第325話 アーシエルとのデート④ ※少し長めです






 王城地区を抜けた先には中央広場があり、そこには当然プリズデータ大国に住まう人々がそれぞれの目的を成し遂げる為に移動している訳だ。


 さて、ここで問題です。

 現在俺とアーシェは王城地区から真っ直ぐ歩いて進み、噴水がある中央までやって来ました。

 俺は”女神の羽衣”とサングラス、アーシエルはサングラスのみの変装です。


 その結果、どうなったかと言うと……。


「アーシエル様!!」

「こんな所で”氷結の魔女様”にお会いできるなんて光栄です!!」

「まじょさまだー!! おかあさん、まじょさまがいるー!!」

「おお! アーシエル様がお見えになっているぞ!!」

「本当だわ。お隣さんに教えてあげなくちゃ!!」


「「…………」」


 まあ、バレますよね。


 フィエリティーゼで有名な”六色の魔女”の一人であるアーシェの登場に中央広場に居た人々は集まり大騒ぎとなってしまった。

 なんなら一旦中央広場から離れて仲間を引き連れて来る人も居て、その人数は増える一方である。


 さあ、アーシェはどう収拾をつけるつもりなのだろうか。


「えっと……み、みんな……」


「まじょさまー! こんにちはー!」

「きゃー!! アーシエル様のお声を聞いちゃったわ!!」

「俺、今日の事は絶対に忘れません!!」

「魔女様って実在したのね……なんて綺麗なんでしょうか……」


「……ど、どうしよぅ」


 そこで俺に助けを求めるのか!?

 どうしようも何も、アーシェがどうにも出来ないのなら俺がどうにか出来る訳がない。


「だからバレるって言ったのに……」

「うぅ……で、でもぉ……」


 弱々しい声で呟くアーシェの前には、美術館の作品を見る様に一定の距離を取りつつもアーシェを見て声を上げるプリズデータ大国の国民の姿がある。

 うーん、変装を過信していたアーシェが原因ではあるが、もっと強く止めなかった俺も悪い。


「こうなったらしょうがないから、ミラにお願いして――ん?」


 そう思ってミラに念話を入れようかなと思った直後、”女神の羽衣”がくいくいっと引っ張られる感じがして視線を下へ向ける。


 ジーーっ。


 そこには兄妹と思われる同じ髪色と顔立ちをした二人の子供が俺を見上げてガンミしていた。


「ねぇねぇ」

「ねーねー」

「……な、なに?」

「「おにーちゃん? おねーちゃん?」」

「お、お兄さんになるかな?」

「「ふぅーん」」


 何だこの子達!?

 怖い!! ちっちゃい子の謎の会話が怖い!!

 そしてこの兄妹、握った”女神の羽衣”を全く放してくれないんだけど!?


 まさかの緊急事態に動揺が隠せない。えっと、この子達は一体どこから来たんだろうか? 親御さんは何処へ……。


 そう思って視線を下に居る兄妹から上へと向けると、そこにはアーシェでは無く兄妹と話をしていた俺を見るプリズデータ国民の姿があった。


 なんか静かだと思ったら、みんな俺を見ていたのか!

 注目されるのとか苦手なんだけどな……。


 そうして視線がアーシェから俺へと移った後、プリズデータ国民は俺の方を見ながら徐々に呟き声で話し出し始めた。


「そう言えば、魔女様のお隣にいらっしゃるのは一体……」

「フードでお顔は見えないけど、男性みたいね……」

「もしや、アーシエル様の新たなお弟子様なのでは!?」

『それだ!!』


 違います……ただの転生者です……。


「きっと今回はお披露目を兼ねて中央広場へいらっしゃったのよ!」

「そういう事なら俺はダチを連れてくるぜ!」

「私もママ友を連れてこなきゃ!」


 ひぃ……やめてぇ!!


 そんな心の叫びも虚しく、また数人のプリズデータ国民が中央広場から数人、各地区へとその姿を消して行った……。


 ま、まずい。

 このままだと偽の情報が拡散されてしまう。とりあえず、ここに居る人達の誤解だけでも解こう。


「あ、あの……俺は弟子ではなくて――「「ねーねー」」――な、なに……!?」


 お兄さん、ちょっと大事な話をしようと思ってたんだけど!?


