第3話女神様からの授けられた職業
ボクは今日7歳になるベルモルト辺境伯家嫡男レイ・デア・ベルモルト、今日女神様の神託の儀を受けるボクの人生の重要なイベントだ。
ほんとなら5歳の誕生日に受けるのだけど、小さい時から身体が弱いボクは、5歳の時も6歳の時も倒れて寝込んでいた。
ボクの住む世界は女神グランシア様が信仰されていて、毎年5歳になる子供は教会や特定の場所で女神様から職業神託の儀を受けて授かる。
女神様に授かる職業は生まれ育った環境や両親の職業スキルも関係しほとんどが関係するスキルが継承する事が多いそうだ。
木こりの家に生まれれば木や森に関係する職業スキルか、親と同じ職業スキルが授けられ、騎士の家系なら剣技、槍技系スキルが授けられることがほとんどです。
女神様から授けられた職業スキルは特別で、それ以外の事をしようとしても10年修練してもスキルを習得することは出来ない。
つまり剣技を10年修練した者と剣技のスキルを持ってる者が1か月修練した者に剣技で勝負しても勝てない。
それに神託された職業スキルは派生スキルも習得しやすくなり、剣技には身体強化や瞬足と言ったスキルも習得しやすくなるらしい。
つまり女神様のから神託される職業スキルは効果がまるで違うものなのだ。
だから人生で最重要イベントなのです。
妹のアイラが5歳になった時神託の儀を受けた。
お父様は妹のアイラが異例の2つの神託スキルを授かったことで大喜びしてボクにもと期待していた。
お父様はバイスル王国で剣士として活躍した有名な人で、戦争で数々の武勲をあげてこのベルモルト辺境伯の領地を与えられたのです。
だから妹のアイラが魔法戦士と剣聖の二つの上位スキルを授かった時は大喜びしていた。
だからボクにも期待しているのだと思う。
2年前も昨年も体調が悪く参加できなかった。
ボクは7歳の今年は神託されることが出来る最後の年、今はギリギリ体調が保ててる、ようやくボクも職業神託儀が行なわれる。
でもボクは病弱で身体を使った職業は無理だと覚悟していた。
ボクは憂鬱な気持ちで教会に向かった。
教会に着くと、執事に案内され教会に入り執事が神官に挨拶をする
「神託の儀式を受けに参りました。辺境伯家のレイ様です、よろしくお願いします」
神官は一礼し静かに説明をしてくれる
「神官のハマスと申します。」
今日は職業神託の儀ですが、緊張されると思いますがどうぞ気を楽にしてください。
あちらに女神像の部屋がございます。
そこの巫女と一緒に入り巫女の指示に従ってお祈してください。
神託されると身体が少し温かくなります。
この時スキルが授けられていますので、後でステータスと念じれば頭の中に何が授けられたかわかるはずです。
説明は以上になります。
よろしいでしょうか?
丁寧な説明にボクは頷返事をする
「わかりました」
ボク巫女と一緒に女神像の部屋に入る、そこには白い綺麗な女神像があった
『うわー可愛くて凄く優しそうな女神様だ・・そうだ祈らなきゃ』
ボクは指示通り女神像の前で膝まづき祈りを捧げた
『女神グランシア様ボクは今日まで何とか生きて来れました。ありがとうございました。ボクはこんな体です、戦闘系の職業はいりません、ボクは人のため・・この世界・・グランシア様の造った世界のために役立つ職業がいいです』
ピカァーー
目がぁ・・ん?白い世界だ・・祈りだめだったの?
