第16話 知りたい
その後色々相談した結果。
服は近所で24時間営業のフミクロで買うこととなったが、ベッドは一緒に寝ることになってしまった。
わーい。
俺は床でソファで寝るって言ったのに悠亜と美咲さんが断固として拒否した。
「明日も部活あるんでしょう?ならしっかりと疲れを取らなくちゃいけないわよ」
そう言う美咲さんは楽しげに笑っていた。
楽しんでるよこのお母さん。
「別に私のベッドで一緒に寝てもいいのよ?」
それにはやんわりとお断りした。
流石にそれはダメだろ。
同級生のお母さんと一緒に寝るとかやばすぎる。
最近のラノベとかでもなかなか無いぞ!
ていう俺のツッコミは置いといてお母さんと寝る以前に同級生の女の子と寝るってやばいよね。
「空は私と一緒のベッドで寝るの! これは決定事項なの!」
ちょっと悠亜さん、俺の意見は……。
「じゃあ二人で仲良くよろしくね」
美咲さん。普通はそこ止めますよ?
あっ普通じゃなかったわ、この人。
てかそれが目的だったのではと思った頃には全てが遅かった。
美咲さん策士ですね?
「わかったよ……」
俺は折れてしまった。
もうどうにもならないと思ったから。
しかし折れてはいけなかったのだ。
この後の事件を回避するためには、絶対に折れてはいけなかった。
事件後、俺は深く後悔した。
美少女と同じベッドで寝てなにもないと思っていた俺は馬鹿だった。
俺は……馬鹿だ……。
とんでもなく後悔した。
「お風呂入ってくるねー」
「おー」
じゃんけんで風呂は悠亜が先に入ることになったので俺は彼女の部屋にあったFPSゲームをしていた。
ちなみに悠亜に許可は得ているので特に問題ない。
バキュンっ!
ガガガガっ!
ピュンピュンっ!
ドドドドっ!
『ダウン』
「くそー負けたーー」
瞬殺された俺はコントローラーを床に置いて天井を見上げた。
結構FPSゲームの腕には自信があったんだけどなー。
まさか悠亜が俺よりランキング上とはな。
やっていいか聞いた時に悠亜はランクマッチはしないでねと言っていたのでまさかとは思ったが、俺より三つもランクが上だとは思わなかった。
ブロンズ5からダイヤモンド1まであり、俺はダイヤモンド4で悠亜はダイヤモンド1。
小学校から一緒なのに全然知らなかったな、悠亜がFPSゲーム得意だったなんて。
ちょっとプレイしているとこ見てみたいかも。
悠亜がどんな風にFPSゲームをしているか、どんなプレイしているかも気になるし。
実を言うと俺は悠亜のことも海斗や春たちのことも全然知らないかもしれない。
悠亜と海斗は小学校からの仲だけど知らないこと多分多いらしいし、中学校からの仲の春、美来、蓮のこと知らないことの方が多い。
あいつらのことをもっと知りたい。
あいつらとずっといるために、俺は知りたい。
大切な仲間だからこそ知って知られて、ずっと仲良くしたいな。
互いに強みも弱みも知って支え合っていきたいと思うのは傲慢だろうか。
ぼんやりと浮かべていた。
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