 未だにしがみついたままである兄妹にまた”女神の羽衣”を強く引っ張られてしまう。

 兄妹は俺と目が合うと片手だけを"女神の羽衣"から放して俺の顔を指さした。


「おかお、みせてー」

「みたいー!」


 いや、本当にこの兄妹の両親はどこに居るの!?

 物凄いマイペースな上にグイグイ来る感じが怖いんだけど!?


「い、いやあ……顔はちょっと……」

「「え〜」」

「ほら、お兄ちゃんこんなに黒い眼鏡を掛けて目を隠してるだろう? それくらい人に自分の顔を見られたくないんだ」


 サングラスをしている理由は全く違うけど、ここは有効活用させてもらおう。


「だから、このフードを外す訳にはいかないんだ」

「……でも、みたい」

「……おかお……みれないのぉ?」


 くっ……なんて卑怯な!

 子供の落ち込んだ顔ってどうしてこうも強い罪悪感に襲われるんだろう……。


 でも、注目されているこの場で素顔を晒すのはちょっと抵抗がある。

 兄妹には申し訳ないけどここは心を鬼にして断らせてもらおう。


「あのさ、やっぱりここで顔を見せるのはちょっと――「「……ぐすっ」」――すぅ……分かりました……フードを外します」

「「ッ……ほんとー!?」」

「う”ん”ッ」


 だって子供を泣かせたら完全に悪者じゃないか……ッ!!

 断ろうとした直後に泣きそうな顔で見上げて来る兄妹をどう突き放すことが出来ようか?

 少なくとも俺にはそんな事を出来る勇気は無かった。


 そうして兄妹の圧に負けた俺は先にサングラスを外してから被っていたフードを取った。


「「おーっ!!」」

『ッ!?!?』


 俺がフードを外した直後、兄妹が驚いた様な声を上げて背伸びを始める。多分、俺の顔をよく見ようとしてくれてるのかな?

 まあ、こんな中の下と言えるかどうかも怪しい顔でも良ければ存分に見てくれ。これで君たちが満足して静かになるならそれで良い。


 ……なんか、周囲からの視線がより強くなったのは気のせいかな?


「ほら、これで良く見えるか?」

「「おーっ!!」」

「うわっ!?」


 兄妹が見やすい様にと思い、”女神の羽衣”であるローブから手を放すように兄妹へ言った後、俺はその場にしゃがみ込んだ。

 すると、兄妹はその瞳を輝かせて近づいて来るとペタペタと俺の頭や顔を触り始める。


「ちょっお触りは禁止です!!」

「わー!!」

「…………」


 全然やめてくれないんだけど!?

 お兄ちゃんの方はきゃっきゃと楽しそうに頭触って来るし、妹ちゃんに関しては頬を赤めてうっとりした顔でほっぺ撫でて来て若干怖い……。


 このまま触られ続けるのはちょっと恥ずかしいし、とにかく妹ちゃんが凄く怖いのですぐさま立ち上がる。


「はい、もうおしまい」

「「え~!!」」

「ええじゃない! もう十分顔は見れただろ?」


 イケメンでもない人間の顔を見ても何も面白くないと思うんだけどな……。

 この灰色の髪が珍しいのかな? でもこの間王都を散策していた時に割と灰色の髪色をした人を見た気がするし……それ以外に何が理由なんだ?

 まあ、もし灰色の髪が珍しかったとしても、俺としては青とか桃色とかの髪色の方が珍しいと思うんだけどな。


「ほら、早くお父さんとお母さんの所に帰りな?」

「え~おにーちゃんといっしょがいい!」

「……けっこんしたぃ」


 うん、妹ちゃんの方のコメントは聞かなかったことにしよう。

 流石に幼稚園生くらいの子を相手にする事は出来ない。そもそも初対面で求婚されても怖いだけだ。


「いやいや、こんな何処にでも居る様な男と一緒に居ても面白くないだろ?」

「え? おにーちゃん、かっこいいよ?」


 何だちみっこ、飴か? 飴玉が欲しいのか?

