第9話和解とキルギス
「い、いや違いますよ!」
一応否定はしたけどなんでバレた? いつバレた。
「そんなに怖がらなくても良い、私は君にボトムサンズはもう戦いを辞めたいと言う事を王国側の人間に伝えてほしい、ベルトワルダとかに」
「わかりました。 認めますよ、スパイだって、確かに反乱軍=ボトムサンズの事を探ってくるようにと言われました」
「そうか、やっぱりベルトワルダの方か」
「なんでベルトワルダからだとわかったんですか?」
「この国の将軍と同等かそれ以上の地位に持つやつでスパイを送り出しそうなのはキルギスとベルトワルダぐらいしか居ないからな、そしてキルギスなら確実に私達を殺す事しか考えてないからこうして話が出来る君がが来たということはキルギス派ではない。
キルギス派ならすぐにここの居場所を教えて総攻撃を始めるだろうからな」
「そんなに、キルギス将軍は好戦的なんですか?」
「好戦的とかいうレベルじゃない、ボトムサンズの人間を見つけたらそく惨殺だ。 私は下級街に汚水が集まってくるのもキルギスの仕業だと思っている」
「そうなんですか、俺は会ったことないですけどとりあえず俺がベルトワルダさんに掛け合ってみます! 戦いはやめよう言ってみますでもかったです。 誰も血を流さずに終われそうで」
「そうだと良いなもう誰かが死ぬのは敵も味方もうんざりだ。 散々殺してきた私が言うのおかしいが」
「おかしくありませんよ、誰だって間違いはありますからね。 素直に自分の間違えを認められるイルムさんは立派だと思います」
「ありがとう、どうだサナト君もっとお茶を飲んでいくかい?」
「いや、もう行きます! アレクさんを手伝わないと」
俺は小屋を出るとさっきは気づかなかったが小屋の脇に黒い水が引いたかと思うと小屋の横に小さな波のように向かい、小屋の脇でとまるを繰り返しし、この小屋で黒い水を押し留めているように見えた。
広場に向かい坂を登っているうちに、辺りは暗くなり、体も冷えてきた。 早く広場に戻ってアレクさんの炊き出しを貰いたい………いや、待てよ今日は潜入して2日目の夜! 噴水広場での待ち合わせだ!
俺は広場を通り過ぎ体力の限界まで走り続けた。 噴水広場が見えてくると噴水の前にセピアともう1人片方の目に眼帯をつけ、もう片目は一重で鋭い眼光を放ち、異常に白く不健康な肌をし分厚い鎧を装着していた。
「セピア!」
小走りでセピアに近づき声をかけるが返答はない、セピアをよく見ると縄で口を縛られ声を出せない事がわかった。
俺がその事に気づいたその瞬間、噴水広場の水が俺にかかった。 それに構わずセピアの元に行こうとすると全身の力が抜け、足が出せなくなる。
体を見ると全身血まみれになっていた。 膝が崩れ落ち、冷たい地面と頬が触れ合う。
意識が遠のいていく時、眼帯の男が首も動かせなくなった俺の目の前に立った。
「俺はキルギス、セピアから話は聞いた。 一回死んでくれ」
意識は完全に切れ、深い闇に意識は落ちていった。
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