国立ユイナーダ学園高等部③〜どうやら僕は名探偵らしいですね【連載版】初等部編

第8話 天井裏か〜ら〜の〜

廊下を通って進めば楽かもしれないけど、見つかるリスクは高くなる。

倉庫室から天井裏に、登れば見つかるリスクは低いよね。

と、いう訳で一旦天井裏を通って、皆んなが人質に取られている、お店の方へ移動してみたよ。

天井裏から穴を開けて、リョウ兄さんが最近開発したクネクネ（※1）レンズカメラを使って、下の様子を確認。

人質の皆さんは、入り口から遠い方にまとめて座らされてる。

何人か怪我人がいるようだ。

ここからだと、ケイトちゃんは見えないけど、何処だろう？

怪我人は警備員3名、学園の教師1名。

ケイトちゃん達の担任のビクター先生だね。

だいぶぐったりしてるから、早く救出しないとヤバイかもしれない……

生徒の中には正義感の強い子もいるから、犯人と戦おうとした子を庇ったのかも……

アレ？銀行員のお姉さんが、『トイレに行きたい。』と言って犯人と一緒に廊下に出たよ。

これはチャンスだ！

リョウ兄さんとエリーちゃんの持たせてくれた装備で、1人づつなら無力化できる！

しかし、犯人は彼女を見張りもしないで直ぐ戻って来た。

え？！嘘でしょ？

犯人バカなの？

いや、違うか…あっちの可能性の方が高いね。

僕はこっそり下に降り、お姉さんがトイレから出て来るのを待ち伏せた。

出て来たところで声を掛けたら、凄くビックリして叫び声を上げそうになってたけど、天井裏からの兎君のラビット（※2）キックで気絶させました。

後ろからだったから見られてないよね？

－－－－－－－－－－－－－－－－－－

※1

サンドワームからヒントを得てリョウ・F・サイドが創り出した画期的な魔道具。

ファイバースコープみたいな物。

その構想自体は【発明王ナカムラ】も考えてはいたようだが、当時の技術力ては再現出来なかったようだ。

※2

兎獣人の必殺技。

何処かのヒーローの様に技の名前は叫ばないww

人間の子供殆どの大きさの兎の全力キックを食らって、果たしてこの怪しいお姉さんは無事なのか？

よく考えたら無事では済まなそうww