第37話洗剤工場が町長に狙われました。
孤児院でお風呂が毎日入れるようになってからは、お風呂から子供達の楽しそうな声が聞こえてくる。
みんな楽しくて仕方ないんだろうずっと、キャァーとかアハハとかにぎやかな声が聞こえる。
暫くすると満足したのか、綺麗になった子供達がお風呂から出てくる。
「みんな楽しめたみたいだね、じゃこっち来て!髪乾かすから」
『パルム風魔法で子供達の髪乾かすからお願いやさしい風だよ』
ピキー『わかったのぉマスターのイメージの風作る』
ボクは子供達とエレンさんの髪を乾かすと、みんな気持ちよさそうにしてる
「気持ちいい髪サラサラだぁ♪髪キラキラしてるう」
エレンさんも嬉しそうにしている
ボクはみんなが喜んでる状態で話しを始める
「洗剤作りが慣れて来て、安定した量が作れるようになったら、エレンさんに洗剤の届出と販売許可をしてきてもらいます」
エレンさんは不安そうに、ずっと下を向いている
「エレンさん、心配しなくて大丈夫ですよ、洗剤のレシピと試作品を申請すれば受理されたら、この商品は保護されます!販売も堂々とできます!」
え~まだ納得しないの?まだ不安あるのはなんで?
子供達も下を見てるなんでだ?
エレンさんだけでなく子供達まで・・
そうか!町長だ!
孤児院を酷い状態にして放置した屑だ!
こいつかぁ・・
エレンさんが不安に思うの無理ないと思う。
ここの孤児院潰すつもりでこの町の管理者や町長さんは動いてた見たい。
ボクが孤児院を建て直し、洗剤など販売して孤児院を運営したら、絶対何かしてくるのわかってる。
町の管理者は代理菅で、下級貴族の準男爵で、町のあらゆるところにコネと情報網がある権力者、商業ギルドは抑えられる可能性がある。
冒険者ギルドのあのお姉さんは、信用できそうだからお願いしてもいいかもしれない。
でも動くのは、ボクが一番信頼できる、あの人に連絡してからにする。
それまでみんなの教育と、洗剤工場の効率を上げるために、植物油が採れるツバキ科、ラタネ科、モロコシ科の植物を孤児院の敷地で栽培、器の焼き物の素材の粘土の収集、といろいろやる事あります。
その事が終わらせてからになると、エレンさんに伝えた。
「エレンさん、心配しなくてもすぐに洗剤の販売をするわけじゃないの。洗剤工場の効率が、いままだあまりよくないので、もう少しいろいろ道具を増やして、子供たちが作りやすくしないといけないしエレンさん?」
エレンさん・・反応がない… これは重症だ・・
この不安を取り除ける人にお願いするかなぁ
とりあえず申請は、ボクが王国の商業管理庁に、レシピと試作品を送ればいいし、同時に販売許可を、ボクが商業ギルドに行って、町長が何か言って来たら、あの人に助け求めるし。
この孤児院を運営して、子供達にも仕事を与える。
この計画は絶対邪魔させない!
これは他の町にいる孤児たちを、支援するためでもあるんだ!
エレンさんには安心させるために、申請はボクがする事、もし町長が何かして来たら、ボクが一番信頼できる人に手紙を送ること、その人は絶対ボクたちを守ってくれることをエレンに話した。
「エレンさん、ララ達も多分町長の事気にしてると思う、でも大丈夫もし町長が何かしてきても、ボクが一番信頼できる人に手紙送れば絶対助けに来てくれるから、町長も何もできなくなるから安心して」
エレンさんはそれでも不安そうに言って来る。
「大丈夫なんでしょうか?」
ボクは安心させるために、冒険者ギルドに信頼できる人がいるから、その人にお願いすると説明した。
そしてボクは、子供たちが見つめる前で、スライム達に協力してもらって、洗剤作る便利道具を増やしていった。
ハンドミキサー、搾り器など複数道具が増える。
工場内は10人が作業しても問題ないくらい広くスペースをとり、子供たちの身長に合わせたテーブルと椅子も増やした
「よしできた。これなら10人くらい入って作業しても問題ないかな」
後は孤児院の建物から少し離れた敷地の端に焼き物用の竈を大きく作り直して作業は終了した。
ボクは出来上がった新しい窯の前で、まだ不安に思ってる子供達に、前ほしいって言われてた物を、作ってあげることにした。
「みんな新しく出来たこの窯は、容器が一度に100個作ることが出来るの、凄いでしょ、そうだ!後でみんなの要望の物作ってあげるね」
すると子供たちは嬉しそうにして、やっと笑顔で答えてくれる
「ララはスライムの形をした物がほしい」
「ネネもスライムがいい」
ぎくぅ
まさか・・スライムってことまで知ってるの?
ピキ『凄いのねネネって子供ライム達のことわかってるの』
ピキ『あの子はマスターの助けになるの仲間にした方が
いいの』
ピキ『あの子凄い子スライムすきすき』
ピキ『ララもいい子なの仲間なの』
『ライム達はあの子達が仲間でも問題ないの?』
ピキ『ライムネネもララも好きなの』
ピキ『パルムネネとララなら姿みせてもいいの』
ピキ『エルムはネネとゴロゴロするの』
ピキ『ミルムはララと遊ぶの』
相変わらずエルムとララは、わけのわかんない回答だけど、いいってことかな?