『レイ・・聞こえますか?』
『え?女神様ですか』
『そうよ、レイあなたはほんと優しいいい子ね地球でも、その前のアルカトラでも大変だったのに・・
ほんと優しいいい子ね。レイあなたにはスライムマスターと言う特別な職業スキルを与えます。超レアなユニークな職業スキルになります。
あなたにしかできないレアな職業スキルを頑張ってマスターしなさい。
あの子達に伝えたら喜んでたわ、すでに移動始めた子もいたわよ
楽しみにしてなさい。
使いこなせればあなたには楽しい人生になるでしょう・・
あなたは特別な子だから・・
頑張るのよレイ私達はあなたをずっと見守ってるから』
ピカァーー
ボクが目を開けるとそこは元の女神像があった部屋だった。
今の夢じゃなかった?何超レアのスライムマスターってまぁいいや執事が待ってるから戻らないと
ボクは部屋から出ると執事がボクを見て話しかけてくる
「お屋敷にて旦那様がお待ちです」
ボクは馬車に乗り込み教会をでて屋敷に戻った。
屋敷ではメイド達が出迎えてくれていた。
ボクがリビングに入ると辺境伯嫡男がスキルを授かったとして、大勢の者達が集まっていた。
えー!この中で報告するの?父様はめちゃくちゃ期待したそうだし、お母様は心配そうに見てるし。
妹は… あれはダメだスキル何て関係なしに飛び込んでくるつもりだ。
はぁ気が重い… とりあえず報告するか
「ただいま戻りました。」
父様めちゃ嬉しそう…父が期待してるぞ!って声が聞こえてきそう…
うう重いよぉ
父がボクに話しかけて来る
「レイよ、神託の儀で賜った職業スキルは何だったのだ、虚偽はいかんぞ!貴族院の報告の時にばれるからな」
うわーお父様の声聞こえてきそう
『ほれ遠慮せずはよぉ言ってみろ、レイは頭がいいから軍師か、賢者だろうワクワク』
大丈夫かな・・ボクは女神様にあった事も超レアな職業だと言われたことも話さずスキルの事だけを報告した。
「はい!スライムマスターと言う職業を頂きました。」
それを聞き周りが静かになる、父も驚き何を言った!って感じで見て来る。
これってダメな感じじゃない?みんなもキョトンとしてるし、妹も何それ?って感じで動こうとして止まってるし、大丈夫かなぁ
「レイよ今スライムと言ったな!スライムは全く役に立たない最弱の魔物だぞ、魔石も捨てられる屑の魔物じゃ!そのスライムのマスターつまり従魔術師と言う事か!」
うわー予想通り怒ってるよ・・
ボクだってよくわからないし何て言ったらいいの?
女神様は超レア見ないな事言ってたけど
そんなこと言ったらとんでもないことになりそうだから言わないけど
「よくわかりませんが、スライムを従えることが出来るのは確かです」
「それはスライム以外は無理ではないのか?他に賜った職業はないのか!」
スライム以外?うーん無理そう…他はないねうん
「はい!スライム以外は無理そうです、スキルはこれだけです」
ボクの報告を聞き母は項垂れ泣きながら部屋を出て行く、
うぅ…
バタン
『お母様…ごめんなさい』
父は怒り交じりの声でボクに話してくる
「いつも病気で寝込むお前にピッタリの職業だが、我が領地は辺境にあり広大な森があり魔物も多く生息する。
その領地を守り治めていくのに、そんな最弱の役に立たない職業スキルで何ができる!兄妹二人でこの広大な森を開拓し領地を広げて力を合わせてこの辺境伯領を治めてほしかったのだが・・」
あぁこれダメだ、そっか規則か・・
貴族院の規則
【この国の貴族の子供として生まれた者は女神様から神託される職業スキルで領地・王国に役に立たないスキルを持つ者は貴族として民を守ることは出来ないよって8歳の貴族登録年度に貴族位登録の権利をはく奪する】
だったか・・
お父様が皆の前で宣言する
「レイは貴族院規則に従い役に立たない職業スキルを持つお前を伯爵家から追放処分とする!」
お父様がボクに話してくれる
貴族院の規則だ!体の弱いお前には辛い事だが、貴族の子供は8歳で貴族登録をする必要がある。
その8歳の登録年度中にお前はこのベルモルト辺境伯家から出て平民として生きなさい。
8歳までは親の責務がある、辺境伯家が8歳未満の子を追放しては、貴族監視院からいろいろと追及される。
それまでは我が家にてその病弱の身体を何とかしなさい。8歳になれば冒険者や商業ギルドにも登録でき生きていくことが出来るだろう
そう言ってお父様はボクの頭を優しくなでて部屋を出て行く
ガチャ
バタン
お母様も規則の事があるから辛くて部屋を出て行ったんだ・・
ごめんなさいお母様・・
はぁーやっぱり予想通りか・・ボクが落ち込んでるとボク専属のメイドのメリルが慰めてくれる、
「レイ様は身体も弱くずっと寝込んでいました。ですから女神様から与えられたスキルも何か意味があるはずです!」
「ありがとうメリル」
「お優しいレイ様の事は女神様もきっとご存じのはずです。だから落ち込まないでください。私はどんなことがあってもレイ様のメイドです。なんでも言いつけて下さい」
メリルは小さいときからのボク専属のメイドだ。どんな時でもボクの事を思ってくれる、こんな時でも優しい言葉をかけてくれる
「メリル、とにかく部屋に戻るから」
「わかりました、後でお茶でもお持ちします」
ボクはいつも騒がせる妹を見た、アイラは何か考え事?何かぶつぶつ言っている、あいつの事だから絶対ろくな事じゃない、突撃されないだけましか、今のうちに部屋に戻ろ
ボクはこれからの事、スキルの事をいろいろ考えるために部屋に戻った
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