第38話再び冒険者ギルドへ

ボクは予想してた事があったので、冒険者ギルドにお願いに行くことにした。


「エレンさんボクはお願いをしに冒険者ギルドに行ってきます。

子供たちの事お願いします」


「はい!今日はあの子達と一緒にもう一度清潔にする必要について勉強するわ。

ミレイちゃんの書いてくれた資料とてもわかりやすいから、気をつけて行くのよ」


「はーい」


エレンさん最近になって、やっとボクのちゃん付けで呼んでくれるようになった。

ずっと言い続けてやっとだよ。

好きな人に様って呼ばれるのは悲しくなる・・

なんか壁があるみたいな気がして、子供たちはエレンさんに任せてボクは冒険者ギルドにお願いに行きますか、ほんと久しぶりだな・・

まだあの冒険者いるのかなぁ・・

嫌だなぁ


ピキー『マスター心配いらないのライム達いるの何かしてきたらやっちゃうの』

ピキー『マスターは守るのだから安心するの反射させてやるの』

ピキー『そうなのマスターに攻撃してきたらバン!ってやるの』

ピキー『マスターにくっついてるエルムたちわからないだからマスターが凄く強いの証明するの』


何言ってるのこの子達・・

やめて目立つ事


『あのねライム達目立っ事しなくていいからね、何かされたら守ってくれるだけでいいからね』


お願いだから大人しくしてて


ボクは孤児院を出て冒険者ギルドに向かった。


ミレイが冒険者ギルドに向かう少し前、ギルドでは新しくギルドマスターになったオリビアが朝のミーティングで前日の報告、今日の伝達事項を伝えると全員にいつもの確認を行う


ミレイちゃんは見つかったのか?


職員は全員首を振ると、オリビアは肩を落としぼやく


「あれから3ヶ月ぐらい経つのだ!

何故見つからない!

門兵からは町を出た情報はない!

孤児に関係するから孤児院にも行かせた。

それでも見つかっていないどういう事だ?」


そう確かにギルド職員は孤児院に行ったが、その時ミレイは森に素材を集めに行ってて不在だった。

子供達は自分達の恩人であるミレイを調べに来た者には、ミレイの存在を一切伝えなかった。



ミレイも事件後冒険者ギルドの体制が、大きく変わってる事を知らなかった。


ミレイが少女を守るために起こした問題から3ヶ月が過ぎ、モルトン冒険者ギルドは、大きく変わった。


事なかれ主義のギルマスのクレタモルトは、ヤルクイナ領タラバの冒険者ギルドに移動となった。


そしてギルマスには、サブマスのオリビアが昇格した。

そして事件を再発せせないために、冒険者監視監督部署を設けた。


この部署は暴力行為を起こした冒険者の再教育をし、素行の悪い冒険者は警告を与え改善されないようであれば降格、罰金処分が科せるようにした。

もちろんこの事は、王都の冒険者ギルド本部にも報告了承を得ていた。


そして予期せぬ可愛い訪問者に、ギルドの受付女性のデミオは驚いていた。

周りの職員たちも、ミレイの可愛さに見とれていた。


ミレイは今回大切なお願いのため、怪しい恰好はやめて、ライムには可愛い白いコートに擬態してもらって、冒険者ギルドに来ていた。


ガチャ

トコトコトコ


「こんにちわ」


え?この子むちゃ可愛い~、身体も小さく色も白くて、銀髪のツインテールまるで妖精ね


「ようこそお嬢様モルトン冒険者ギルドに、今日はどうされましたか?私受付のデミオと申します」


ミレイは以前の事もあり、緊張し話し方が噛みまくり可愛くなってしまう


「あの荷物の運搬の依頼をしにきたでしゅ」


あ!久しぶりだから緊張してかんだ・・ 

恥ずかしぃです

ブシュー


デミオはミレイの可愛いしぐさに、メロメロだった。

何この子しゃべり方も可愛いけど、恥ずかしいしぐさがもうキュンキュンするわ


「荷物の配達依頼ですね、賜りました、では荷物と配達先と、できれば中身もこちらで書いてください」


お姉さんが用意してくれた、紙と書くテーブルは、ボクの肩の高さぐらいあるから用紙に書けない


「デミオさんあの・・テーブル高くてかけないでしゅ」


デミオはミレイの恥ずかしそうに行って来るしぐさに、メロメロになっていた。


『キャァー可愛いテーブルに届かないって、恥ずかしそうにするしぐさが、たまらないわー♡』

デミオは慌てて踏み台を持って前に回る


「ごめんなさい気が付かなくて、これで大丈夫かしら」


コト


ボクは踏み台に立つとちょうどいい高さになった。これなら楽に書ける、この人凄く優しいなぁ


「デミオさんありがとう」


ボクは用紙にどう記入するか悩んでいた。


うーん中身かぁ、正直に全部書くとなんか騒ぎになりそうだし必要ないよね。

えーっと届先は、ベルモルト辺境伯家ミザリー・デア・ベルモルト様で中身は石鹸っと。

これなら問題ないでしよ

あと手紙1通これでいいかな?

