第15話 俺はえっちらしいです
「空?」
「な、なに?」
「話聞いてた?」
何か言ってたのか?
神様に手を振ってて全く聞いてなかった。
「ごめん、聞いてなかった」
「もうっ! 聞いてなかったの?! 恥ずかしかったのに!」
え、なに言ってたんだ?
え、気になるんだけど!!
「もう一度お願いします!」
俺は深々と頭を下げて懇願した。
恥ずかしかった……それに俺は反応したのだ。
恥ずかしさを感じた女の子は可愛いのだよ。
そんな姿を見たくない男なんていないはず!
だろ?
世界の男たちよ!
「もー、しょうがないなー」
やった!
見れるぞ!
俺が心の中でガッツポーズをしていると彼女の顔が少しずつ赤くなっていった。
「そ、空!」
「はいっ」
可愛い可愛い可愛い可愛い!!!!
恥ずかしがらずにいっつも好きだ愛してるだいってるよりこっちの方が断然可愛いと俺は思う。
慣れたからかな。
これも毎日毎日好きだ愛してるって言ってくる女の子たちのせいだな。
「今日は私と同じベッドで寝ること! 異論は認めない!」
「え…………」
脳機能一時停止。
呼吸停止。
思考停止。
俺は悠亜から目が離せなくなっている。
恥じらいのある悠亜は珍しい。
いつも恥ずかしがらずになんでも言う感じだ。
そんな彼女が恥ずかしそうにモジモジしている。
こんなん萌えるだろ!
萌えないやつがおかしい。
おっ思考が再開されてる。
よかったよかった。
でなんだっけ?
一緒の布団で寝るだっけ?
え、あってるよな。
そう言ってたよな。
俺の脳内は早口なみに回転している。
「一緒に寝るって言ったよね?」
「う、うん。言ったよ」
「ほんとに一緒に寝るのか?」
俺は驚きが隠せないでいた。
流石の俺も美少女で寝るというのは初めての経験なので。
「いいから! 一緒に寝るから!」
彼女はもう言わせないで!
そういう感じにそっぽを向いた。
かわいー。
かわいー。
かわいー。
いつまでも見てられるぜ。
「まあわかったよ、寝ればいいんだろ」
「そうだよ、寝ればいいんだよ!」
はいはい。
しょ、ショウガナイナーネテヤルカー。
そ、それで風呂はどうするんだろう。
後着替えと、歯ブラシ。
まさか悠亜の着替えと歯ブラシを使うなんてことないよな。
ないない。
一応聞いてみるか……。
「あのー悠亜さん?」
悠亜は首を傾げた。
「寝る前に風呂に入るわけですが……」
「そうだね」
「着替えとかどうするんでしょうか」
「着替えね、私の貸してあげるよー」
え、着替えは悠亜さんのですか?!
俺の驚いた顔に彼女は驚いていた。
「え?! 何かおかしいこと言った?」
「思春期真っ只中の高校生の男の子に美少女JKが着替えを貸すって言ったんですよ?! おかしいに決まってるじゃないですか!」
うーん、変なのかなー?
そう呟きながら考える悠亜に対して俺は驚きを隠せないでいた。
思わず敬語になるほどに。
「変だぞ! 考えてみろ!悠亜が服を貸すってことは俺がその服の匂いを嗅いだりしても合法ってことだぞ!」
あっれれ〜おっかしいな〜。
何かもっともらしいことを言おうとしたのに……。
「えー! 空のエッチー!」
そうなりますよね、はい。
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