第5話 サッカー部1
そんでもって授業終了後。
俺と海斗は事前に知らされていた部活の初練習へと向かった。
最初のアピールチャンスだ。
カッコよく決めないとな。
だって俺は主人公になるんだから。
おーさすが私立。
人工芝と天然芝で二面もあるなんて。
俺と海斗は学校が終わった後、校舎から徒歩五分のサッカーグラウンドに来ている。
俺たちはサッカー部に推薦入部しており、一般入部よりも早く練習に参加するのだ。
だから推薦入部の人以外は部活見学をしている感じ。
一般の人たちは一週間の見学期間、その後に二週間の体験入部期間の二つを終えてから入部といった形だ。
推薦入部の人は入学式の後にすぐ練習に参加でそれが今日だ。
「すごいきれいだね。中学では土ばっかだったからなぁ」
「そうだな」
小学校の時はクラブチームだったので芝グラウンド練習、試合をしていたが中学の時は普通の公立中学なので土グラウンドだったのだ。
だから芝グラウンドはとても懐かしく感じる。
「一年生集合!」
どうやら呼ばれたみたいだ。
「ほら、行くぞ」
「うん」
俺たちが走って集合するとでかい壁に囲まれた。
いや、壁じゃない。
これからチームメイトになるであろう奴らだ……でかっ!
俺が驚いているとコーチと思われる人が話し始めた。
「こんにちは。入部してくれてありがとう。私Bチームのコーチをしている広津だ。よろしく」
「「「よろしくお願いします」」」
俺らが返すとコーチは再び口を開いた。
「君たちは推薦入部者だ。他の一般入部よりも早く練習に参加することができる。そしてBチームからスタートする。その意味がわかるか? それだけ期待しているんだぞ。だから中途半端なプレーなんかすると即Dチームに落とすからな」
当然だ。
俺はそう思っていた。
やる気のないやつは上にいるべきではない。
そしてコーチが話し終えると次は少し髭を生やした監督であろう人が出てきた。
「私はサッカー部顧問で監督の濱野だ。主にAチームを見ている。厳しい練習もあるし、やめたいって時もよくあるだろう。それでもサッカーが楽しいものだと言うことを忘れないでほしい。それが私の指導だ。そんな厳しくもサッカーを楽しむ部活だが三年間よろしく」
いい監督だな。
話が終わると同時に思ったのはそんなことだった。
興南高校サッカー部は全国大会常連の強豪だ。
サッカー部内でA、B、C、Dチームがあり、学期ごとにある紅白戦で昇降格を決める。
公式戦があるのはAとBとCだけでDチームにはない。
そして選手権や総体に出るのはAチームだけだ。
そして俺と海斗は全国大会に出て優勝するためにAチームのレギュラー狙っている。
だって主人公なら必ず全国大会優勝だろ。
それと小学校の時のリベンジだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます