第4話話し合い(改)
部屋に戻っていろいろ考えていると父と母が入って来た。
コンコン
「レイよ入るぞ!」
ガチャ
「どうされたのですか?お父様お母様」
顔色の悪いお母様が駆け寄りボクを抱きしめてくる
「レイ許してね。生まれた時から身体の弱かったあなたは外で剣術や身体を鍛えることが出来なかった。
それが一番重要な神託の儀で、女神様から神託された職業スキルに影響したのだと思うと・・
ほんとごめんなさい」
「お母様自分を責めないでください!」
自分を責め続け泣き崩れる母に抱きしめられる
「もっと丈夫な体に生んであげてればこんなことにならなかったのに・・ぅぅ 」
父もボクに近寄り母と一緒に抱きしめてくる
「ミザリーよこうなったのも儂にも責任がある。皆の手前あの場ではレイの事はああ言うしかなかった。
貴族の子供として嫡男として生まれたからには、領地の役に立たない職業スキル持ちは、廃嫡にするこの国の決まりだ。
過去にもあまり例がないくらい、異例のことなのだ許してくれ・・・」
お父様もお母様もほんといい人だ!
女神様から神託されたスキルが役に立たないとわかっても、ボクじゃなく自分たちが悪いと言ってくれている、凄く優しい両親だ。
ボクはこんな両親に育ててもらってすごく嬉しく思う
「レイよ儂がお前にしてやれるのは8歳までじゃ!
それまでまずその身体を治しなさい!
援助できる今のうちにな」
お父様もお母様も、ボクの事をこんなに思ってくれてたんだと思うと、うれしくて泣きそうになる
父はボクに尋ねて来る
「レイよ、スライムマスターだったか?
それはスライムを従魔にする、獣魔術師と言う事なんじゃろ?」
お父様がスライムについていろいろ話してくれる
スライムは森の掃除屋と言われ、死んだ魔物や動物を食べる魔物じゃ
戦闘には全く向かないが、何か利用できるかもしれん、よく研究するのじゃぞ!」
「はい!」
「いいか決してあきらめてはならんぞ!
つまらん貴族の取り決めさえなければのぉ・・
下級貴族であれば多少のごまかしは聞くのだが・・」
お父様の話では
大領地を与えられた上位貴族は3男まで領地経営・国家に貢献できる職業スキル持ちに限る、以外は平民とせよ・・
過去に一度上位貴族の嫡男が陶芸の職業スキルが与えられそれを偽り報告
それが8歳の貴族登録で嘘がばれ嫡男は国外追放、上位貴族は領地一部没収爵位降格
高額の罰金処分になった例があるらしい
お父様は優しく言ってくれる
「すまんのぉレイ、今回の処分は仕方ないのじゃ!
レイ8歳までしっかりと身体を治しなさい」
お父様の話しは凄く嬉しかった。
ほんとなら役に立たずは追放だぁー!
ってなって母屋から納屋見たいなところに移されてもおかしくないのに…
お父様は優しいなぁ、ありがとうございます。
「わかりましたお父様」
お母様が、優しくボクを撫でてくれる。
お母様!責任何て感じなくていいですよ!
お母様は、ボクが倒れて寝込む度、すぐに駆けつけ看病してくれる。
お父様がいない時は、ボクと一緒に寝てくれる。
ボクはそんな優しいお母様が大好きだ!
お母様がボクに優しく話しかけてくれる
「レイあなたはずっとこの家にいてほしいの。
でも追放処分の決まったあなたが、この家にいつまでも留まっていたら、いつか通報され、あなたに処分が下されるわ。
でもね出て行っても、領都に家を与えるから、そこで無理せずゆっくりと身体を治しなさい」
ボクは頷く
「心配しなくても、あなたの身の回りのお世話をしたいメイドは、沢山いるから彼女たちに任せるわ。
私も毎日会いに行くわ、だから追放になっても何も心配いらないわ」
お母様何を言ってるの?
