11話 初めての狩り
それから僕達は森の中を歩きながら、スキルについて色々と検証していた。検証によって分かった事がいくつかある。
【無限収納】
・効果範囲は10m
・収納するだけでなく、収納した物も取り出せる。→ この時、中に入っているものは収納した時の状態のままである。
・今のところ、足場を全て収納するという荒技はできない → これに関してはまだまだ僕自身が成長の為、一旦保留
・使用にMPはかからない
『使用にMPがかからないのはでかいな。それに範囲が10mというのも戦闘においてはかなりのアドバンテージだ。何より嬉しいのが、収納した物を出し入れ出来て、かつその状態でしまって置けるのも非常に嬉しい』
『これはチートすぎるかな?』 何て思ったりした。
【剣術(低)】(常時発動型)
これは剣の扱いに対する動きに補正がかかるようだ。常時発動している為 非常に有用なスキルだ。
『これからスキルを使い込んでいけば、もっとスキルのレベルも上がるだろう』
【痛覚耐性】(常時発動型)
名前の通り、痛みに強くなる
【治癒魔法(小)】
・回復魔法
・擦り傷程度の軽傷を治す。
一度に必要なMPは5だった。
【鑑定眼(低)】
・相手を鑑定する。
・使用にMPは必要無し。
・鑑定できない物もある
という感じだった。
あれこれと検証しているうちにウィリアムが何か気配を感じ取ったようだ。僕達は忍び足で歩を進める。
茂みから向こうを覗くとそこにはスライムがいた。水辺で ポヨンッ ポヨンッ っと跳ねている
『不覚にも可愛いなどと思ってしまった』
僕はスライムを鑑定してみた。
名前:スライム(LV5)
HP:55
MP:0
力:5
防御力:20
俊敏:5
精神:5
スキル:無し
『これなら僕でも倒せそうだな。』
「ウィリア あれは僕が倒してもいいかな?」僕はウィリアに確認する
「もちろん!」
「ありがとう」
そう告げると僕は茂みから出た。
「きゅう?」スライムも僕に気づいたようだ。
僕は走って距離を詰め、そのままスライムに魔剣を振り下ろした。
そして、そのままスライムを切り裂いた。
僕の初めての戦闘はなんともあっけなく終わったのだった。
そしてまた森を進んでいると“ゴブッ” “ガァッ”と鳴き声が聞こえてくる。
『多分ゴブリンだろう....』
「ウィリア どうやら奥の草むらを抜けた所にゴブリンがいる」
「分かったわ。もう少し近づいてみましょう」
僕は静かに頷いた。
草むらからそぉっと顔を覗かせると、そこには三匹のゴブリンが水辺に腰かけていた。
名前 ゴブリン(LV5)
HP:55
MP:0
力:20
防御力:20
俊敏:15
精神:5
スキル:無し
名前:ゴブリン(LV7
HP:65
MP:0
力:25
防御力:20
俊敏:10
精神:5
スキル:棍術
名前:ゴブリン(LV10
HP:65
MP:0
力:30
防御力:20
俊敏:15
精神:5
スキル:棍術
『三匹かちょっと数が多いな....」僕は暫しの間悩んだ。
「ウィリア..... どうする?」
「任せて!」 そういうとウィリアは草むらから飛び出した。
素早く距離を詰め 左上からの袈裟斬りで一匹目を始末する。続いて二匹目も横一閃
一瞬の出来事に僕は目を疑った。
『強いとは思ってたけど、こんなに強かったのか....」
そう思っている間に三匹目のゴブリンも首を刎ねられ息絶えた。
戦闘にを終えて、僕は収納からハンカチを取り出しウィリアに渡した。
「お疲れウィリア。これで返り血を吹くといいよ。」
「ありがとう!初めての実戦だから緊張したけど....上手くいって良かった」
「そうだね。さっきの動きは圧巻だったよ まだまだ始まったばかりだから気を緩めすぎないようにね」
「もちろんよ!」ウィリアのそんな様子に僕は微笑みつつ、気を引き締めた。
歩いているとまた、ゴブリンを発見した。数は少し多く8匹もいる。
「ウィリア ゴブリン8匹の集団を発見したけど.....どうする?」
「今の私達二人なら勝てるはずよ!」
「了解」短く返事をすると僕達は一気にゴブリンまで近づいた。
僕はとある検証を兼ねてゴブリン相手に収納を使った。
『やはり、生き物は収納出来ない....か」
今度はゴブリンが持つ棍棒を収納しようとしたが、これも出来なかった。
『なるほど....生き物は当然収納出来ないが、生き物が所有している物は収納出来ない.....っと』
僕は検証結果に満足しつつ、ゴブリンに向かって駆け出した。
僕はゴブリンに近づくと体勢を引くくし、右下から振り上げるように切りつける「ゴギャッ」短い悲鳴が上がるが気にせずに、続けて剣を上段に構えて頭目掛けて振り下ろす。
ゴブリンの頭をかち割り腰のあたりまで切り裂いた。だが、敵はあと1匹残っている。
不意に背後から気配がしした。僕は反射的に振り下ろされた棒を剣で受け止めた。だが、ここで予想外の事が起こる。
受け止めた剣がそのままゴブリンの棍棒を切り飛ばしてしまったのだ。僕もゴブリンも一緒唖然とする。が、僕はすぐに気を取り戻し隙だらけのゴブリンの首を刎ねた。
ウィリアはというと、一方的な虐殺に近かった。5匹のゴブリンに囲まれているにもかかわらず、焦りは一切ない。ふと3匹のゴブリンが飛びかかった。が、なんとウィリアはその場で一回転した。直後 飛びかかったはずのゴブリンの首が鮮血を撒き散らしながら飛んでいた。
残りのゴブリンも片方は喉仏を突き刺され、もう1匹は首を刎ねられた。
『すげぇな』 それが僕の率直な感想だった。
「お疲れ様」と声をかけてウィリアに水筒を渡した。
そしてウィリアが水を飲んでいる間にある検証をしてみる。
ゴブリンの死体に対して収納を使う。そうすると直後、ゴブリンの死体が綺麗さっぱり消えた。
『なるほど....死んだ後は生き物として認識されないって事か。武器も収納出来たことから死んだら所有権がなくなるのか』
『ゴブリン生きている状態で、落とした棍棒はしまえるのかな?』
機会があれば検証してみよう。
それから僕達は休憩するために安全な場所を探した。しばらく歩くと、大きな木があったので僕は気を指差した。
「よしっ ウィリアあの木の下で一旦休憩しよう。」
「うん。分かった」
そうして木の下に腰掛け、収納からサンドイッチを取り出しウィリアと食べた。
〜僕達の狩りはまだまだ続く〜
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