ソア橋のなぞ

 オープニングは赤い花と赤い服の女性。花を手に進む女は、庭に面した窓から授業中らしき子どもと教師の姿を見つめます。教師は困惑の様子。

 女はさらに庭を進み、なにやら仕事中らしき男たちのいる部屋をのぞきます。女に気付いた男の一人は手荒く、カーテン(ブラインド?)を閉めます。

 女の手元がアップになり、花はグシャグシャにされてしまいます。

 すんごい顔で庭を進む女がすれ違う人にかけた台詞が怖い。

 このシーン、女に話しかけられる人物は馬にまたがっています。きちんと高い位置から女を見下ろすように撮っているのは、ちゃんとしています。

 ホームズ登場までに不穏な展開はさらに続きます。橋の上で待ち受ける赤い服の女のもとに家庭教師の女がやってきます。なにやら二人は揉め事を抱えている様子。

 今回、ホームズが依頼されたのは、大富豪ニール・ギブスンの妻、マリーアの死。

 マリーアの死で疑われている家庭教師のダンバー嬢の無実を証明しろと迫られるのです。

 おや、なんだか繋がってきましたね。

 不穏といえば、今回、ハドソンさんが登場しないのです。ファンはドキドキするかもしれません。



【ネタばらし見所解説】



 ホームズ譚のなかで有名なトリックの登場する本作。トリック単体で見るよりは、ニール・ギブスンが武器マニアで二挺セットの拳銃を持っていたこと、ダンバーの荷物から見つかった銃の片割れが消えていることなどと併せて評価しないといけないと思います。

 視覚的効果ですと、ギブスン夫人が赤、ダンバーが白と、対照的な衣装なことにも注目したいです。

 橋の上で事件の再現をするホームズと、ギブスン夫人が「繋がる」見せ方にも工夫があります。

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