アンタレスストロベリーエアー
神城 希弥
アンタレスストロベリーエアー
今日の主役は俺、
平日だが、都民の日で学校は休みのため俺はゆっくり過ごしている……はずだった。
母が俺がいるからと鍵を閉めなかったようだ。おかげで顔見知りのクラスメートが3名ほど俺の家に入り込んでしまったではないか。
来たのは
誕生日係は、人の家に押し掛ける感じなんだと認識を改めなければならない。
彼等は我が家を軽く周り、玄関からすぐのリビングで彼等が買ってきたケーキを開け、俺が取皿とフォークを人数分運んでいた時に事件は起こった。
「嘘じゃろ。今日曇りかい」
日光が雲に食われ、宍倉は空を見ながら悲しんでいた。
「ん? 脇谷の持ってる紙なに?」
首を傾げる脇谷。ケーキの箱に下敷きにされていたらしい。二つ折りになっていて、開いたら名刺くらいの大きさの紙だった。
「ちょっと貸してみろ」
勢いよく赤星が紙を取り上げ、その紙を開いた。
そこには『アンタレスストロベリーエアー』とカタカナで書かれていた。
「アンタレスは蠍座の事じゃろ? じゃけん蠍座の人が関係あるん」
宍倉が自信満々に言う。
だが俺は天秤座だし、他の人も違うらしい。
どうでもいいけどケーキ食べたい。キッチンから包丁を持ってきて帰ってきたら脇谷が喋っていた。
「これアンタレスは赤い星だから赤星。ストロベリーはそのまま苺で、エアーは空気なんじゃないかなと」
「え? 俺かよ。でも意味わかんなくね? 赤星苺空気って……。あ!」
「「赤星、苺食う気か!」」
皆が解決した顔をしていたが、俺は疑問が出てきた。
「でもこれって誰が書いたんだろうな?」
包丁を持ちながら喋ったからなのか、皆びっくりした顔で俺を見ていた。
そしたら脇谷がまた喋り始めた。
「これ星に詳しくないとかけないよね。だからアンタレスを蠍座って知ってた宍倉君かなって思う。さっき天気気にしてたし」
脇役の脇谷君、実は探偵志望らしい。
アンタレスストロベリーエアー 神城 希弥 @kohasame
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