ボクはエレンさんを説得し、洗剤の申請を送り、商業ギルドに販売許可を求めにいった。
結果は後日来てくれとのことだった。
それから孤児院の洗剤工場の効率は上がり、洗剤作りも順調で、子供達も慣れて1日クリーンソープ20本ソフトソープ15本リンシャー10本が、作れるようになっていた。
「みんな今日もよく頑張ったね、今日のご飯はオーク肉の薄切りピカタだよ」
「やったぁ薄肉卵焼きだぁー」
まぁそうかもしれないけど・・ピカタって言ってほしいなぁ
子供達も楽しそうだしよかった、後は許可が素直にでれば・・
そう思ってた次の日、嫌な訪問者が訪ねて来た。
孤児院に、モルトン役場の区域を管理する役人がやって来たのだ。
「おい!これはどういう事だ!責任者はどこにいる!」
何こいつら、いきなり来て挨拶もなしに怒鳴り散らすなんて
ピキ『マスタあいつら嫌な匂いするやっちゃうの』
ピキ『悪い奴らやっちゃうの』
いやいやパルムにエルムさん、文句言われてすぐやっちゃうのダメでしょ
『みんなここは大人しくしてて、助けてほしい時いうから』
役人の前にエレンさんが出ると、役人達は驚くもすぐにニヤニヤしながらエレンさんを見つめる
ボクは役人達が来て、すぐに子供たちが前に立ち姿を隠される
「お兄ちゃんは、ララ達が守るから大人しくしてて」
「はい…?」
おい!ララさんエレンさんがいるんだからお姉さんだからね!
しかしこいつら何しに来たんだ?少し様子を見るか…
「私がここの責任者ですが何か?」
役人は偉そうな態度で高圧的に話して来る
「孤児院に怪しい建物が出来ていると、通報があったからだ!来て正解だったな、なんだ!あの建物は!それに建物が全部新しくなってるではないか!資金はどうした!そんな金があるなら税を納めろ!」
ボクはあまりにも酷い態度に出て行こうとすると、ララ達に強く止められる
「お姉ちゃん!ララの言う事聞けないのらなら、先生にばらすよ!」
な!…
ボクはララの強い言葉に、大人しく見守る事にした。
何なのこの子達…
しかしあの役人言いたい放題だな、無茶苦茶だ!
「それに怪しげな洗剤も作ってるとも聞いてる、ブライトン町長の許可を取ったのか!
取ってないだろ!
よってこの施設は全てブライトン様が管理することになる」
はぁ?何言ってるのこいつ!
ボクたちの洗剤工場取り上げる気だ!
ボクが文句を言いに出て行こうとすると、再びみんなに止められる
「お姉ちゃん!さっき言ったよね!
大人しくしてて!先生と私達に任せて!返事は!」
何この子達凄く怖いんですけど…
「ミレイお姉ちゃん!返事!」
こぇーー!
「はい… 大人しくします」
ボクより身体の大きい子供達が、ボクが出て行かないように、完全に取り囲み姿を隠される。
ネネが耳元で話しかける
「お兄ちゃんは、誰かに狙われてるから姿を変えてるんでしょ、私達が絶対守るから、みんなわかってるから、だから絶対目立つ行動したらダメ!心配しなくても今の先生は強いから」
ボクは子供達の行動に泣きそうになった。
ほんとにいい子供達だ凄く嬉しい…
え?みんな知ってる?
エレンさんが強い?どういう事なの…
「この土地は領主のミザリー様が孤児の保護活動の一環で私に任された土地建物です!どうして町長が税を求めてくるのですか!それに洗剤の工場をなんで町長様が管理するのですか!」
「やかましい!町長の決めた事だ!大人しく従え!」
何無茶苦茶言ってるの?
うわーエレンさんさらに怒った…
「私たちの孤児院は町から援助が途絶えてるのですよ!これはどういう事ですか!」
役人達はその事を問われ口ごもる
「そ・それはこの孤児院に何かあるからじゃないか、俺は知らん!」
「ふん!運営資金も支払わないで、何を言ってるんですか!
工場は私達の貴重な収入源なんです!
それを取り上げるという事ですか!
その事ミザリー様はご存知なんですか!
それに私達この事で周りに迷惑などかけていませんよ!」
役人はイラつきまた無茶苦茶な事を言いだす
「やかましい!
この町はブライトン町長が責任者だ!
領主婦人は関係ない!
我々が洗剤工場を管理し収入税を沢山納めれば領主様も喜ぶのだ文句言わず決定に従え!」
もう無茶苦茶だこの人…
うわーエレンさんが怒ってる
「わかりました。税も工場の管理もお任せします!
ただしこの事を全てミザリー様にお知らせします。
貴方の部署と名前、それに付き添いのあなた方もお名前教えてください」
うわーエレンさんメモまで用意してるよ…
役人さんどうするんだろう
「税の件は上司に確認して出直す!
洗剤はブライトン町長が直接確認するそれまで販売は禁止だ!
とにかくもう一度確認をとり改めて出直す!」
ガチャガチャ
あ!逃げた。凄いなエレンさん堂々としてるほんとに強い人だったんだ…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます