第12話 お前それしかそれしか脳にねえのかよ!?
「え……えっ?! 私ほんとに口に出てた?!」
「ほんとだぞ。冗談じゃなくてまじ」
「まじ?」
「まじまじ」
「私何言ってた? 変なこと何言ってた?」
うわーすごい焦ってんなー。
かーわいー。
「俺とキスしてあんなことやこんなことを〜ってやばいところまで言いそうだったぞ」
「恥ずかしすぎる〜!」
そう言って悠亜は近くにあったぬいぐるみを抱いて顔を埋めた。
そして恨めしそうにこちらを見てきた。
かーわいー。
「何だよ」
「何だよじゃないよ! 何で止めてくれなかったの〜」
「止めたさ! だからやばいところまで言わずに済んだんだろ! 感謝して欲しいくらいさ」
「ま、まあそこは感謝してるよ? けどさ〜もうちょっと早く止めてくれてもよかったじゃんかー」
まあ確かに止めれたとは思うけど、だって可愛かったんだもん。
しょうがないじゃん!
想像してみろ!
私服の美少女が自分が可愛いって言ったので悶えてるんだぞ。
そんなんついつい見ちゃうだろ。
「だって可愛かったし?」
「あれっ? もしかして空の可愛いって案外安っぽい?」
「そんなことないぞ。ほんとに可愛いって思った時しか言わないぞ」
本当のことだ。
俺は可愛いと思った相手にしか可愛いっていわないし、誰でも可愛いって言うわけじゃない。
「まあそれならいいかな」
悠亜はほんのり頬を赤くして言った。
可愛いやつめ。
「俺に可愛いって言われたことを誇ってもいいんだぞ?」
「もうっ! そう言うこと言うからムード台無しじゃん!」
「いいムードのまま次へは行かせない、それが俺だ」
キリッ。
「ほんとそれだよねー。空のダメなとこ。大事なところでもはぐらかしそー」
おいおい、ひどいじゃないか。
「大事なところではちゃんとするぞ、多分」
「ほら! そこで多分って言うから空のことあんまり信用できないんだよねー」
俺と悠亜のふざけた会話はいつもこんな感じだ。
まあそれを心地よく感じてる俺がいるんだけどな。
「ところで悠亜」
「なに? 恋愛相談?」
「なわけ。何でそう言う方向にこの会話から行くんだよ!」
「だってしたいもん」
悠亜はいつもそんなんだな。
まあ可愛いからよしとしよう。
あれっ? もしかして俺の考え方異常?
可愛いから許すっているのは異常ですか?
いやそんなことはないはずだ。
全世界の人は可愛いを求めている!
すいません自論です、勝手に全世界の求めているもの決めてすいません。
けど可愛いは癒されるし最高だろ?
てことで俺は異常ではない、オッケー自問自答終了。
「ところで本題なんだけどさ」
「何? 告白?」
この女ほんとにそういうことしか脳ねえのかおい。
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