第9話 許可


〜次の日〜


僕は目を覚ますと布団から飛び起きた。いつも通り身支度を済ませ、木剣を持って近くの遊び場に向かう。普段なら誰もいないはずなのだが、今日は先客がいるようだ。


『珍しいな』内心でそう呟きつつ足は止めない。


ーービュンビュンーー  ーヒュンヒュンー


“ドガァッ” 轟音が聞こえる


そこにいたのは騎士団長だった


「おはよう御座います」


僕がそう告げると団長は剣を振るのを止めてこちらを振り返る。


「おはよう少年 随分と早いようだが? 何がするのか?」


「いえ いつも朝の日課としてここで素振りやトレーニングをしているんです」


そう告げると、団長は不敵な笑みを浮かべた


「いい心がけだ。......そうだ。せっかくなら一緒にやらないか?」


「是非お願いします」迷わず返答する。


まずは素振りからだな.......今日は少年もいるし軽めのメニューにしようか。 まずは素振り“千本”だな。」


僕は一緒聞き間違いかともう一度尋ねたが返答は同じだった。


『うへぇ 朝からハードだなぁ けどせっかく一緒にやらせてもらえるんだ全力でやろう』


そう決心し木剣を構えた。


「ーー始めッ」













〜それから2時間後〜


僕は全身から汗を流しながら、肩で息をしながら疲れ果て寝転がっていた。


「うむ。今日はこれくらいにしておこうか。お疲れ少年」


あんだけハードなトレーニングをしても余裕な面持ちだ。


僕は内心流石騎士団長だ。と思いつつ何とぜぇっ......ぜぇっと荒い呼吸を整え返答する。


「あ......ありがと.....うございました。」


「うむ。まだ喋れるとはしっかり鍛錬している証拠だな。素晴らしい」


団長のその言葉に僕は嬉しさを噛み締めていた。


「そういえば 一つ伝える事があったな。」


「な....何でしょうか?」呼吸を整えながら尋ねる


「領主様に口添えした所 特別に許可が出たぞ。

良かったな。ただし.....領主様に失礼がないように。わかったな?」


「はい!」 僕は嬉しさのあまり疲れも忘れ、元気に答えた。


「出発は二日後だ しっかり準備を整えておけ」


そう告げると去っていった。





僕は嬉しさのあまりしばらく余韻に浸っていた。






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