あと依頼人はミレイです。

住所はモルトン孤児院、これでいいかな


「書けました。」


「はい、じゃ確認しますね」


届先ベルモルト辺境伯家ミザリー・デア・ベルモルト・・


えーー!領主様の奥様!中身は洗剤と手紙で依頼主がミレイ様ぁー


えーー!これは私では対応無理急いでギルマス呼ばなきゃ!


「ミレイ様すみません少々お待ちください」


あれ?さっきの人態度がおかしくなってたような・・


バタン


デミオが依頼書を見て驚いて裏に行ったから、よほどの事が書いてあったのね。

すぐ横の高ランク冒険者受付にいたファイルは少女を観察していた。


うーんなんかどこかで見たようなぁ・・


慌てて入って来たデミオに、サブマスのヘテアはいつも冷静なデミオの慌てぶりが気になり尋ねる


「デミオどうしたんだい、少し落ち着きなさい!」


デミオは少しづつ落ち着きを取り戻し、会議室に連れていかれそこで1枚の依頼書をだす。


それを見て全員驚き裏では大騒ぎになっていた。

オリビアは職員にミレイの事で絶対騒ぎ立てないように指示し、自らミレイの対応に出向いた。


ガチャ


「ミレイちゃん、お久しぶり覚えてる?ミレイちゃんがここにきて最初に対応したオリビアよ」


あー!あの時の優しい受付のお姉さんだ


「はい!覚えてます!凄く優しくしてくれたので」



「アハハありがとう会いたかったわよ♪それで依頼は受理しましたから、責任を持ってモルトン冒険者ギルドの一番信頼できる冒険者に依頼しますから、安心してください」


えーー!そんな人に頼んだらお金がぁ・・


「オリビアさん、ボクそんなにお金ないですから払えないです」


すると突然オリビアが頭を深々と下げる、それにつられるように周りのギルド職員全員が頭を下げて来る


えーーー!何なのぉ突然


「あのオリビアさん?何してるですか?」


「ミレイ様!以前登録された時、薬草を売られた件と、モルトン冒険者ギルド所属冒険者の暴力事件についての謝罪です!誠に申し訳ございませんでした。」


さらに一人女性職員がボクの目の前で床に頭をつけ土下座をしてくる


えーー!何?何が起こってるの?


「ミレイ様!私は薬草を買取り査定し、後日ミレイ様に暴言を吐いた職員です。」


ミレイは黙って聞いている


「薬草も鑑定もせず私の判断で誤った査定をし、さらに数日後ミレイ様が事情を説明されたにもかかわらず、暴言を吐きミレイ様に不快な思いをさせたこと、本当に申し訳ございませんでした。」


あぁあの時のお姉さん…


「2度とあのような事をしないように、心掛けますので、どうかもう一度冒険者として、活動していただけないでしょうか?」


あーそういう事ねオリビアさん優しいから別にいいけど・・

え?このお姉さん泣いてる?

ずっと小声で謝罪続けてる・・

ホントに反省してるんだ、ならボクもちゃんと答えてあげなきゃ


「あの謝罪受け入れました。顔を上げて下さいえっと」


「メルティです」


「メルティさんわかりました。もう一度活動しますから立ち上がって下さい」


メルティさんは何度も頭を下げ喜んでいた。


「よかったわねメルティ」


「はい!グスッ…」


「じゃ手続きしてあげて、それとこの前の差額分のお金もね」


ボクはもう一度登録手続きを行い、メルティさんから冒険者カードを受け取った。


「では、ミレイ様これで登録は完了です。

それと前回買取したヒルシル草は最高品質でしたので差額分金貨50枚お支払いします。

今後ともよろしくお願いします」


「えーーー!金貨50枚えっと・・500万ジェルうわーいきなり資金不足解消したよぉ、いいんですか?」


「はい!当然の報酬です」


周りの冒険者からどよめきが起こる。

登録していきなり金貨50枚だもん、みんな驚くよね。

でも冒険者ギルド変わったよね。

ここなら頑張って見たいって思う


そうだこの人達ならいいかなちょっと相談に乗ってもらおうかな・・

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