24話 自分の能力
あれから僕は数日間の試行錯誤を繰り返し、能力についていくつか分かったことがあった。
・生き物は収納できない
・効果範囲は10メートル
・収納したものは、範囲内であればどこでも取り出し可能
・生物以外であれば、あらゆるものを収納できる
これらを踏まえて、僕はいくつか仮説を出ていた。
それを試すべく、スライムの縄張りへと向かっている。
最近分かった事なのだが、この階層は有りとあらゆるモンスターが生息している。
そのため、縄張りも当然存在する。
スライムの縄張りに到着した。
この階層で、僕が唯一倒せそうなのがこのスライムしかいない。
だが、それでも安心は出来ない。ごく稀まれに上位種や希少種などが出現する。
『もし、上位種が出たら逃げよう』
そう心の中で言いつつ、検証を始める。
まず、検証するのは転移テレポートだ。
相手との距離を“収納”する事で、転移に似たことがで来るのではないかと思ったのだ。
「緊張するな…… よし。」
僕は覚悟を決め、呟く。
「転移!」
ヒュンッ
直後、視界がずれ、僕は先程の位置から10mの位置にいた。
「なるほど、効果範囲と同じ距離か」
無限収納の効果範囲である10mが、転移の限界みたいだ。
「連続で使えたら、かなり便利だな」
そう思いつつ、次の検証に移る。
スライムには核という、心臓のようなものがある。
それを取り出せるのでは、と考えたのだ。
早速、検証してみる。
が、しかし。
「あれ? 出来ないな」
結果は失敗であった。
と、試しに魔剣でスライムの核を傷つけないようにしつつスライムを倒す。
再び、検証してみると今度は成功した。
「なるほど、死んでからならば収納可能なのか」
僕はとある事を思い出したので、検証してみることにした。
僕はスライムに向けて、手を伸ばした。
直後、“パァァァンッ” っと破裂音はれつおんが響き渡る
やった事は単純だ。
空気を収納し、スライムの体内で取り出す。
あとは、行き場のなくなった空気によって破裂する。
「これは、かなり強いな……」
僕はそう呟きつつ、レベルを上げるべく、スライムを倒していくのであった。
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