第18話 反省会
結局、俺らは一回戦で敗北した。熊田中の奴らは、先輩達を圧倒していた。しかし、青田と名倉コンビにはかなりの接戦だった。
だが、四番で出場した坂本先輩が呆気なく敗北した。その事により、俺らは途中で終了しなければいけない事になった。結果は、三対零で俺らの負けである。
その後に、男子個人戦が学年ごとに開始された。俺の一回戦の相手は、生前と同じく三郎丸中学校の
その他にも、富永先輩は三回戦まで勝ち上がり、それ以外の先輩は一回戦負けだ。高目君も、俺と同じ一回戦で終わっていた。権藤さんも一回戦で終わっていたので、全体の結果が終わるまでの待ち時間が長くなった。
しかし、そのお陰で男子団体の結果を最後まで見続ける事ができた。東条学院中学校が、桃池中学校に三対一で勝利した。三郎丸中学校は銀竹中学校に三対零で圧勝しており、シードを勝ち取った魁中学校も鷲取中学校に圧勝した。
熊田中学校の二回戦の相手は、東条学院中学校になった。その時の青田が、シングルスで登場していた事に俺らは嫌悪感を抱いた。
東条学院の奴らは、青田の脅威にやられる事なく三対一で勝利を収めた。もちろん、熊田中学校の一点は青田の勝利だった。
一番の見どころは、三郎丸中学校VS魁中学校との一戦で胸が高鳴っていた。結果は、生前と同じで王の座を許す事なく三郎丸中学校が三対二で勝利を収めた。
決勝は、東条学院中学校VS三郎丸中学校との戦いになった。三郎丸中学校の脅威には、誰にも壊す事はできなかった。結果は、生前通りになった。
「まさ君、お疲れ様」
「お疲れ! いやぁ、疲れたよ」
今は、今日の反省をしながらもつ鍋を食べている。奏ちゃんの母親が、俺らの為に食材を用意してくれた。奏ちゃんが、俺の奥さんみたいに接してくれるので奏ちゃんに興奮を覚えながらもつを頬張っていた。
「だけど、コーチから褒められたね」
「まぁ、俺に関しては卓球に関係のない事だからな。訳が分からないけど、何とか一日が終わって良かった」
「団体組めて楽しかった?」
「めっちゃ、楽しかった」
奏ちゃんの母親は、俺らに気を遣って奏ちゃんの部屋をパーティー会場みたいにしてくれたので、奏ちゃんと二人だけで楽しくお疲れ様会ができた。
「これからは、廃部を阻止する事は当たり前だが、それに加えて卓球部を良くする」
「そうだね。女子も男子も良くしようね」
俺は、奏ちゃんとこれからの未来について会話が進んだ。一緒にもつを頬張りながら、奏ちゃんは楽しそうに俺の話を聞いてくれる。
「それより、皆んなの前で殴るなよな。めっちゃ、恥ずかしかったんだけど」
「僕も恥ずかしかったよ。でもね、まさ君が本気になってくれたから僕は気にしてないよ」
「確かに、お陰で気持ちを切り替える事ができたから良いんだけどよ」
俺は、弱気になっていた自分が悪いとは思っている。だからと言って、そこまでしなくても良いんじゃないかと思うが、青田と良い接戦になったのは奏ちゃんのお陰でもある。
「それにしても、奏ちゃんのお陰で助かってる事ばかりだな」
「そんな事ないよ。僕も、まさ君に感謝してるし助かってる事なんて沢山あるよ」
奏ちゃんは、美味しそうにもつ鍋を食べながら俺を励ましてくれた。そんな姿の奏ちゃんが可愛くて、目標なんかどうでも良くなってしまう。
「だけど、コーチの動きが気になったの」
「それは俺もだよ。ヤバいと思った時には、そのコーチが近くにいるからな」
「もしかしたら、まさ君と同じ未来人かもね」
「それは無いな」
確かに、俺は政倉コーチが未来人の動きをしている様に見える。奏ちゃんが、いかつい男の肩に当たった時や俺に言った発言も普通の奴とは違う様に見える。
「そうだ! 明日は、僕の卓球クラブの日だから体験にでも来る?」
「え!? いいの!?」
「うん。そこには、政倉コーチもいるから楽しいよ」
俺は、政倉コーチという人物に会える事になった。そもそも、奏ちゃんがクラブチームにいた事は聞いてなかった。なので、明日は政倉コーチの正体を暴く気持ちでいた。
「奏ちゃん、今日はありがとう」
「こちらこそだよ」
俺は、もつ鍋のコンロの火を消して奏ちゃんに抱きついた。奏ちゃんの汗臭さが堪らない。それに加えて、もつの臭いが奏ちゃんの口から伝わってくる。
「俺って変態なんだな」
「も、もしかして、僕の汗の臭いで……」
「興奮したよ」
「や、やめてよ」
それでも、俺は辞めなかった。奏ちゃんも、食べる動作を止めて俺と接してくれた。奏ちゃんとキスをして、奏ちゃんの口からもつ鍋の味を堪能している。俺と奏ちゃんは、今日の疲れが溜まっているせいか今日もエッチな事で発散した。
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