第45話ミレイの目標と新たな訪問者

ボクは静まりかえった会議室な集まった人達を見てライム達に聞いた。


『ねぇライムこの中にライム達が嫌いな匂いの人いる?』


ピキ『マスター珍しいのこれだけ人いるのにみんないい匂いなの』


そっかなら話しても大丈夫だね


ピキ『うん安心するの危険ないの来たらやっちゃうの』


おい!パルムさん何ぶつそうなこと言ってるのよ!


ピキ『マスター狙ってる女いるの渡さないの危険は排除なの』


おーいエルムあなたの言ってる危険はボクの可愛い妹だからねやめてね


ピキ『みんなマスタ好きだから眠らせて記憶失くすの』


おい!ミルム何とんでもないこと言ってるのやめて!


『あのねみんなボクの家族とかいるから、ぶつそうなことしないで大人しくしててね』



ピキ『ライム大人しくするのマスターの魔力ほしいの』

ピキ『パルムマスターの体液ほしいの』


ピキ『エルムもほしいの』

ピキ『ここで体液吸うの』


何でもいいや大人しくしててくれるなら


『いいよそのかわり大人しくしててね』



「あの今から教える事はボクの女神さまから授かったスキルが、関係しています。」


そう今から話す事はボクの持ってる知識の出所を女神様から叡智を授かった事にするつもりだ。


「ボクがこの町にきて孤児を助けた事がきっかけで、孤児院の状態を知ることができました。


それでボクの住んでた領都もそうだった事を思いだしました。


この世界の人族の子供の生存率、大人の寿命の短さの原因を知ることが出来ました。それは不衛生な環境が一番の原因だったのです。」


お母様やオリビアさんも意味がわからないみたいで考えているみたいだ。


「少し極端なんですが、孤児院の中の状態を説明します、それで自分達の今の生活状態を考えて見て下さい」


お母様が質問してくる


「ミレイ孤児院の酷い状態と私達の生活の何を考えるのかしら?」


ボクはにっこり笑い周りの人達に


「大丈夫ですわかりますから聞いて下さい」


皆が頷きボクは説明を始めた


「ボクが入った孤児院の中は、孤児の面倒を見てた先生が病気になり、孤児は放置状態になってました。

部屋の至るところに糞尿があり、そこには虫が群がり酷い状態でした。

台所もいつ食べたのかわからない食器にも、虫が集まり異臭が酷い状態でした。」


お母様は孤児院の状態の酷さに、ショックを受けたのか真剣に考えているみたいだ。ボクはさらに話を続ける


「この町にも糞尿の処理場はありますが、守らない人は家の近く町の柵の外に捨てたりしています。

ボクがギルドで受けた公衆トイレのタンクを掃除した時酷い状態でした。」


ボクが公衆トイレの掃除をしたと聞いてお母様もアイラ達も驚いていた。


「ミレイ!あなた犯罪奴隷がするような仕事をやったの?」


「はい!やりました。

皆さんボクがこの町に来た時はもっと酷い異臭がしてました。

それに沢山の虫も糞尿に集まりその虫が町中に飛んでいました。

だからボクはこのままだと、病気の人が増えると思ってギルドの依頼を受けました。」


ミザリーは何か言いたそうに立ち上がったが、何も発言しないで再び座る。

お母様何か言いたそうだったけど、多分このまま聞いてくれるみたい


ボクが公衆トイレ掃除やったから?まぁ叱られるのは後でいいかな


「続けます。公衆トイレや孤児院の糞尿に集まる虫には、病気の元になる菌をいろいろ持っています。

そしてこの虫はいろんな所に止まります。

このテーブルの上とか食器、食べる物にもです。

当然そこに菌がつきます。

皆さんの場所はどうですか?」


みながそれぞれ住んでる場所を思い浮かべてるのか、考えてるのか真剣に聞いている。

大事な事だしちゃんと考えてほしい


「その事を知らない多くの人は、それを触り食べ飲んだりします。

どうなりますか?元気な時は身体の中に菌に抵抗する力があります。

でも年をとったり、身体が弱ってると抵抗力がなくなります。

子供は特に抵抗力がありません。

そうなるとどうなるかわかりますよね」


皆ショックだったのか驚き真剣に考えている


「病気の原因の菌は、目には見えませんだからみんな気がつかないのです。

菌は糞尿に集まる虫だけではありません!

