今回は夜営もする事も伝えましょう
チリン
コンコン
「お呼びでしょうか?エレミア様」
「シルフィとセレスティアを呼んで頂戴」
「わかりました。」
メイドが出て行き暫くして、シルフィ達が入って来る
シルフィ達にはモルトンと言うところで、凄い子供がいるから同行するか聞いてみた。
二人共私の思ってることがわかるようで即答してきた。
「お母様あの子が生きてたのですね!行きます!」
「お母様私もあの子に会えるなら行きます!」
二人共私は一言もパーティーで見かけた少女とは言ってないのだけど… 二人共勘が鋭いのね
「でも今回は身分を隠して行動しますよ!当然夜営もするから、お風呂も入れないわよ」
二人はニッコリ笑い答える
「「はい!問題ありません」」
いい覚悟ね、じゃ今回は辺境伯領のモルトンです。
辺境伯領の領都からは遠いですが、私達の住む王都からだと近いから一般用馬車で移動します。
「二人とも今回は私達3人はパーティーを組んで行きます、二人とも学園でも経験してるから装備はあるわね、」
「はい!私はシルフで登録しています!」
「お母様私もこの前セレスで登録しました。」
エレミアはニッコリ笑う
あらあら、二人共に嬉そうね、今回は念のため剣聖の二人ミズキとシオンそれと魔導師のパンジーと黒百合部隊カシアと数名連れて行きましょう。
全員冒険者で言えばAランク、私もいるしシルフィーとセレステアにはいい体験になるでしょう。
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