第13話 悠亜ママ参上
バカの話は一旦置いておくとして。
本題に入らなければ。
「告白とかじゃなくて何で俺は悠亜の家にいるんだ?」
「あーそれねー」
「うんうんそれそれ」
「みんなで誰が空をお持ち帰りしようかってなってね」
何でそんな話になるんだよ!
たとえそうなったとしても普通男が責任持ってお家に届けるだろ。
何で女子がお持ち帰りしてるんだよ。
おかしいだろ。
「おい男どもはどうした。何で俺は女子にお持ち帰りされてるんだ?」
「えっとね男子は一番に無視して帰ったよ。何でも、あいつなら女子にお持ち帰りされたいだろって言ってた」
あいつらぁ……。
まあそりゃ女子にお持ち帰りされたけど……ほんとにお持ち帰りされたらびっくりするだろ!
それを悠亜に言うのも何だから口には出さないけど。
「それで、女子は?」
「え? 聞いちゃうの?」
聞かないコースとかあったの?
完全に聞くコースだと思ってました。
「聞くよ」
スマートに俺は聞いた。
慌ててるのはなるべく隠して、というか絶対に出さないぞ。
出すもんか。
ポーカーフェイスの空とは俺のことだ。
「女子はね、二人で取り合いになったの」
「え、取り合い? 男子は俺のことほって帰ったのに?」
「うん、そうそう。何でか未羽ちゃんひき下がってくれなかったの」
何で男子は帰って女子は取り合いしてんだよ。
おかしいだろ。
「でどうやって悠亜が勝ったんだ?」
「私がお互い親に連絡してオッケーもらった方って言ったの」
「それで?」
「私はオッケーどころか連れてきてって言われて、未羽ちゃんはお父さんが出たらしくダメって言われてた」
あーお父さんが出たのかーそりゃダメだろうな。
男を家に連れ込むなんて普通の女の子の普通の親は許してくれないだろう。
『普通の』……ここ重要っ!テストでるよ!
よーく覚えておくように!
まあ冗談さておき。
悠亜の母親は普通ではない。
なぜなら…。
俺がそう思っている時、ドタドタと足音が近づいてきた。
バタンっ!
ドアは勢いよく開かれた。
「私も混ぜてー」
そう言って悠亜の母、柊 美咲みさきは悠亜に似て綺麗な銀髪を揺らしながら入ってきた。
もう一度言う。
このお母さんは普通じゃない。
もう一度言おう。
このお母さんは普通じゃない。
何度でも言おう。
このお母さんは普通じゃない。
「空くーーーーーーん! いらっしゃーい!!!」
悠亜ママは俺に飛びついてきてその豊満な胸に俺の顔を埋めさせてきた。
そのおっぱいはとても柔らかくマシュマロに包まれてるようだった。
まさに天国。
これぞ天国。
俺の頬の筋肉が緩んでいると悠亜に頭を叩かれた。
理不尽だ…。
「空は私と春ちゃんたちだけ見てればいいの! お母さんあっち行って!」
何ともお怒りらしい。
そのお怒りは嫉妬なので俺からすると嬉しいぜ。
「そんなこと言わないでよー。お母さんだって空くんと仲良くしたいのよー」
悠亜ママはそう言っていたが悠亜に押されて部屋を追い出された。
「お母さんは出てってよー!」
「はいはい。空くんいつでも悠亜をお持ち帰りしていいからねー」
満面の笑みでそんなこと言うか?
普通なら言わないな。
ほんと普通の親なら。
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