 幼いうちから大人に媚びを売るなんてなんて事だ、これはしっかりと教育しないといけないな。


「――わー!! こんなにもらっていいのー!?」


 兄妹のお兄ちゃんが両手で持っている小さめの麻袋を開き、その中に入っていた色とりどりの飴玉たちを見て目を輝かせながら聞いて来るので、俺はそれに頷いて答えた。


 ……ま、まあ、例え事実と異なるとしても”かっこいい”と言われて悪い気はしなかったし。

 これは仕方がないんだ……そう自分に言い聞かせる事にした。


「すてき……けっこん……」


 妹ちゃんは全くぶれないな!?

 ちょっとお兄さんは妹ちゃんの将来が心配になって来たよ……何処となく雫に似てるんだよな。


「アル! ルル!」

「「あー、おかーさん!」」


 その後も飴玉を舐めている兄妹の対応をしていると、人の海を掻き分けて二十代くらいに見える若々しい女性が兄妹と俺の前にやって来た。

 どうやらお迎えが来たようだ。


「もうっ! 勝手に離れて行っちゃ駄目でしょう!? どれだけ心配したと思っているの!?」

「「ごめんなさーい……」」


 母親に叱られた兄妹――アルとルルはしょんぼりと落ち込みながらも母親に頭を下げて謝罪の言葉を口にした。

 親としては相当心配したんだろうし、これからはお母さんに迷惑を掛ける様な行動は慎むように言っておこうかな?


「二人とも、これからはお母さんの言う事を聞いてちゃんと良い子にするんだぞ?」

「「うんっ!」」


 うんうん、やっぱり子供はこうでなくちゃ。

 元気に返事を返してくれたアルとルルを見てこっちの顔も自然と綻ぶ。


「あっ、そうでした! 魔女様にはご迷惑をお掛けしました、それにそちらの――ッ!?」

『ッ!?!?』

「…………ん?」


 な、なんだ?

 何で全員、俺を見てるんだ……?


「あ、あの!!」

「はい?」


 俺が困惑しているとアルとルルの母親である女性に声を掛けられた。

 女性は少しだけ顔が赤い様に思える。もしかして寒いのかな? 

 よく見れば女性は店員さんの様なエプロン姿をしており、ローブを纏っている周囲に居る人達よりも薄着に見える。


「私、サティラと言います! 商業地区にある洋服店で働いています!」

「は、はい……」


 なんだ? 凄い元気よく自己紹介されたけど……。

 サティラさんは洋服店で働いているのか。

 あれ、エプロンをしているって事はもしかして仕事中なんじゃ……さてはアルとルル、サティラさんの目を盗んで抜け出して来たのか?

 だとしたら飴玉を没収しなきゃいけないな。悪い子には幾らおだてられようとも何もあげません。


 とりあえずアルとルルにその辺りの話を聞き出そうと思っていたのだが、どうやらサティラさんの話はまだ終わりではなかった様だ。


「23歳でバツイチの子持ちですが、働いている洋服店は私が経営しているお店で、一店舗しか経営していませんが十分に蓄えられるくらいには稼いでいます!!」


 えっと、この人は一体何を言っているのだろうか?


 唐突に始まったサティラさんの自己紹介と自己PR。

 23歳で幼稚園児くらいの子供が二人も居るって……若い頃に結婚したんだなぁ。そして若いうちから自分のお店を持つ経営者でもある。

 その上サティラさんは今はハキハキと話してはいるが、その見た目はおっとりとした雰囲気のある美人であり、エプロンを纏っているからはっきりとは言えないけど多分スタイルも良い。

 それに洋服店を営んでいるからか兄妹も含めてサティラさん一家はオシャレに見えた。


 これだけ美人で経済力もある女性なら、きっと結婚を申し込もうと思っている男性も多いのではないだろうか?

 あ、もしかしてサティラさんはそれを自慢したかったのかな?


 いま私は順風満帆です! みたいな。


 まあ、人生が上手くいっている時って誰かに自慢したくなるよね。

 ゲームで初見のダンジョンをノーコンティニューでクリアした時は俺も良く自慢したものだ……家族にだけど。そして家族からは総スカンをくらって自慢していた行為自体が恥ずかしくなったんだよな……。


 そんな前世の黒歴史とも言える経験をしてきた俺が今まさに同じことをしているサティラさんにするべき反応は……きっと、同じ道を歩ませない事だろう。


 だからここは……。


「す、すごいですね……?」


 とりあえず、褒めておく事にした。

 さあ、どうだこの選択肢は。間違っていないか?