町の飲み水にも菌が含まれてるかもしれません。

採取してる水によっては絶対飲めないような水もあります!」


飲み水も関係あると聞いてみんな驚いてるね


「ボクは見えない菌を少しでも減らすために、この町の公衆トイレの掃除をしたのです。

もちろんトイレに集まってた虫は、全て処理しました。

だから今は異臭も少なくなって、虫も減ったはずです」


オリビアさん達、この町にいる人たちは納得してるみたいだ


ボクは一旦言葉をきり周りを見る、あ!オリビアさんが何かに記録している。

みんなに知ってもらうのいいことだよね。

ただ注意だけしておかないと


「オリビアさんこの事魔道具に記録されてますよね。

ありがとうございます。

公開する時はそれなりに信頼のおける人にお願いします」


オリビアはすぐに謝罪する


「ミレイちゃんすまない勝手に記録して、ただあまりにも重要な事だったから後で聞くために記録してたのだ。申し訳ない」


やっぱりこのお姉さんいいなぁ~


ピキ『ライムマスターにも甘いのほしいの』

ピキ『ムーマスタのニオイ変甘いのパルムも甘いのほしいの』

ピキ『エルムにもほしいのいっぱい体液吸ってやるの』

ピキ『ミルムもイジワルするの吸ってやるの』


パクパクパクパク

チュウチュウチュウチュウ



「はぅ!」


何この子達こんなところで…何を・・ 


『やめぇー 』


んーーー


ミザリーがミレイの様子がおかしくなったので心配そうに話しかける


「ミレイちゃんどうしたの?身体調子悪そうだけど、無理しなくていいのよ」


アイラも心配そうに手を握ってくる


「ミレイお姉ちゃんどうしたの?どこか痛いの?」


ボクはスライム達の攻撃?から必死に耐える


「大丈夫だからごめんなさい」


もぉーなんなのこの子達いきなり何してるの!こんなの我慢すればいいし


「オリビアさん♡そんなに謝らなくても私信頼してますから♡」


ピキ『ムーマスタダメダメなの!みんなで吸うの』

ピキ『マスタダメーチュウチュウ』

ピキ『マスタダメーチュウチュウ』

ピキ『マスタダメーチュウチュウ』


はうーダメなのぉー

『ら・ライム…はぅ許してなの…これ気持ちよすぎて…ダメなの…』


アイラがボクの様子がおかしいので必死に手を握り身体をさすってくれる


「ミレイお姉ちゃんどうしたの?さっきからおかしいよ」


「そうよミレイ体調悪いなら少し休んでなさい」


『お願いミルム止めて変になっちゃうからぁー』


ピキ『マスタはライム達とずっと一緒なの』

ピキ『マスタパルム達が認めないと甘いのダメなの』

ピキ『エルム子供達好きオリビアまだダメなの』

ピキ『マスタはミルムのオリビアのじゃないの』


『うん… わかったからぁ』


ピキ『みんなやめたげるの』


助かったぁ

はぁはぁ…


要するにこの子達が納得する相手じゃないとダメなんだ、これから気をつけよ


「ミレイお姉ちゃん?」


ダメだ誤魔化さないとまずい


「皆さん心配かけてごめんなさい、ちょっとおかしくなったのスキルの影響なのもう大丈夫です」


ミザリーもアイラも一応納得してくれる?


じーーー


アイラはずっとボクの胸を見てるけど、ばれてないよね?


「すみません説明の途中で」


変な声出しまくってたのにみんなボクを優しく見ていてくれている


「ボクはこの目に見えない菌を抑えたり、身体に取り込まないように、対策を考えました。

それが孤児院にあります。

後で見に来てください。

そしてその菌の対策の一つがボクが開発した洗剤です。

見本持ってきてるので見て下さい」


お母様がボクの行動を止めてオリビアさんに話しかける


「ミレイちょっと待って、あの洗剤を出す前に確認したいことがあるの。

このギルドの責任者はオリビアだったかしら?」


あっそっか、お母様たちはボクが洗剤を送ったから知ってるんだ。


「はい!そうですが、何でしょうか?」


もしかしてボクのトイレ掃除の事?オリビアさんごめんなさい…


「公衆トイレの掃除は、公共事業だから領主管轄で領主が各町村の責任者に毎月支払ってるはずよ、それがギルドに依頼されてたの?」


オリビアはなぜ依頼をだしたのかを説明する


「依頼の件に関しては町長からではありません!

公衆トイレ周辺の住民からのクレームが多くて、ギルドの非常用資金で依頼を出しました。」


ボクは驚いた。じゃ町長は?

孤児院の運営資金だけでなく領主から支払われる公共事業の資金も着服してるって事?最低な奴だ!


お母様が怒り立ち上がった


「これは至急取り調べる必要あるわね。オリビアこのままケイトたちを町長屋敷の案内と立会いの依頼をお願いするわ、よろしいかしら」


オリビアは頷き自身も書類を持ち立ち会うと言う。

お母様も町の公衆トイレの周辺住民からのクレームが何時ごろから来てるのかまとめてほしいとお願いしていた。


「ごめんねそれでミレイ話を中断させて、それで女神様から授かった知識でその菌が病気に影響してる事がわかったのね。

私達はその菌を何とかすれば、子供の生存率が上がり、私達成人してる者も寿命が延びるのね」


「はい!まだ他にもありますが、一番は菌の発生を抑えるためにハエなどの虫を発生させない事。

それにはこの不衛生な状態を変える事です!

ボクはこの領地から環境を変えて、多くの子供たちを救いたいです!

これがボクの目標です!」


みなまだ理解してないみたいだけど、この世界に顕微鏡何てないし作り方も知らないし。

とにかく環境を変えて病気の人が減れば、ボクの言ってることがわかってくれると思う。


あとこの世界のポーション職人さんが作る回復ポーションでは怪我とか体力は回復するけど病気は治らない事、多分わかってると思うけどいろいろ教えてあげなきゃだ。


コンコン


「オリビア様冒険者エミーアと言う方が面会を求めて来られています。」


オリビアは誰だと言う顔をしている


お母様はすぐわかったみたいで、嬉しそうにしている


ボクは更なる訪問者に嫌な予感がしていた。


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