第52話子供たちの救出

ボク達が会議室を出て1階のフロアに降りるとララとネネが待っていた。二人はボクを見て泣きながら駆け寄って来る


「うわーん!お兄ちゃん!先生がぁ連れていかれちゃう!早く孤児院に助けに行ってぇー」


ちょっと何言ってるの!こんなところで!周りの冒険者達がボクを見てるまずいよ…


ピキ『マスターこの二人大丈夫なの、正直に話すのぉ』


ピキ『マスターネネはパルム達の事気づいてる隠すのよくないの』


ピキ『エルムネネの匂い好きだから話したらいいの』


ピキ『ミルムは孤児院の子供たち好き、でも男の子はダメ話すの女の子だけがいいの』


ライム達もそう思ってるなら話すか…

ボクはララ達に顔を近づけ小声で話す


『ララ、ネネ、ボクの秘密教えるから黙って聞いて!

ボクは悪い奴に狙われてるから女の子の姿してるの。

それにミレイには守ってくれてる仲間がいるの、ここでは無理だけど後で見せてあげるから、ボクの事は女の子として呼んでお願い…』


するとララとネネは嬉しそうにボクに抱きつく


「ミレイお姉ちゃん!なんで女の子なのにボクって言うの!

何度も言ってるでしょ!女の子なんだから私って言うように!」


「ごめんなさい!気をつけるから」


冒険者達もそれを聞き納得したみたいで笑っている、問題はアイラが二人に文句を言い出したことだ


「ちょっと!あなた達ミレイお姉さまにくっつき過ぎです!離れなさい!」


「嫌!ララ達仲良しだからいつもこうしているの!ねぇーお姉ちゃん」


くっ!こいつらボクが逆らえないの知ってて…

このままじゃアイラが暴走する何とかしないと… どうしょう


ボクが困ってるとお母様が助けてくれる


「ミレイ!それにララとネネだったかしら?あなた達急がなくていいのかしら?」


お母様の言葉でララとネネが慌てだす


「そうだ!ミレイお姉ちゃん孤児院に町長が来て先生を連れて行こうとしてるの!早く来て!」


ララとネネがボクの手を引っ張り走りだす!


「早く!お姉ちゃん!」


ダダダダダダダ…


お母様もボク達が先に走り出したのを見て周りに指示をする


「アイラ!サテラ!追いかけるわよ!メリル達は後からでいいから来なさい!」


エレミアもシルフ達に指示をする


「パーティーメンバーは私について来て!シルフ達はメリル達と一緒に来なさい」


「「「はい!」」」


オリビアも指示をする


「ミレイちゃんの事わかってるでしょ!絶対傷つけるような事があってはならない!ケイト達Bランク冒険者は後を追いかけて!」


「「「わかりました!」」」


ケイト達冒険者も数名後を追いかけて行く


オリビアはケイト達を見つめ呟く


「頼んだわよケイト!」


タッタッタッタッタ…

ミザリーお母様もアイラと護衛を連れボク達の後をついてくる、オリビアさんに指示された冒険者のケイトさん達もお母様について来る


ボクは走りながらスライム達にお願いする

『ライム、パルム、ミルム、エルムボクに力を貸してください!上手くボクが魔法使ってるようにしてほしいの!絶対孤児院は守りたいから!」


ピキ『ライムはマスターの言うとおりするの』


ピキ『パルムはマスターに悪いことする人間バンバンやるのぉ』


ピキ『エルムマスター守るのぉ』


ピキ『ミルム孤児院守るのぉ』


スライム達はいつも通りだけど、今回は止めないかも大切な人達を絶対守る!


ボク達が孤児院に向かって走り出して数分の所で子供が血を流して倒れていた。


ボクは慌てて駆け寄ると孤児院の子供ナナが顔と身体に激しい暴行を受け倒れていた。


ララ達も泣きながらナナの名前を呼んでいる


「ナナ!どうして・・誰にこんなことされたの・・ぅぅ」


するとナナが微かな声で謝って来た


「ごめんなさい・・おねえた・ん・・あいつらに・・わ・れたの…」


ナナが手を示した方角に黒装束の男達が数人歩いて行くのがわずかに見える


それを聞いたお母様とエミーアさんは付いて来てるメンバーに指示をする

「サテラ、クララ行きなさい!拘束する必要ないから」

「は!」

タタタタタタタタタタタタ・・


エミーアも指示を出す


「相手は闇の者かもしれないから、カシア、シオン行きなさい!闇だったら処分してかまわない!気を抜かないようにね前の二人にも伝えなさい!」


「は!」


タタタタタタタタタタタタ・・・


ボクはライムにお願いしてヒールポーションを出してもらって傷口にかけてからゆっくり飲ませた。


皆がボクがやることを静かに見守ってくれる


「ナナ飲んで!」


ゴクゴクゴク


パァーーン


するとナナの身体が温かくなり薄っすらと光を放つ数十分続き光がおさまり、ナナの呼吸も安定する。


みんな驚いていたが誰も何も言わなかった。多分ボクの気持ちを考えてくれてるのだと思う


ナナはケイトさんの仲間の人がおぶってくれて後から来たメリル達と一緒に後から連れて来てくれる事になった。


「リンこの子の事頼んだわよ、後からゆっくり来てくれたらいいから」


「わかりました。シルフさん達と一緒に後から向かいます。」


暫くしてサテラたちが戻って来て報告をする


「ミザリー様エミーア様黒装束集団は貴族の闇の部分を担当してる暗殺集団です!

あの特徴は山岳部に住む者達ではないかと思います。

私たちが近づくと魔道具を使い逃げられました。」


エミーアもミザリーもお互い頷きあっていた。


お母様もエミーアさんもわかったの?


お母様もエレミアさんも完全に怒ってる。


指示する口調が怖いもん


お母様が皆に指示をする


「皆よく聞きなさい!この件は他の貴族も絡む重要な問題です!

暗殺部隊までついています。決して油断しないように!」


エレミアも捕捉する


「ブライトンの捕縛はもちろん、暗殺部隊は捕縛は必要ありません!手を抜くとこっちが殺られます!全力で殺りなさい!」


エミーアのパーティーメンバーやサテラ達は頷く


ミザリーはナナが落ち着いたのを見てミレイに話しかける


「ミレイ。ナナちゃんは落ち着いた見たいだから、孤児院に急ぎましょう」


ミレイはナナを背負うリンに近づきナナを見る


「リンさんナナの事よろしくお願いします」


ボクはリンさんの背中で眠るナナに誓う


『絶対孤児院の子供達と先生は助けるから』


「お母様ボク行きます!こんなことする奴ら絶対許さない!」


ボクはスライム達の力を借りて孤児院に向かって走りだす


タタタタタタタタタタタタ…


お母様が慌てて叫ぶ


「ちょっと待ちなさい!ミレイ!あなたに何かあったらどうするの!」


あの子はもう!


ミザリーもすぐに駆け出す


「皆急いでミレイを追いかけるわよ!」


「「「はい!」」」


タタタタタタ…

タタタタタタ…

タタタタタタ…

タタタタタタ…


「ミレイちゃん待ってぇーー!」


タタタタタタ…




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