「ッ……ありがとうございます!」


 よ、良かったぁ!!

 どうやら俺の選択は間違っていなかったようだ。

 とりあえずあの当時の自分を振り返った時に、自分が家族になんて言われたかったのかを考えた結果……褒められたかった、称賛されたかったんだと言う結論に至った。


 だからサティラさんの事も褒めてみる事にしたんだけど、大正解だったみたいだな。

 満面の笑みを浮かべたサティラさんは自身の胸の前で手を合わせてお礼の言葉を口にしてくれた。


 これで話は終わりかな?

 それならばアーシェと今後の動き方について話し合いたいんだけど……。


 数分くらい様子を伺ってみたが、サティラさんはその場からは動いていないが特に話し掛けてくる様子もなかったので俺はもう用事は無いんだなと判断することにした。


「それじゃあ、息子さんと娘さんも無事に見つかったみたいなので俺はアーシエル様と――「あ、あの!!」――はい?」


 何だろう?


「――い、一度でいいので、わ、私と、その……デートして下さいっ」

「………………はいっ!?」


 予想外の展開に俺の喉から素っ頓狂な声が出てしまった。

 でも、正直全くもってサティラさんの発言の意味がわからない。いや、言葉の意味は分かるけど……なんで俺?


 しかし、サティラさんのその発言を聞いていた居た周囲の人達の中から悲鳴に似た叫び声が響き、瞬く間にサティラさんに並ぶように複数人の女性達が集まって来た。


「ちょっと!! あなただけ抜け駆けなんてずるいわよ!! あの、私も是非結婚を前提に……」

「いいえ!! わたくしの方がきっとあなた様に相応しく……」

「何言ってんだい!! こういう若い子にはあたいみたいな大人の女が……」

「わぁ……近くで見ると本当にもう……好き」

「けっこんしたい……」


 サティラさんの両脇に並び出した女性達が次々に俺へと声を掛けて来る。

 今までに体験した事のない展開に頭が混乱してふらつきそうだ。そしてちゃっかりとそんな女性陣に混ざっているルルは本当にやめて欲しい。そこまでストライクゾーンを広げられる自信は無いから!!


 と言うか、これが噂に聞くモテ期というやつなのだろうか?

 高校生の時にクラス一モテると言われていたサッカー部のキャプテンは、こんな気持ちだったのかな……。


 それにしても、イケメンでもない俺にどうしてこんなにも女性達が声を……?


「さあ、素敵な殿方! ぜひ私と!!」

「わ、私ともデートしてください!!」

「「「私もお願いします!!」」」


 ってそんな事を悩んでる場合じゃない!!


 最初はアーシェ目当てで集まって来ていた群衆が、女性陣だけではあるがいつの間にか俺の方へとシフトチェンジしている。

 理由は分からないにしても、これ以上騒ぎになる事だけは避けなければ……。


「あの、申し訳ないんですが……俺はアーシェと――「駄目ぇぇぇぇ!!!!」――ッ!?」

『ッ!?!?』


 俺へと迫りくる女性陣達へ断る為の返事を告げようとした直後、今まで黙ったままでいたアーシェが突然叫び出し、俺に背を向けてとうせんぼする形で女性陣達の前へと立ち出した。

 突然の出来事に俺だけではなく、先程までじわじわとにじり寄って来ていた女性陣までもがその目を見開きその足を止めている。


 そんな俺達の様子を知ってか知らずか、俺と女性陣の間に立つアーシェは我慢の限界を迎えた子供の様に女性陣に対して声を上げ始めた。


「だ、駄目だよぉ!! ランくんは今日、わたしとデートする為に王都に来たの!! 今日はわたしがランくんを独り占めにするの!! 絶対に、絶対に……ランくんは渡さないんだからぁーー!!!!」

