第6話 王都からの使い

6話 王都からの使い

それから三日経過したある日


今日は何か村が騒がしい。外に出てみると見るからに高級そうな馬車が村の門に止まっていた。領主様だろうか? こんな辺境の村に何の用があるのか?レイには分からなかった。そうして眺めていると馬車から人が降りてきた。村長や村の大人たちはみんな頭を下げている。そうしているとウィリアとレイの二人が呼ばれた。


領主様の元まで行くと、僕はウィリアの代わりに挨拶をした。「初めまして領主様。お目にかかれて光栄です。僕はレイ、彼女はウィリアと申します。」

レイは前世の記憶があるのが、見た目はまだ12歳の子供である。そんな子供がこんなに礼儀正しかったら、驚くのも無理はない。


領主様は心底驚いた様子で、「ふむ。とても礼儀正しい聡明な子だな。褒めてつかわす。」 僕とウィリアの両親は「有り難きお言葉」と深々と頭を下げている。


「ところで領主様….本日はどのようなご用件でいらっしゃったのでしょうか?」村長が恐る恐る訪ねた。


「おお、そうであった。そうであった。実はなこの村で聖騎士が出たと報告を受けてな。それは真か?


「はい領主様 事実でございます。ちょうどこの場にいる彼女こそこの村で生まれた聖騎士でございます。」(村長)


「そうかそうか。その娘が報告に受けていた聖騎士か。いい目をしておる。そこで....じゃ。お主わしの騎士と戦ってみんかの?」



「領主様!いくら彼女は聖騎士とはいえど、まだ授かったばかりです。どうかお許しいただきたく。」

(村長)


「そうか。娘....ウィリアと言ったな。お主はどうしたい?」


「私は....戦いたいです!お願いしますッ」(ウィリア)


「そうかなら互いに怪我を負わせない程度の手合わせとしようかの。それで良いの?」


「はい。そのルールであるならば、私としても止める理由がございません。」(村長)


「ガルシュ。お主も良いな?」


「はい領主様のご命令であれば。」


このガルシュは王都最近の近衛騎士団の団長を務めている。まさに最強という名がふさわしい男である。


「宜しい。ならば始めるとしよう。開始の合図はわしが出そう。両者構え!」



その声で両者が構える。


「初め!」


その合図で両者が距離を詰める。ウィリアは袈裟斬り、薙ぎ払い、逆袈裟斬り っと猛攻を繰り広げている。が 相手は王都最強であるこの騎士団の団長だ。すべていなされている。


ウィリアは意を決してスキルを使用した。


「聖剣技」木刀が白く光る

「絶対聖域」全てのステータスを30秒間20%あげる。

「約束の栄華【グローリーロード】MPを全部消費する。その分威力は桁違いに高い。



「てやッ!」


そして騎士団はそれを刀で受け止めた。



「ぐううぅ」“ドゴンッ”あたりに轟音が響き、激しい風が吹き抜ける。


ガルシュは剣を受け止めた反動で後方に3mほど押された。あいにく踏ん張っていたので倒れることはなかったが、受け止めた反動により、腕が折れてしまった。



ウィリアもウィリアで一撃を入れた後気絶するように倒れてしまうのだった。









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