第5話お披露目パーティ①

こうしてボクは、4週間後王城で開かれる、第二王女セレスティア様の5歳のお披露目パーティーに参加することになった。


辺境伯領は、王都から遠く馬車で3週間以上かかるため、ボクたちは急いで準備をし出かけた。


お母様にパーティーで体調が悪くなったら、すぐに退席してもいいと、許可をもらってた、そして4週間後・・・


ボクは、綺麗な可愛いドレスに身を包み、髪も整えられ、化粧もほどこされた姿で、父と母の前に立っていた。


「お父様、お母様どうでしょうか?

変じゃないでしょうか?」


その姿を見て、お父様は驚き言葉をなくして、ただボクを見つめ何か呟いていた。


『これ程とは…可愛い過ぎるうむ…』


お父様呆れてしまってるのか、黙ってるし、それに比べて妹は、ずっとギャーギャー言って来るから、仕方なく妹と一緒に手を繋いだ。


妹は、お父様とお母様の前に行き、ご報告がございます。

ってと言うから何報告するんだって思ってた。


「お父様お母様、私レイお兄様と結婚します。」


はぁー!何考えてるんだ!

こいつとんでもない行動にでやがって!

だいたい兄妹で結婚できるわけないだろう!って思ってたら、お母様がニコニコしている

え?どういう事?


「あらその手があったわね、それいいわ!

アイラとレイが結婚すれば、問題解決するじゃない!ねぇあなた」


えーー!


「おおそうじゃそれがいい!

王都におるレイカも、娘とレイの結婚は喜ぶじゃろう」


いやいや!いくらアイラが第二婦人の子供だからって、ボクとは、兄妹は変わりませんよ!無理でしょ!



お母様は、それに気をよくしたのか、ボクを見て興奮して、嬉しそうに抱きしめてくる。


「きゃぁー!何て可愛いの!まるで妖精のようだわ♪レイは、どこにもやりません!」


ギュー


「レイ様ほんと可愛い♪」

「可愛すぎます!」


周りのメイド達も興奮している。

ちょっと興奮してないで、お母さまを何とかしてょ・・

暫くボクを抱きしめて、満足したのか、お母さまは、ボクの手を握り歩き出す。


「さぁレイちゃんアイラちゃん、パーティーを楽しみましょ♪」


「レイお姉さまに誰も、近づけさせませんわ!」


「・・・はい」


ボクは、お母さまと妹とに手を引かれ、パーティー会場に向かった。


会場の入り口で招待状を見せ、案内係に会場の扉を開けてもらい中に入る。


「確認しました。ベルモルト辺境伯様、こちらがパーティー会場でございます。

始まるまで少しお待ちください」



ボクたちが中に入ると、他にも招待された貴族がいて視線が集まる


「おぉーこれは・・」


え?何なんなの?

ボクを見て何か言ってる・・

大丈夫なの?

ばれてないの?



ボクが不安がっていると、お母さまが耳元で話してくる。


「みんなレイの姿を見て、驚いてるみたいね、ちょっと予想外かしら・・」


え?お母様それってまずいんじゃ・・


「レイお姉さまに近づくゴミは、抹殺しないと・・・」


おーい妹よ!ここは王家主催のパーティーだぞぉ!不穏な言葉はやめろー


「レイよ、この反応はちと予想外じゃ、これは早めに退席したほうが、いいかもしれんのぉ」


「え?どういう事ですか?女装がばれたのですか?」


お母様は、少し笑いながら答えてくれる


「違うわよレイ!皆あなたがあまりにも綺麗で可愛いから、注目してるのよ。」


えー!そんなに…


「見てご覧なさいあれはシルフェルト公爵よ、親子でじっとあなたの事見てるわ。」


うわーほんとだ…


「あっちは、エトレイナ伯爵ね、親子であなたを見てるわね。しかも令嬢の方があなたを見て驚いてるわね。」


何かガン見されてるんだけど…


「他にも注目されてるわ。ここまでだと、王家に挨拶にお伺いする前に、レイだけでも、退席したほうがいいかもしれないわね」


はぁ・・そんなになのボクの容姿って…

ボクはあまりにも恥ずかしく、お母様の後ろに隠れて周りを見ていた。


お父様の所には、下位の貴族が挨拶に来ていろいろ話をしていた。


お母様も他の貴族の婦人の人達とおしゃべりしてる。

二人ともボクの事を、長女ミレイと言って紹介している。


お父様は、教えてくれる、ベルモルト辺境伯領は、他の領地からは遠い場所にある。

一番近い町からでも、最低馬車で1週間以上かかる、その間途中野宿になる。

そんなところに、誰が好んで来るかね、って言ってたけど、大丈夫かなぁ・・


いくら辺境の領地だからと言って、安心しすぎだよ・・

まぁボクは、あと1年もすれば平民だし関係ないか


あ!王家の人達の登場だ!

女の子が二人いる、第一王女と第二王女様かな?


陛下の挨拶があり、王女様の紹介か・・


ずっとお母様の後ろに隠れてたボクは、少しだけお母様の後ろから、顔を出し見てみた。


あれが王女様か、二人とも綺麗だけど、緊張してるのか顔が怖い・・


セレスティア様の方は、目つきが鋭くて何かを見てる?

探してる?なんか怖い・・

ん?ヤバイ目があった?

ボクはすぐお母さまの後ろに隠れた。


マジ王女様怖い・・結構離れてたのに気のせいかな・・

もう一度だけそーっと見て見よ・・


ビシ!


え?ボクに何かが突き刺さった?


ドキドキドキ・・


何もないけど、ヤバイ!

ドキドキが止まらない・・

逃げたほうがいい気がする


「お母様、ボク気分が悪くなってきたのですが・・」


母は頷き近くのメイドを呼ぶ


「レイ!用意されている控室で待っていて、私はまだ抜けれないから、それまで大人しくしてなさい」


「わかりました。」


ボクはメイドに案内されて、会場をでてすぐ近くにある控室に、連れて行ってもらった。


「ミレイお嬢様、ここが辺境伯様の控室でございます。

ご用がございましたら、このベルを鳴らしてください」


バタン


ふぅ・・危なかった・・

何だったんだろう、マジあの王女怖い

もう一人もずっと見てたし


でもビックリしたのが、めちゃめちゃ綺麗な王妃様が、何か王女に言ってから、二人が、こっちを見たような気がするんだよなぁ・・


まぁここにいれば安心かな

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