『…………』


 アーシェの叫び声は、アーシェ以外が話すことなく静まり返った王都の空へと響き渡る。

 肺に詰まっていた酸素を使い果たす勢いで叫んだアーシェは乱れた呼吸を数回繰り返した後に「あっ」っと小さな声を上げるとゆっくり俺の方へと振り返った。


 振り返ったアーシェの顔は見事に赤面しており、サングラスで隠れている箇所以外の顔部分がゆでだこの様になっている。

 いや、アーシェの叫びを聞いていた俺も多分頬が赤くなっていると思うけど……。


「あっ、ち、ちがっ、いや、違わない!! で、でも、その……うぅ……」


 余程先程の発言が恥ずかしかったのか、アーシェはその場であたふたとした後その場でしゃがみ込んで唸り始めてしまった。

 俺はそんなアーシェの姿に思わず笑みを溢してしまうが、それと同時に胸に込み上げて来た温かな感情の所為で鼓動が高鳴るのを感じた。


 アーシェの必死な様子と話しの内容に”俺は幸せ者だなぁ”と思ってしまう。


「ありがとう、アーシェ。アーシェの言葉……嬉しかったよ」

「~~ッ」


 しゃがみ込んでしまったアーシェへと近づきその頭を左手で優しく撫でながら言うと、アーシェの身体が軽く跳ねてからまた小さく唸り出してしまった。

 そんなアーシェに代わり俺は視線を噴水前に集まっている人達に向けて、少しだけ声を張り話し出す。


「さっき、アーシエル……いえ、”アーシェ”が言っていた様に、俺とアーシェは今日デートをする為に王都へ来ました! ですので、デートのお誘いは受けられません、ごめんなさい! 今日は二人っきりで王都の散策をしたいと思っていますので、どうか俺達の事は騒がずに見守って頂けると嬉しいです!!」


 とりあえず、全員に届いくかなと思われるくらいの声量で話し終えてから、俺はゆっくりと頭を下げた。


「……アーシエル様に言われては仕方がありませんね」

「ご本人にも断られてしまいましたし、今日の所は諦めるとしましょうか」

「てっきり何かの催しかと思ったが……まさかデートだったとはなぁ……」

「おう、あんちゃん!! 魔女様を泣かせる様な真似したら承知しねぇぞ!!」


 そんな声が次々と聞こえて来た。

 顔を上げると全員が生暖かい目で俺やアーシェの事を見ていて、ちょっと気恥ずかしい。

 しかし、どうやら話は分かってくれた様で噴水前に集まった人達は次々とそれぞれがやって来た場所や目的地だと思われる場所へ散り散りになって姿を消して行った。


「ふぅ……なんとかなったみたいだな」


 まあ、結果として恥ずかしさに見舞われる事にはなったが、この様子なら楽しくデートを続けることは出来そうだ。


「よし、集まっていた人達も解散した事だし早速デートを……アーシェ?」

「…………うぅ」


 結構時間を使ってしまったと思いデートを再開しようとしたのだが、アーシェがしゃがみ込んだまま立ち上がろうとしない。


 どうやら俺よりもアーシェのダメージはでかいものだったらしい。

 これは回復するまで時間が掛かるかなと思いながら、俺はアーシェが満足するまで待つ事にした。


 でも、結局どうして俺があんなに女性からアプローチされたのかは分からず仕舞いだな……なんでだろう?












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 【作者からの一言】


 藍くんは決してモテていなかった訳ではありませんが、地球で生活をしていた頃は近寄りがたい雰囲気を纏っていた事もあり、自身がモテているとは思っていないんですよね……寧ろ誰も寄って来ない事から”俺はもしかしたらブサイクなのかもしれない”と長年の積み重ねにより自己肯定感も低くなってしまっているしまつ。

 超絶美人であるミラの血を引いているので、ブサイクでは無いのですが……それを自覚するには相当の年月が求められます。

 ちなみに、妹である雫は兄である藍くんがイケメンである事に気づいていましたが、他の女に盗られたくない独占欲から特に容姿に関して褒める事はありませんでした。そんな雫の対応もまた藍くんが恋愛に関して鈍い原因でもあります。


 【作者からのお願い】


 ここまでお読みくださりありがとうございます!

 作品のフォロー・★★★での評価など、まだの方は是非よろしくお願いします!

 ご感想もお待ちしております!!


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