「えーー!そんなことしたら、何か言われますよ!」
「かまわん!規則は守ったんだ!
家系から外し平民にし屋敷からも追放としかない!
問題なぞない!レイは家系から外れても大事な儂の子供じゃ!
誰にも文句は言わせん!」
お父様まで…グスッ
「お父様・・」
「レイ私たちはどんなことがあってもあなたを見捨てたりはしないわ!
だって、大好きな私の子供なんだから・・」
お母様…ぅわーん
ボクは嬉しくて、お母様に抱きついた
「お母様大好き・・グスッ」
ミザリーはレイを優しく抱きしめる
「あらあらウフフ・・私の可愛いレイ愛してるわ」
「レイ!いつまでもミザリーに甘えてはいかんぞ!
ミザリーは儂が一番なんじゃぞ!
はよぉ離れんか!」
お父様ボクはお母様が大好きなんです!絶対譲りませんから!
そんな思いで、お母様に抱き着いたままお父様を見てると、あきれ顔でボクを見つめ、笑いながら話して来る
「レイはホントにミザリーが、大好きなんじゃのぉ
レイよ!よく聞くんだ。
お前は8歳まではこの辺境伯家の子供じゃ!これは事実じゃ」
「うん。それはわかるけど・・」
「それでだ。近く行われる第二王女セレスティア様の5歳のお披露目パーティーに、我が家は招待されておるのじゃ
どうじゃお前の大好きなミザリーと一緒に参加してみんか?
もちろん儂もアイラも行くぞどうする?」
王女様のお披露目パーティー?え?
お母様とアイラも一緒?
ボクもいいの?
「いずれ出て行くこのボクが、参加していいのでしょうか?」
「貴族のパティー参加も、これが最後になるだろうから経験しておきなさい」
えーー!何言ってるのお父様!
王家のパーティーですよ!
ダメでしょ!
そんな事を思ってたらお母様はボクの手を握り話してくる
「レイあなたは身体も凄く小さく色白で身体も細いの、女性からすれば全然男らしくないから、誰かの目に留まることはないわ、残念だけど・・」
確かにボクは、色白で身体も小さく細いから、よく女の子に間違えられるけど・・
お母様は落ち込むボクを見て微笑みながら話しを続ける
「フフフだから、何も気にせず楽しんで参加したらいいわよ。
何ならドレスでも着て参加する?
レイなら凄く似合うわよ」
はぁ?何言ってるのお母様?
「そうよの、レイはどちらかと言えば、可愛い少女にしか見えんから、それも面白いかものぉ」
お父様まで何言ってるの?
「そうね、そうすれば万が一、誰かから声がかかり、婚約って話しもないわね、だって我が家にいる娘は、容姿が全然違うものウフフ…
私も、娘のレイとパーティーに出席してみたかったし、それがいいわ」
お母様ぁー!
な・何を言ってるのですかぁー
冗談ですよね?
「お母様?そんなことして、ばれたら大変な事になりますよ」
え?何二人とも笑ってるの?
母も父も笑いながら貴族のパーティーの事を話してくれる
「貴族のパーティーでは、子供を使って貴族間で取り入る事を狙うから、特に初参加の上位貴族の子供は、狙われやすいのよ。
だから女の子には、男の子の格好をさせて参加させる上位貴族もいるわ」
「そうじゃだから、問題などないぞ!ミザリーも楽しみにしてそうだし、アイラもきっと喜ぶじゃろ決まりじゃ」
「えーーー!」
「フフフ楽しみだわ、娘二人とパーティーに参加できるなんてはぁー」
ダメだ、お母さまめちゃくちゃ嬉しそうあんな顔見たら断れない・・
こうしてボクは、女の子としてお披露目パーティーに参加することになった。
『何も起こらないよね・・パーティーでは大人しくしてょ』
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